それどこ

「あなたの本棚、見せてください」 “本好きな5人”のこだわりの本棚&整理術!

本好きの5人が「自身の本棚」を紹介します。『スゴ本』の中の人、SF書評家の冬木糸一さん、辞書コレクターのながさわさん、元書店員の潮見惣右介さん、1,000冊以上の絵本を保持する甘木サカヱさんのこだわりの本棚を写真付きでご覧ください!

あなたの本棚、見せてください!

本棚にはその持ち主の思考や特徴が見えるといわれています。そこで、これまで「それどこ」に登場してくださった“本好きの方々”に、「こだわりの本棚」を紹介してもらいました。いろいろな人の本棚を見て、自分の本棚にも生かしてみませんか?

参加者は以下の方々です!

潮見惣右介さん……元書店員
冬木糸一さん……月30冊読書するSF書評家
甘木サカヱさん……1,000冊以上の絵本を保持
ながさわさん……年に100冊以上の辞書を買う辞書コレクター
Dainさん……年間約100冊を読破するブログ『スゴ本』の中の人

潮見惣右介さん(元書店員):本を魅力的に見せるため表紙を意識する

本棚で最もこだわるポイント
「本棚は色気と検索性」
本を魅力的に見せるために「表紙が見える」ことを意識した本棚本を魅力的に見せるために「表紙が見える」ことを意識した本棚

著者:潮見惣右介id:shiomiLP

潮見惣右介

元書店員/ブロガー。小説とか音楽とかポップカルチャーとか。
ブログ:無印都市の子ども
Twitter:@shiomiLP
それどこ寄稿

電子書籍にはなくて紙の本にはある魅力ってなんだろうか? と最近よく考えるのですが、今のところそれは「モノとしての色気」なんじゃないかと思っています。

もともと書店員をしていたこともあって、せっかく紙の本で購入したのなら、自宅の本棚でもその魅力を発揮できるように並べてあげたい、と思うわけです。書店に並んでいる本がそうであるように、最も簡単に本が魅力的に見える方法は「表紙が見えるかたちで並べてあげること」だと思います。大きな本棚に背表紙がずらっと並んでいる光景も壮観でグッドですが、やっぱり本の顔となるのは表紙ではないでしょうか。

また、ブックスタンドで表紙が見えるように置くのには、買い足した本を収納できるだけの余裕を作っておくという意図もあります。整理したときだけきれい、というのではあまり意味がないので、ブックスタンドに好きな本を置いて表紙を見せつつ、それをブックエンドの役割としても使ってスペースを確保するのがおすすめです。

ブックスタンドをブックエンドのように使っている棚の例ブックスタンドをブックエンドのように使っている棚の例

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どうしてもスペースがないときは、例えば長編コミックの後半の巻を本棚の後ろ側に隠したり(写真の右側上部の『東京喰種』など)、同一作家の著書の前で表紙が見えるように置いたりすることで、本が見えなくてもそこに何があるか分かるようにしてスペースを節約しながら表紙を飾っていくと、管理しやすくなると思います。 

『東京喰種』(右上)の後ろに、このマンガの後半の巻が隠れている
『東京喰種』(右上)の後ろに、このマンガの後半の巻が隠れている

本の並べ方は「自分が探すときに見つけやすいかどうか」を基準にしています。素直にジャンル分けをした後、本のサイズごとに分けていくのが最も管理しやすく、見つけやすいと感じます。

文芸書は国内作家と海外作家に分けて、あとは作家名順。文庫や新書に関しては、出版社ごとに振り分けたあとに、背表紙の頭の方についている<ひらがな-数字-数字>の整理番号順で並べます。

例えば、新潮文庫の夏目漱石『坊っちゃん』の背表紙には、<な-1-3>と番号が振られています。これは新潮文庫では夏目漱石が「な」で始まる作家群の1番目の作家であり、『坊っちゃん』がその中で3番目の作品であることを示しています。それぞれの番号順に並べておくと、本屋の店頭で「あれ? この文庫買ったっけ?」と思い出す際の手がかりになることがあります。

また、「なんとなくやわらかい雰囲気の出版社の文庫」から「なんとなく固い雰囲気の出版社の文庫」の順番で並べてあげると、収まりが良くなるのでおすすめです。自分が率直に抱いている印象で構いません。一例として「小学館文庫→新潮文庫→ちくま文庫→岩波文庫」みたいな感じです。

本棚は収納でありながら部屋の雰囲気を決定づける重要なインテリアだと思います。花やポスターを飾るように、本も飾っていきましょう。

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冬木糸一さん(SF書評家):スペースに役割を与え、見つけたい本がすぐ見つかるように

本棚で最もこだわるポイント
「必要な本をすぐに探せるようにする本棚」

冬木家のミニマムな本棚
冬木家のミニマムな本棚

紹介者:冬木糸一id:huyukiitoichi

冬木糸一さん

ブログ「基本読書」でよくSFやノンフィクションのレビューを書いています。
ブログ: 基本読書
Twitter::@huyukiitoichi
それどこ寄稿


冬木糸一と申します。普段は読書ブログなどを書いております。ただ、あまり本棚を作り込んでおらず、100~300冊ぐらいの本を自分が決めた方針に沿って常に入れ替えているような状況なので、今回はその辺をどうやっているのかを書ければ。とはいえ、そんな大層なことはやってないんですが……。

基本的な方針としては、本を下記4種類に分類して、本棚(として使っているカラーボックス)の4つのスペースに突っ込んでいくだけです。

  1. 読み終わったけど、これから先仕事で使ったりシリーズの続刊が出る予定の本(写真左下)
  2. 読み終わった後、ブログに書く可能性のある本(写真左上)
  3. これから読む本(写真右上)
  4. 読んで、ブログや原稿などもあらかた書いた本(写真右下)


スペースの役割について解説していきます。まず写真左下(1)のスペースは、原稿仕事などで使うための本を置いておく場所です。僕の場合、書評連載で後ほど取り上げる予定のあるSF作品が多いです。まだ続刊の出るシリーズものも、ここに入れて保存しておきます。

その隣、写真右下(4)のスペースは原稿やブログ記事などで書き終わった本・予定のない本を入れていくところ。このスペースではできる限り溜めないことを優先し、溜まった本は廃棄(or 売却)されます。もし(1)と(4)が溢れたら、一時的に別のスペースに置いて分かるようにしておきます。

その次、写真左上(2)のスペースは「読んだけど、まだブログに記事を書くか決めていない」本の置き場となっております。予備的なスペースとして使うことも。

最後に、写真右上(3)のスペースは「これから読む本」を溜めておく場所で、いわば積読ゾーンですね。このボックスのすぐ右側が作業机なので、読みたいと思ったらすぐにここに手を突っ込んで適当に読み始めます

全体のこだわりとしては、あまり数が多いと「えーとあれはどこにあったかな……」と探す手間がかかってしまうので、用途を決めたスペースをちょっと探すだけですぐ見つかる程度の冊数が程よく詰まっているとベストかなと考えています。本をきっちり並べようとするとその時間コストもかかるので、常に雑に突っ込めるようにそのスペースを空けておくことが、僕の頭の中の整理にもつながっています。

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甘木サカヱさん(1,000冊以上の絵本を保持):大きくて重い絵本を「スチロールレンガ」で支える

本棚で最もこだわるポイント
「どれだけ絵本を詰め込めるか!」

紹介者:よく眠りたまに色々考える主婦(甘木サカヱ)id:toppinpararin

よく眠りたまに色々考える主婦(甘木サカヱ)さん

「よく眠りたまに色々考える主婦」の名前で、Twitterフォロワー数は約89,000人(2019年3月現在)。2018年からフリーライターとしての活動をスタート。近著に『アラフォーになってようやく気づいたんだけど、私、たぶん向いてない、生きることに……』(KADOKAWA)。
ブログ:パンだな―パンダ主婦の本棚
Twitter:@toppinpararin

我が家にいくつかあるうち、一番大きい本棚。今年中には容量オーバーしてしまいそうなのが悩みの種。
我が家にいくつかあるうち、一番大きい本棚。今年中には容量オーバーしてしまいそうなのが悩みの種。


我が家に1,000冊以上ある絵本の収納は、慢性的に不足する本棚スペースとの闘いです。

絵本を買い集め始めた頃は、検索性を優先し、図書館のように著者別・五十音順に絵本を並べていました。しかし徐々に蔵書が増えていくにつれ、絵本特有の本棚の悩みが、くっきりと浮かび上がってきました。

我が家の本棚問題。それは絵本の、ほかの書籍に類のない判型の多様さにあります。

同じ著者の絵本であっても、その判型はさまざま。大きいものでは、高さが40cm近くあるB4判、小さいものは手のひらサイズです。これらの絵本を著者名で五十音順に並べるとなると、当然、大きいサイズの本に棚の高さを合わせる必要があり、そこでデッドスペースが発生してしまいます。管理という点でも手間が膨大になるのが悩みの種でした。

そのため現在は、判型別に分け、ぎっしりと無駄なく収納しています。

判型ごとに分けてぎっしり収納。
判型ごとに分けてぎっしり収納。

いろいろと試行錯誤した結果、私はついに、第三者から見た検索性の良さを放棄することに決めました。具体的には、「自分が買った順に並べる」「自分だけのスタメン棚を作る」ということです。

気に入って買った絵本は、たとえ作者名や本のタイトルを度忘れしても、判型と買った時期はなんとなく覚えているものです。とにかく判型別に棚を分け、新しく買った本を左からどんどん追加していく方式にしました。「あの絵本はどこだったかな、比較的最近買った……横長の形で……黄緑色の表紙の……」と探していけば、すぐに見つけることができます。その代わり、本を買った私以外の人にとっては分からないので、まさに私仕様にカスタマイズされた本棚ともいえます。

また、特に大好きな作家の作品や、小学校での読み聞かせでよく読むような本は、「スタメン棚」に移動させます。頻繁に読む本を、より素早く見つけることができます。

本棚グッズで私なりの工夫をしているのは、ブックエンドです。

絵本は大きく、薄く、重いものが多いため、普通のブックエンドではなかなか本の重みを支えきれません。この問題を解決してくれたのは、100円ショップで売っている、発泡スチロール製のレンガでした。スチロールレンガを縦にして本の隙間に差し込めば、潰れることなく、重い本をしっかり支えてくれます。

また、スチロールレンガを横に差し込み“ひな壇状態”にして、小さな絵本や文庫本を上下2段にして並べたりもできます。やや取り出しにくいのが玉にきずですが、単純に収納力が2倍になるので、本棚で小さい本のスペースにお悩みの方にはぜひお勧めしたいと思います(※当然ながら本の重みも2倍になるので、くれぐれも棚の耐荷重にはお気をつけください!)。

スチロールレンガで組んだ、ひな壇式ミニ本スペース。
スチロールレンガで組んだ、ひな壇式ミニ本スペース。

ぎっしり詰まった本棚は、本好きにとって最高の癒やしスポットです。これからも大好きな絵本を少しずつ増やしていきたいと思っています。

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ながさわさん(辞書コレクター):500冊の辞書が詰まった本棚を支える床をコンパネで補強

本棚で最もこだわるポイント
「辞書を引き比べるのに最適な並びを模索」

辞書の重みで床が抜けないようコンパネで補強した本棚

紹介者:ながさわid:fngsw

ながさわさん

一介の辞書コレクター。暇さえあれば辞書を引いている。
ブログ: 四次元ことばブログ
Twitter::@kaichosanEX
それどこ寄稿


辞書収集が趣味だと話すと、決まって「床は抜けないのか」と心配されます。全然問題ないと言えればいいのですが、実はそうでもありません。

なぜかといえば、500冊を超える辞書を収めた本棚3本を、我が家のクローゼットに押し込んでいるためです。クローゼットは衣類を吊り下げて収納する場所であり、床が他の居住部分に比べて弱いのです。なぜそんなところに本棚を入れているのかというと、話は長くなるので割愛します。

それでも今のところ階下の住人に怒鳴り込まれず済んでいるのは、コンパネで床を補強しているから。コンパネは、コンクリートの型枠に使用する合板で、ホームセンターで安く買うことができます。この厚さ1cmの合板を本棚のサイズに合わせて切り出し、床に敷くだけで、耐久性はぐっと上がります。

本棚は、クローゼットの広さにぴったり合うよう、サイズを細かく指定できるものを選びました。棚板には、重い辞書を入れてもたわまない厚みがあるのも重要です。今は2.5cm厚の棚板を使っていますが、それでも若干たわんでしまいます。

辞書を支える棚板
辞書を支える棚板

辞書の収納にあたっては、同じタイトルの辞書をまとめ、版の順に並べるようにしています。辞書を引くと、どうしてもその古い版の記述も確かめたくなるものですよね(ね?)。手早く版をさかのぼるためには、初版、2版、3版……というように、順々に並べておくのが便利なのです。辞書によっては刷違いも集めていますが、刷の違いは背表紙からは分からないので、刷数を書いたインデックスシールを貼って、一目で何刷か分かるよう工夫しています。

ありがたいのは、辞書が自立してくれるため、ブックエンドが不要なこと。ただし、中には「豆辞書」と呼ばれる、手のひらに乗る大きさの辞書もあります。そのまま本棚に入れておくと、どこかへ紛失してしまいかねません。そこで重宝しているのが辞書型の金庫です。辞書に擬態する金庫なので、本棚にぴったり収まるサイズです。この中に「豆辞書」を入れておけば、なくす心配はありません。

辞書を収納するというと「辞書ごとに、版の順に並べる」のが当然だと思われています。ただ、この方法は、1種類の辞書について通時的に比較するのには向いていますが、共時的な比較、例えば「1970年ごろの辞書の記述を比べたい」という目的には不向きです。ひとつの夢として、持っている全ての辞書を年代順に一列に並べて保管したいという願望も抱いているところです。

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Dain(ブログ「スゴ本」の中の人)さん:年間約100冊を読破するが、所持しているのはなんと段ボール1箱分だけ

本棚で最もこだわるポイント
「本棚を持たず、動的に変わる自分の興味を反映する『本箱』のみ所有」

動的に変わる自分の興味を反映する、ダイナミック・ライブラリ「本箱」
動的に変わる自分の興味を反映する、ダイナミック・ライブラリ「本箱」

紹介者:Dain

Dain(スゴ本)さん

年間100冊読書する『スゴ本』中の人。それどこでは「10年前の自分に読ませたい本」などのテーマで、おすすめの本を寄稿。 ブログ / Twitter / それどこ寄稿


わたしは自分の本棚を持ってない。壁一面の巨大な書架や、本で埋め尽くされた部屋、あるいは、お気に入りだけを面陳した棚なんて、羨ましい妬ましい。

もちろん我が家にも本棚はあるし、浴室以外の全ての部屋に本がある。しかし、それらは子どものマンガ置き場だったり妻専用の書棚になっており、「わたしの本棚」ではない。わたしの本は、それぞれの棚の一部を間借りする形で、あっちへ数冊、こっちに少しと散らばっている。

では、不自由しているかというと、そうでもない。自分の本棚がないのは不便だが不自由ではない。むしろ、自由を得ていると言いたい。行きつけの品川図書館の棚はそらんじているし、ネット予約すれば取り寄せられる。あの棚の本は全てオレのもの、と考えるようにしている。

自分のものだけど、新刊の選別から古い本のケアまで、管理や整理は大変だ。だから、司書というプロフェッショナルにやってもらっている。そう考えると、感謝の念も湧いてくるし、何より「これ全部オレのもの」と思うと気分がいい──この考え方は、松下幸之助の逸話で学んだ。

そして、その時々の関心により、借りてくる本のラインナップが変わってくる。その一時置き場として、「本箱」がある。宅配の段ボールを再利用した、数十冊しか入らない箱だ。動的に変わる自分の興味を反映する、いわばダイナミック・ライブラリである。

一方、返却日がきても返すのが惜しく、延長したり借りなおす本がある。また、次に待っている人がいるけれど、時間をかけたい本がある。さらに、一度読んだが、二度読みたい(そして二度目は書き込みしながら咀嚼したい)本がある。そんな本は買ってしまっている。何度も読み直し、自分のモノにする、スタティック・ライブラリやね。

生きてるうちに読めもしない、たかだか数千冊を抱えるより、管理はプロに任せ、自分は読み専に徹する。ネットを駆使し、必要なライブラリを動的に生成する一方、静的に自分に組み込む本も選別する。そう考える方が、「自分の本棚すらもらえないパパ」よりもポジティブである(虚勢)。

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三者三様の内容で、たくさん本を買ったり読んだりする人が思った以上に手頃に本を管理しているなど意外な発見もありました。「本棚の中身」は本当に人それぞれ。ぜひ自分に合った本棚作りをしてみてください!

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