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「自分で作ったロボットを動かしたい」という息子のために。親子でロボットプログラミングの沼にハマった話

カムプログラムロボットで遊ぶ息子

id:mana-catと申します。都内に住んでいて、夫・9歳長男・6歳次男・1歳長女そして私の5人暮らしで、夫婦共にIT系エンジニアをしています。

私たち夫婦はエンジニアの仕事をしていることもあり、子供たちとの遊びにもプログラミングや電子工作を取り入れてきたのですが、今ではすっかり親子でその沼にハマっています。

2020年度から全国の小学校で「プログラミング」の授業が必修化されたことでプログラミング教育が注目される昨今。「どんなことを教えたらいいんだろう?」と、子供へのプログラミング教育に関心を持つようになった親御さんもいらっしゃるでしょう。

「プログラミング」と聞いて専門的で難しそうなイメージを持つ方も多いかもしれません。でも実はお子さんが好きな遊びの延長で楽しめる教材や、未就学児のお子さんと一緒に楽しめる簡単な教材もたくさんあり、親に専門的な知識がなくても、楽しみながら始めることができます。

長男がプログラミングに興味を持ったきっかけは、小さい頃からブロック遊びが大好きで、いつしか「自分がブロックで組み立てたロボットを動かしたい」と考えるようになったことでした。



そこで今回は、長男がプログラミングに興味を持ったきっかけから、楽しくプログラミングに取り組めるように親としてサポート・工夫したことまでを、子供に接する際に大切にしたい視点とあわせて振り返ります。また、夫はエンジニアをしながらプログラミング教育を広める活動に取り組んでいるので、プログラミング教育の最初のステップにおすすめの初歩的な教材についてもセレクトしました。

わが家のエピソードがプログラミングに少しでも興味を持ったり、楽しく始めるきっかけになればうれしいです。

目次

<この記事の登場人物>

母:平愛美(id:mana-cat
ITエンジニア。6年ほど前から趣味で電子工作にハマり、家庭内IoTについて日々研究するIT系母ちゃん。

父:平初
ITエンジニア。息子にプログラミングを教えているほか、子供に向けたプログラミング教育の普及にも努めている。共著に『子どもに読んで伝えたい! おうちではじめるプログラミングの授業 』(翔泳社)がある。

長男(9歳)
5歳の頃から両親の影響でプログラミングに興味を持つように。最近では「マインクラフト」でのプログラミングに夢中。6歳の弟にもプログラミングを教えたりしている。


1歳から大好きだった「ブロック遊び」が、プログラミングに興味を持つきっかけに

まずは、長男がプログラミングに興味を持つきっかけを振り返ってみます。

長男は1歳の誕生日にプレゼントした積み木とブロックが大好きで、毎日夢中になって遊んでいました。次第に、立体的な建物や乗り物なども簡単に作れるように。最初の頃は大きめのニューブロックを組み立てていましたが、年齢が上がるにつれ複雑なブロックを組み立てるように。自宅ではレゴブロック、保育園ではKAPLALaQでたくさん遊びました。




【用語集】

  • ニューブロック
    • 1.5歳から長く遊べるように開発されたGakkenのプラスチック製ブロック玩具。子供の発育に合わせて遊べる仕組みになっている
  • レゴブロック
    • デンマーク生まれのプラスチック製ブロック玩具。未就学児向けには、通常よりもブロックのサイズが大きい「デュプロ」シリーズなども展開されている
  • KAPLA
    • ワンサイズの板を積み重ねて建物や乗り物、動物などが作れる、フランス生まれの木製ブロック
  • LaQ
    • 四角と三角の基本パーツにジョイントパーツをつないで平面・立体・球体が作れるパズルブロック

父親のガンダム好きがきっかけで「ロボット」にも興味を持っていた長男は、やがてブロックでロボットを組み立てて遊ぶようになりました。

また以前から、私が電子工作にハマり、プログラミングでプラレールを操作できるようにしたりしている様子を見ていた長男。私の様子がとても楽しそうに見えたようで「自分もプログラミングをやってみたい」という気持ちも芽生えていたようです。

長男の中でロボットへの興味と、プログラミングへの興味が重なり、いつしか「自分で組み立てたロボットを自分でプログラミングして動かしたい」と思うように。親としてはその「動かしたい」という思いに応えたいと考えました。

そんな折、長男が5歳になった頃、家にIchigoJam(プログラミング専用こどもパソコン)がやってきたことが、長男がプログラミングを始めるきっかけになりました。息子は自ら興味を持ち、父親の支援のもと自分ではんだ付けし、この小さなパソコンを組み立てました。

父コメント:IchigoJamを選んだのは、クラウドコンピューティングが主流になる今後において、仕組みを生で感じられるマイコン(マイクロコンピュータ)に触れる機会を息子に与えたかったという思いがありました。


【用語集】

  • クラウドコンピューティング
    • クラウド環境(インターネット環境)で、データベース、ストレージなどさまざまなコンピューティングサービスを利用すること
  • マイコン
    • 「マイクロコンピュータ」の略で、コンピュータが持つ基本機能を一つのICチップに搭載した電子部品



プログラミングに興味を持った長男にぴったりな教材を探した


プログラミングのイメージ

「プログラミング」というと、パソコンの黒い画面に向かい、難解なプログラミング言語を使ってプログラムを入力する……というイメージがあるかもしれませんが、「プログラミング教育=プログラミング言語の学習」ではありません。小学校のプログラミング教育でも、プログラミング言語の教育は必須ではなく、プログラミング的思考を身に付けることで物事をロジカルに考え、日常生活で活用するための応用力を身に付けることに重きを置いています。

わが家では、プログラミング教材に高い関心を持っていた夫が中心となって、プログラミング学習への興味を深めている息子が次のステップとして楽しく取り組めそうな教材は何かを考えました。

小学生よりさらに小さい幼児期からプログラミングに触れるのであれば、プログラミング的思考を学ぶことよりもまずは「プログラミングって面白い」と感じてもらうことが何より大切だと考え、さまざまな選択肢の中から、長男に合うものを検討しました。

プログラミング学習の種類

父コメント:プログラミング学習には、ざっくりと下記のような種類があります。下にいくほど難易度が上がります。


1.アンプラグド
コンピューターやロボットを使わずに絵本やアクティビティでプログラミングの仕組みを学ぶ手法です。有名なのが『ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング』(翔泳社)という絵本。ストーリーの中で「論理的に相手に物事を伝える方法」を主軸に、命令定義や分岐といったプログラミングに必要なエッセンスを教えてくれます。絵本なので子供一人でも読めますが、親が読み聞かせて一緒に進めていくのがおすすめです。

「ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング」を詳しく見る


2.ロボットプログラミング
ロボットを使ってプログラミングの仕組みを学ぶ手法です。(教材によっては難易度が高いものもありますが、今回紹介する「カムプログラムロボット」の場合は、ブロック感覚で組み立てるだけでプログラミングの知識を学ぶことができます)

「カムプログラムロボット」を詳しく見る


3.ビジュアルプログラミング(Viscuit、Scratch など)
Viscuit」はパソコンやタブレットで動かすことができます。スケッチに絵を書いて動かしたり、メガネと呼ばれる仕組みを使ってプログラムを定義したりできます。キーボード入力は不要で、マウスやタッチ操作でプログラミングを体感できます。

Scratch」はパソコンやタブレット、ブラウザ上での動作といろいろな動作環境で動きます。スプライトと呼ばれるブロックをステージの上に並べることでプログラミングができ、アニメーションやゲームなどを自由に作ることができます。

「プログラミング教材 ビジュアルプログラミング」を詳しく見る


4.テキストコーディング(BASIC、Python、JavaScript など)
プログラミング言語を用いてテキストを記述し、コンピュータに命令を出すプログラミング手法です。

IchigoJamは「BASIC」という言語でプログラミングできます。BASICは直感的にハードウェアに命令を出せる入門者向けとも言われるプログラミング言語で、IchigoJamを使えば子供でもLEDの制御などができ、視覚や聴覚でコンピューターを体感することができます。

「プログラミング教材 BASIC」を詳しく見る

ロボットが好きな長男の次のステップに「ロボットプログラミング」を選択

ロボットが好きな長男には、やはり「ロボットプログラミング」がよさそうだと考えました。長男が楽しく取り組めるのはどんな教材だろうかと、ネットの口コミを調べたり、秋葉原の店舗まで足を運んだりして、親自身も沼へハマっていくことに…。さまざまなプログラミング教材を購入し、合計で5万円くらいは散財しているかもしれません。

そんな中で特に楽しく取り組めたのが、TAMIYAの「カムプログラムロボット」でした。

ブロック遊び感覚でロボットプログラミングが学べる「カムプログラムロボット」

カムプログラムロボットは、カムを使ってロボットの動きをプログラムできる、ロボット工作の組み立てキットです。はんだ付けなどは必要なくネジ止めとはめ込みだけで完成するので、子供でも組み立てやすいのが特徴です。

ご家庭のテーブルの上程度のスペースがあれば、気軽にロボットプログラミングを楽しめます。

カムプログラムロボットのプログラム方法

カムプログラムロボットは、カムを差し込むことで進行方向を簡単に変えることができます。実際に動く様子を見てもらう方が分かりやすいので、長男がカムプログラムロボットを動かしている様子を動画にしました。



カムを棒に差し込むことで動きをプログラムでき、ロボットがモーターの動力で前進する仕組みです。

動きはとても簡単な仕組みで構成されており、カムの突起によってキャタピラーの脚が浮くようになっていて、反対側のキャタピラーの動力で曲がります。

父コメント:下記は、私が考えたカムプログラムロボットのプログラムの例題です。カムプログラムロボットを組み立てたら、下記のような動きを指示してみましょう。


カムプログラムロボットの例題

カムプログラムロボットはロボットプログラミングの基礎が学べるのはもちろん、ギアボックスの構造や電池とモーターの関係、電気の流れについても知ることができます。


【用語集】

  • カム
    • 機械の運動の方向を変えることができる部品
  • キャタピラー
    • もともとは建設重機や戦車などに用いられる、帯状につなぎ合わせた鋼板を輪にして、前後の駆動輪にかけ渡して回転させることで走行する装置のこと
  • ギアボックス
    • モーターの回転数を調整するための変速機

基本は子供に任せ、親は見守りながらアドバイスを

カムプログラムロボットを組み立てて遊ぶにあたって、長男が楽しく取り組めるように親としてどう見守っていったか、あくまでわが家の場合ですが、大切にしたことについても紹介します。

基本は長男に、説明書を見ながら番号通りに組み立ててもらいました。親は各手順で作業が合っているのかを確認するようにアドバイスを行い、うまく作業できたら小まめに褒めるようにしました。自分で作り上げたいと子供が感じているのなら、積極的に手伝わずに、困っている様子が見られたら何に困ったかを子供に話してもらうようにしました。

長男が遊んでいる様子

ギアボックスの構造は難解なので、小さなお子さんには難しいと思います。また、電池と電線を固定する部分も子供には難易度が高いので、大人が手伝うようにするのがいいと思います。

パーツを切るのにニッパーが必要になるので、プラモデルを作ったことがないお子さんには特に、手を切らないように注意してください。

【番外編:パソコンを使って、さらに高度なプログラミングも】

子供がパソコンを使い始めたら、テキストコーディングなどを使い、より高度なプログラミングにもチャレンジできるようになります。

そこでより高度な番外編として、パソコンを使った「カムプログラムロボットの改造」についてご紹介します。

手順としては、IchigoJamやmicro:bit、Arduino Unoなどのプログラミング可能な教育用コンピューターをカムプログラムロボットの中央に搭載し、USBケーブルを通じてパソコン側で作ったプログラムを転送します。目の部分にLEDを付けたりしても、愛着が沸いて良いでしょう。

カムプログラムロボットの改造


父コメント:こちらはArduinoというマイコン(CPU)と、2ch モータードライバーをカムプログラムロボットに組み込み、パソコンからプログラムを書き込んでいます。詳細については下記の動画で私が解説していますので、そちらをご覧ください。




子供が楽しく取り組むために、親がサポートできること

カムプログラムロボットを組み立てたことによる喜びと達成感でロボットへの愛着がさらに湧き、長男にとってロボットがより身近なものになりました。

また長男はカムプログラムロボットを通して「処理を自動化することによる考え方」も学び、その考え方を応用して、人に何かを依頼するときに順序立てて説明できるようになりました。

その後、9歳になった長男は現在「マインクラフト」のゲーム上で建築をするためのプログラミングにハマっています。次男にもプログラミングを教えたり、最近では初心者向けにマインクラフトの魅力や、マインクラフト上でのプログラミングについて解説するYouTubeチャンネルを始めたりもしました。



Pantora チャンネル - YouTube

夫は長男にプログラミングを教えたことをきっかけに、子供へのプログラミング教育を支援する活動も始めました。Webの記事や本を通じて親御さん向けに情報を発信したり、親子向けのワークショップに講師として参加したりしています。

私自身も、長男に教えたことでプログラミング教育について考えるきっかけになりました。また、Raspberry PiやM5Stackなどの新しいモデルが発売されると、「子どもが取り組んでも楽しめそうか?」といった、これまでとは違った視点を持つ良いきっかけにもなりました。

長男がプログラミングに興味を持ってから現在までの約5年を振り返って、子供が夢中になるような工夫や声かけをしながら、応援する立場で取り組むことがとても大事だったと感じています。

子供が興味を持ったことは全力で応援しますが、自主性を大切にして決して強制はしないこと、また、好きではないことは無理にさせないように気を付けてきました。

特に長男がプログラミングに興味を持ち始めた5歳の頃は、何かつまずく要素があったら一緒に解決していく方針で、あくまでも本人の気持ちに寄り添っていくように徹底しました。ロボットプログラミングは失敗から学ぶことが大変多いので、決して叱らず、成功するまで見守る姿勢を大事にしました。親は子供よりも数多くの失敗をしているからこそ意見を言いたくなるのですが、そこはぐっとこらえて、見守っていけるといいと思います。


【用語集】

  • Raspberry Pi
    • 学校教育用に開発されたカードサイズの小型コンピュータ。電子工作やプログラミングを学ぶ環境として広く愛用されている
  • M5Stack
    • マイコンやカラー液晶ディスプレイなどの機能を備えた小型コンピュータ。IoTのプロトタイピング(試作)向けのデバイスとして使われている

もっと小さな子供でも楽しめるプログラミング教材も

もっと小さなお子さんでも楽しめるよう、最後にわが家の子供たちが気に入って遊んでいた、より初歩的なプログラミング教材もご紹介します。

初めてのロボットプログラミングに「コード・A・ピラー ツイスト」

次男が3歳~4歳の頃に遊んでいた、イモムシ型のプログラミング学習用ロボット「コード・A・ピラー ツイスト」です。

次男が遊んでいたのは初期モデルで、イモムシのボディに何種類かのアイコンが書かれたパーツを連結していき、最後にイモムシのボディに付いている進行方向ボタンを押すと、自在に動きを制御できる仕組みでした。最新モデルではパーツ組み合わせは不要で、ボディに5箇所付いているダイヤルを回して進行方向を指示するように改良されています。

わが家では部屋に障害物を置いて、イモムシロボットが除けながら進行できるようにプログラミングしていました。達成感もあり、子供にも楽しい気持ちが芽生えたようです。他に「歌う」機能もあり、プログラミングだけではなく創造力も育むことができます。3歳~6歳の、主に未就学児のお子さんで、初めてのロボットプログラミングに最適な教材です。

プログラミング的思考を鍛える「くみくみスロープ」

長男が5歳~6歳の頃に遊んでいて、6歳の次男も最近夢中になって遊んでいるのが「くみくみスロープ」です。

パーツを組み合わせて、最上部からボールを転がして遊ぶおもちゃで、自分の考えたコースを作ることができます。コースを考えながら作ることで子供の創造力を高める知育玩具として開発されていますが、「ボールが2分の1の確立で右と左に交互に分かれるパーツ」があり、実はプログラミング的思考の「条件分岐(ある条件が満たされているかどうかによって、次に行う処理を決めること)」を鍛えるためのトレーニングにもなります。

パーツが増えるほどより複雑なコースを作ることができ、子供の知的好奇心を向上させる働きもあります。わが家では、拡張パックの「くみくみスロープ ボリュームアップセット」を購入しましたが、パーツが増えることで組み立てる難易度も上がり、創造力も育まれていると感じました。最近では、通常版よりも多くパーツが入った「くみくみスロープ たっぷり100」という商品も展開されていて、年長~小学生の子供に人気があるようです。(※ボールが小さいので、3歳未満のお子さんがいるご家庭は遊ぶ際には十分お気を付けください)

おすすめは、このくみくみスロープに「ピタゴラ ゴール1号」を組み合わせること。ゴールすると旗が立って「ピタゴラスイッチ」の音楽が流れるので、成功したときの達成感が2倍増しになり、子供がさらに夢中になるはずです。

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プログラミングは特別なことではなく、小学生になったら誰でも学ぶ機会がある学問になりました。だからこそ、子供が楽しく取り組めるきっかけを作っていきたい。お子さんが興味を持つ知育玩具やプログラミング教材をトライ&エラーで探してみてください。一番の近道はないので、まずは親子で一緒に楽しみながら、手を動かしていきましょう。

著者:平愛美 (id:mana-cat)

1983年生まれのインフラ系ITエンジニア。三児の母で、趣味は写真とグルメ。 最近はRaspberry Pi、Arduinoを使った家庭内IoTについて日々研究している。主な著書は、『Raspberry Pi Zeroではじめよう!おうちで楽しむIoTレシピ』 (翔泳社)『改訂3版 Linuxエンジニア養成読本』(寄稿、技術評論社 刊)など。

Twitter:@mana_cat Blog:Mana Blog Next

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今回紹介した商品

「カムプログラムロボット」を詳しく見る
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「コード・A・ピラー ツイスト」を詳しく見る
「くみくみスロープ」を詳しく見る
「ピタゴラ ゴール1号」を詳しく見る

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