それどこ

料理下手でもできる! 夏バテ気味の体にも嬉しい「一汁一飯」で大満足なスープレシピ

具だくさんのスープなら「一汁一飯」でOK。スープ作家の有賀薫さんに、夏バテ対策にもぴったり&手軽に作れるレシピを紹介してもらいました。

スープ集合写真

スープ作家の有賀薫です。6年前にスープ作りをはじめ、今も365日、毎朝スープを作っています。これまでに作ったスープは2000種以上になると思います。

スープ作家のきっかけは息子のための「スープ作り」

私はもともと料理人ではありません。スープは、朝に弱い息子をなんとか起こすためにはじめた習慣です。朝起きてからありあわせの食材を組み合わせでササッと作れる、簡単なスープを中心に作り続けていました。

毎日作っているうちに、体にやさしく、作るのも食べるのも楽ちん、旬の野菜をたっぷりとれておいしい、スープという料理の魅力に気付きました。

それからは多くの人にスープの世界を伝えようと、撮りためていたスープの写真展を開いたり、食材や味の研究をする『スープ・ラボ』という実験室を作ったりしました。

『スープ・ラボ』は、2014年から始めたイベント。レシピ研究や食材比べなど、スープに関するテーマを月替わりで実験し、これまでたくさんの方に来ていただきました。すべての回にレポートを出していますので、よかったらご覧ください。

上の写真は、おうちスープの決定版「ミネストローネ」をテーマにした回の様子。ミネストローネって、いろいろあるんです!

こんな風にスープ活動を広げていくうちに仕事を頼まれることも増え、2年前にはレシピ本も出し、いよいよ「スープ作家」という本格的な職業となったのです。

夏の食卓に取り入れたい、3テーマの「スープ」をご紹介

さて、自己紹介はこのぐらいにして……。

毎日の食事、みなさんは何を食べていますか? 仕事が忙しくてなかなか食事のことまで手が回らず、スーパーのお惣菜やお弁当に頼っている人も多いのではないでしょうか。

もともと主婦として料理をしていた私が今提案しているのは、「毎日のごはんにスープを取り入れて、くらしを回復させつつ体と心を休ませよう」ということです。

時間がないときも具だくさんスープなら、十分なメインディッシュになりますし、スープとご飯の「一汁一飯」で立派な食事になります。

スープは寒い季節のもの? そんなことはありません。実は冷房で冷えている体に、野菜たっぷりの温かいスープはとてもやさしく、夏バテ気味なときでも気持ちよく食べられます。きっと疲れた体や心もくつろげるはず。ときには食欲がないときでも食べやすい冷たいスープにすれば、毎日飽きずに続けられます。

今回は、こんな3つのテーマでスープをご紹介します。

●夏の夜、体と心をほっとゆるめる、癒やし系の「10分スープ」
●火を使わずに作れてひんやりおいしい! 夏ごはんの新定番「冷や汁」
●「一汁一飯」で大満足。暑さに負けない「ボリュームスープ」

それでは、一つずつ、作り方をご紹介しましょう!

夏の夜、体と心をほっとゆるめる、癒やし系の10分スープ

残業で遅くなってしまった日。疲れて帰ってもう何もしたくない……。そんなときでも電子レンジや冷凍食品、便利な調理器具を利用して、すぐに食べられるスープです。やさしい味に、体も心もほぐれます。夜遅くの食事にもスープはぴったり。何も食べないで寝てしまうより、ずっとヘルシーです!

(1)千切りズッキーニと卵のスープ

img
材料(2人分)
  • ズッキーニ……小1本
  • 卵……1個
  • 塩……小さじ1
  • オリーブオイル……小さじ2
  • 水……400ml
  • 粉チーズ(お好みで)
作り方(調理時間:約10分)

作り方1作り方2
作り方3作り方4

  • ズッキーニは皮付きのまま、千切り器でおろす
  • 鍋にオリーブオイルとズッキーニを入れ、水大さじ2(記載外)を加えて蓋をし、中火で約3分間蒸し煮にする
  • 水400mlと塩を加え煮立てる
  • 卵を溶きながら少しずつ鍋に流し入れる。このとき、あまりかき混ぜないようにしてふわりと仕上げる
  • 完成! 好みで粉チーズをかけても◎
▼△▼

おなじみ野菜のズッキーニも、千切りにするとまったく違う表情になり、新食感のスープに。でも千切りは面倒……という方におすすめなのが、千切り器。シャッシャッとスライスできて、あっという間に千切り野菜のできあがり。

千切り

今回使ったのはこの貝印の千切り器。太さはいろいろありますが、こちらは中間の細さで、いろいろなものに使いやすい。大根やにんじんの千切りサラダにも活躍します。

(2)たっぷり追いかぼちゃのカップポタージュ

かぼちゃスープ
材料(1人分)
  • かぼちゃのカップスープ……1人分(※メーカーはお好みで)
  • 冷凍かぼちゃ……100g
  • 塩……適宜
  • お湯……適量

作り方(調理時間:約8分)

作り方1作り方2
作り方3作り方4

  • 冷凍かぼちゃはレンジで解凍しておく
  • お湯で溶いた作ったカップスープに解凍したかぼちゃを加え、ラップをかけて500ワットのレンジで約1分~1分半、かぼちゃがあたたまるまでレンジにかける
  • かぼちゃをスプーンの背でつぶす
  • 味見しながら、塩で調節すれば完成!
▼△▼

市販のカップスープに冷凍野菜を追加するだけでヘルシーで食べ応えも出て、手作り感のあるスープになります。カップスープはそれぞれの野菜に合う味付けになっているので、ほうれん草のカップスープに、冷凍ほうれん草を足すなど、カップスープのフレーバーと野菜を合わせれば、失敗せず作れます。

★POINT★

カップスープは、塩分が高いものも多いので、そのままでも結構しっかりした味になっています。味見をして物足りなかったら、塩を足すようにしましょう

火を使わずに作れてひんやり! 夏ごはんの新定番「冷や汁」

暑くて火を使いたくないときに、鍋を使わずに作れる冷たい冷や汁が大活躍。今人気のサバ缶と旬の夏野菜で、だしいらず、鍋いらずの冷や汁を作ります。朝作っておけば、帰ってきたときにおいしい冷や汁が食べられますよ!

(3)サバ缶と夏野菜の冷や汁

冷汁

材料(2人分)
  • きゅうり……1本 
  • プチトマト……3~4個
  • サバ水煮缶……1缶(約200g)
  • 木綿豆腐……小1丁(約150g)
  • 大葉……7~8枚
  • いりごま(白)……大さじ1
  • みそ……大さじ1.5~2 (※味噌の塩分による)
  • 水……約300ml
  • 塩……適量
作り方(調理時間約20 分)※冷やし時間含まず

作り方1作り方2作り方3
作り方4作り方5作り方6
  • きゅうりは5mmほどの薄切りにし、塩を軽く振って10分ほどおいてからキッチンペーパーなどで軽く絞って水気をきる
  • 豆腐はちぎってキッチンペーパーにのせ、水気をきっておく
  • 白ごまをキッチンペーパーなどに包み、ボウルなどの底でつぶしてすりごま状態にする
  • ボウルにみそとすったごまを合わせ、水300mlを加える
  • 水気を切ったサバ、きゅうりをボウルに加え、大葉も洗って水気をふきとり、ちぎって加える
  • 材料を入れたボウルを冷蔵庫に入れ、2~3時間冷やして味をなじませる
  • 冷蔵庫から出し、プチトマトを半分に切って混ぜれば完成。
▼△▼

だしも不要、火も必要ない簡単スープです。ごはんにかけて食べれば、これだけで立派な食事になります! きゅうりに塩をしたり、ごまをすったりのひと手間が、おいしさにつながります。すりごまを買ってきて使ってもOKですが、粒からすったごまの香りは、とても幸せな気持ちになれます。

小さなすり鉢があれば、簡単にすりごまが作れます。冷や汁だけでなく、いつでも手軽に香り高いごま和えが食べられますし、麺類にすりごまをかけても美味。実は一人暮らしの方にも重宝する調理器具なんです。

すり鉢の下にふきんを置いて、すべらないようにしてするのがコツ!

ちなみに私は、普段マルホンのすり鉢(4号・12.5cm)と12cmのすりこぎ棒を使っています。

お役立ち MEMO

冷や汁は、火にかけないで作るので、何日も日持ちするスープではありません。数時間から一晩ほどで、早めに食べ切ってしまいましょう。 また、冷や汁に限らず、夏場は食べ残したスープの保存が気になるもの。火にかけたスープでも、今回紹介しているようなフレッシュな味わいのスープは早めに食べ切る方がおいしく食べられます。

作った翌朝食べたい! というときは粗熱が取れてから冷蔵庫へ入れるようにしましょう。 ミネストローネのように野菜をしっかり煮込んだスープやシチューであれば、冷蔵庫に入れ、食べるときに煮返すことで2~3日は持ちます。鍋の中身が減ってきたら、その量に合った大きさの鍋に移し替えるのもポイント。もちろん、清潔な器を使うことは大前提!

「一汁一飯」で大満足。暑さに負けないボリュームスープ

ちょっとゆとりのあるときなら、より本格的なスープを作っちゃいましょう! と言っても、少ない材料で肉や芋類をしっかり入れたおかずスープなら簡単です。これにご飯やパン、麺などを添えれば、一汁一飯で満足な食事になりますよ。

(4) ゴーヤと卵のピリ辛スープ

ゴーヤのスープ

材料(2人分)
  • 豚バラ肉……100g
  • ゴーヤ……中1本
  • 卵……1個
  • 水……600ml
  • キムチ……50g
  • 塩……小さじ1/2
  • ごま油……小さじ1
作り方(調理時間:約15分)

作り方1作り方2作り方3
作り方4作り方5

  • ゴーヤは縦に割って種とわたをスプーンで取り、端から5〜6mmの薄切りにする
  • 鍋に水600mlを沸かして塩小さじ1/2を加え、豚肉をハサミで切りながら鍋に入れる
  • ゴーヤも加え、中火にしてそのまま5〜6分ほど煮る。アクが出たら、おたまですくう
  • ゴーヤ、豚肉に火が通ったらキムチを加え、味を見て足りなければ塩で整え、溶き卵を少しずつ加える
  • 火を止めてごま油をひとたらしして、完成! お好みで唐辛子粉を足してもOK
▼△▼

夏野菜の定番、ゴーヤ。キムチや豚肉を合わせて、ボリュームのあるスタミナスープにしちゃいましょう。ゴーヤチャンプル―みたいに卵でとじて、食べやすくまとめています。

★POINT★

ゴーヤを縦半分に切ったとき、赤くなっていることがあります。これは熟している証拠。実そのものは食べられますが、種とわたには毒素があるので、食べるのはおすすめできません。しっかり取り除くように!

(5)ニラパクスープ

ニラパク
材料(2人分)
  • サラダチキン……1枚
  • ニラ……1束
  • パクチー……1~2株
  • 水……500ml
  • 塩……小さじ2/3〜1
  • サラダオイル……小さじ1
作り方(調理時間:約10分)

作り方1作り方2作り方3
  • ニラは4cm幅に切る。パクチーは2〜3cm幅に切り、根はよく洗う。サラダチキンは食べやすい大きさに切る
  • 鍋にサラダチキンと塩、サラダオイル、パクチーの根を入れ、水500mlを加え中火にかける
  • 沸騰したらニラとパクチーを加え、ニラがしんなりしたら火を止めて、完成!
▼△▼

ニラとパクチーと鶏肉、意外な組み合わせのスープですが、ぜひやってみてください。あっさりした塩味でニラやパクチーの香りを生かし、食欲のない夏でも爽やかに食べられます。ちょっとエスニックな雰囲気のスープだから、フォーなどを合わせてもおいしい!

★POINT★

ニラとパクチーは煮すぎないこと。食べる直前に作って、シャキッとしたニラの食感を楽しんでください。また、パクチーの根は香りをつけるために最初に入れます。食べるときに取りのぞきましょう。また、サラダチキンの塩味がスープにほんのり移るので、塩の量は味見しながら調節してくださいね

▼△▼

さて、5つの夏スープをご紹介しましたが、いかがでしょうか。

我が家ではスープを毎朝作るようになってから、朝寝坊の息子もちゃんと起きてくるようになりました。それに、肉や野菜たっぷりのスープを作って食べることで、体が軽やかになったような気がします。また、家族に食べさせていると「今日も大丈夫!」という不思議な安心感を持てるためか、意外なことに心も安定するようになりました。

具材が多くても作るのはとても楽だし、時間もあまりかかりません。疲れたときも、スープを食べるとホッと癒されますよ。暑い時期もおいしいスープで、どうぞ元気に過ごしてください!

著者:有賀薫

有賀薫

スープ作家。ライター業のかたわら、家族の朝食に毎日作るスープが約2300種以上になる。スープの実験イベント"スープ・ラボ"はじめ、スープをテーマにしたイベントを多数開催。著書に『365日のめざましスープ』(SBクリエイティブ)『帰り遅いけどこんなスープなら作れそう』(文響社)。
Twitter:@kaorun6

\Twitterでそれどこをフォロー/


公開記事や発掘ネタなど、あれやこれやつぶやいています!

\フォロー/

社会的責任[CSR]