それどこ

タレを極めれば焼肉の満足度はもっと上がる! 調味料マニアも認めた、地元民に愛される「ローカル焼肉のタレ」

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
推し活をしている人が「これ良い!」と思ったものを紹介しています

焼肉のタレ

こんにちは。調味料をこよなく愛していて、ソレドコでもたびたび記事を書いている杉村啓(むむ)です。

杉村啓さんの過去記事はコチラ

皆さま、焼肉はお好きでしょうか。

焼肉の華といったら、何といっても「肉」ですよね。でも、もうひとつ、「焼肉のタレ」も焼肉の主役と言えると調味料マニア的には思っています。焼肉のタレがおいしければ、多少お肉の味わいが物足りなくても、満足度はかなり高くなります

そんな焼肉のタレには、各地域で「これじゃなきゃ」と言われるようなものも少なくありません。いわば、各地域における「ソウル調味料」として使われているものがたくさんあるのです。

今回は、そういった各地方で人気の「テッパン」な焼肉のタレ(一部、筆者が個人的に好きな「推しタレ」も含まれます)を15種類ピックアップしてレビューしてみました。

▶今すぐ「ローカル焼肉のタレ」をチェックしたい人はこちら

適当に選んではダメ。焼肉のタレの基礎知識

最初に焼肉のタレについての基礎知識を。というのも、焼肉のタレは種類が豊富で、味わいも甘いものから辛いものまで多彩なため、それぞれの特徴を把握せずに適当に選ぶと味わい体験に大きな差が出てしまうからです。

「味わいのベース」は主に3種類

焼肉のタレは大きく分けると3種類あります。
  • 醤油ベース
    • 最も多い(今回紹介するものもほとんどが醤油ベース)
    • バリエーション豊か、薬味だけでなく果物や野菜などを加えている
    • 香辛料を入れたり、ごま油を入れたりするものも多い
    • 基本的には牛・豚・鶏のどれにも合う、特に相性が良いのは牛肉
  • 味噌ベース
    • 味噌の風味やコクがしっかりとしている
    • 甘めに仕上げるものもあれば、辛口に仕上げているものもある
    • ホルモンにぴったり
    • こってりとした味が好きな方向け
  • 塩ベース
    • 比較的あっさりとした味わい
    • 薬味が入っていたり、香辛料が入っていたりすることもある
    • ごま油でこってり感を増しているものもあれば、レモンでさっぱりとさせるものも多い
    • 牛タンといったら塩ダレという人も多い、味わいの強い肉に合う

甘さと辛さをチェック

今回紹介するタレには明記されていないものも多いのですが、焼肉のタレには「甘口」「中辛」「辛口」があります。これらは厳密な定義はないようなのですが、以下のような傾向があります。
  • 甘口
    • 果物や砂糖、はちみつ、甘味料を入れて甘くしてある
    • 口当たりが良く、子どもでも食べやすくなっている
  • 中辛
    • 甘口に、さらに唐辛子など加えて甘辛い味わいに仕上げたもの
    • おろしニンニクなどを多めにして、うま味とコクを強調しているものもある
  • 辛口
    • コチュジャンや豆板醤などを加えて、さらに辛く仕上げている
    • ブラックペッパーなどの香辛料がたっぷりのものもある

味わいに影響する「とろみ」

そしてもうひとつ、味わいに影響を与えるのが「とろみ」です。
  • とろみが多い
    • こってりとした味わいになる
    • 肉にもよく絡むため、脂の少ない赤身の肉に向いている(脂が少ない分を、タレで補う)
  • とろみが少ない
    • さっぱりとした味わいになるものが多い
    • サラサラとしているため、肉にタレがほどよく付く。脂のうま味を堪能するのに向いている

以上を踏まえて、それぞれの焼肉のタレについて以下のような分析・評価をしています。あくまで筆者個人の感覚ではありますが、購入の参考にしてみてください。

  • オススメお肉はそれぞれのタレに合う肉(牛🐮・豚🐷・鶏🐔・羊🐏)をオススメ順に表示しています
  • 甘み(辛さ)とろみこってり度香辛料の強さ(コショウが効いているなど)について、独自に5段階評価を設け、味の傾向を分析。★の数が多いほど各項目の傾向が強い
  • 各タレは、牛・豚のバラ肉、鶏はもも肉を近所のスーパーで購入し、味わっています。ブランド銘柄というわけではありません
  • 原材料に関しては、各商品のラベルの表記と順番をそのまま記載しています。ただし、「しょうゆ(国内製造)」のような()を含んだものに関しては、冗長になるため省略しています。また「/」の後ろは添加物を意味しています

地元民から熱烈に愛される「ローカル焼肉のタレ」15種類

<分析・評価した「ローカル焼肉のタレ」>
【北海道】 【東北】 【関東】 【中部・東海】 【関西】 【中国】 【四国】 【九州】

▼これから紹介する焼肉のタレです▼

焼肉のタレまとめ画像焼肉のタレまとめ画像


1. 「焼肉のタレ」の元祖? 「成吉思汗たれ」/ベル食品(北海道)

オススメお肉:羊🐏・牛🐮
甘さ    :★★☆☆☆
とろみ   :★☆☆☆☆
こってり度 :★☆☆☆☆
香辛料の強さ:★★★☆☆
原材料   しょうゆ、てん菜糖蜜、砂糖、食塩、たんぱく加水分解物、醸造酢、玉ねぎペースト、果糖ぶどう糖液糖、発酵調味料、香辛料、にんにくペースト、ハチミツ、しょうがエキス、みりん、オニオンエキス、オニオンパウダー、酵母エキス、しょうがペースト/調味料、酸味料、カラメル色素、香辛料抽出物

いきなりジンギスカンのタレが登場しましたが、実は「焼肉のタレ」の元祖と言えるのが、1956年に発売されたこの「成吉思汗(ジンギスカン)たれ」という説があるのです。

北海道のソウルフードとも言えるタレで、文字通りジンギスカンにぴったりです。

醤油ベースで、にんにくや生姜などの香辛料に加え、醸造酢が結構入っているためか甘酸っぱさを感じます。生姜の風味が効いているので、これがマトンやラム肉などのクセのある風味と良く合うのですね。

羊以外ですと、牛をさっぱりと食べられます。甘酸っぱさを感じながらも、薬味や香辛料の力か、少し辛めかつさっぱりとした後味なため、食べ飽きせず次々とお肉を食べ続けられます。

2. 豚肉にはこれを用意してほしい「十勝豚丼のたれ」/ソラチ(北海道)

オススメお肉:豚🐷
甘さ    :★★★★☆
とろみ   :★★★★★
こってり度 :★★★★☆
香辛料の強さ:★☆☆☆☆
原材料   醤油、砂糖、米発酵調味料、魚介エキス/ソルビトール、造粘多糖類、調味料

最初に紹介したベル食品の成吉思汗のたれと人気を二分するのが、ソラチの「成吉思汗のたれ」です。ここではそのソラチのもうひとつの人気たれである「十勝豚丼のたれ」を紹介します。

北海道の十勝の名物に「豚丼」があるのですが、これを使えば誰でもおいしい豚丼が簡単にできるというもの。もちろん、焼肉に使ってもおいしいです。

味わいとして近いものを想像しやすいのはみたらし団子のたれでしょうか。甘みやとろみがかなり強く、お肉によく絡みます。

ただ甘いだけではなく、ベースになっている醤油の辛さがアクセントになっていて、豚のうま味を引き出してくれるのです。豚肉の焼肉をするときは、まずこれを用意するといいでしょう。

3. これがあれば焼肉は万全! 「スタミナ源たれ」/上北農産加工(青森県)

オススメお肉:牛🐮
甘さ    :★★★☆☆
とろみ   :★★☆☆☆
こってり度 :★★★☆☆
香辛料の強さ:★★★☆☆
原材料   しょうゆ、りんご加工品、砂糖、玉葱、生姜、発酵調味料、にんにく、料理酒、香辛料/調味料、甘味料、ビタミンB1

青森県だけでなく、東北全土で人気のタレといったら「スタミナ源たれ」です。青森県内でのシェアは70%を超えているという、まさに「ソウル焼肉のタレ」ですね。

りんごやにんにく、玉ねぎ、生姜などをすりおろしたものがたっぷりと入っているのが特徴です。これらは全て青森の契約農家から仕入れ、生のまますりおろしているのだとか。おかげで、風味がとても豊かに感じられます。

「スタミナ源たれ」
すりおろしたものがたっぷり

味わいの特徴としては、やさしい甘みと辛さのバランスが絶妙ということでしょうか。砂糖よりもりんごの方が多く入っているためか、甘さが後を引きません。また、ごま油などを使っていないせいか、後味もそれほど重くはないです。

やはり牛肉によく合います。豚や鶏もおいしくいただけたんですが、牛肉とがベストマッチですね。とりあえずこれがあれば、焼肉は万全と言えるかもしれません

唯一の欠点は、容器が炭酸飲料のような瓶ということでしょうか。注ぎ口のキャップがついていないので、量をコントロールするのが若干難しいという……。青森の人は気にせずドバッと使うのかもしれませんね。それだけおいしく、どんどん食べてしまえるタレです。

4. 厚めのステーキにたっぷりつけたい「宮のたれ」/エムワイフーズ(栃木県)

オススメお肉:牛🐮
甘さ    :★★☆☆☆
とろみ   :★★★★☆
こってり度 :★☆☆☆☆
香辛料の強さ:★★★☆☆
原材料   玉葱、本醸造醤油、醸造酢、にんにくペースト/調味料

北関東を中心に展開している「ステーキ宮」のたれです。特筆すべきは、原材料欄です。なんと、玉ねぎが圧倒的に多い! ベースになっている醤油よりも多い!

そのため、タレそのものはそこまでとろみはないんですが、とにかくおろし玉ねぎが多くてお肉によく絡むということで、とろみの数値を高くしています(満点でないのは、タレの液体部分はサラサラしているからです)。

「宮のたれ」
たっぷりのおろし玉ねぎ

たっぷりのおろし玉ねぎとにんにく、そして醤油とお酢というシンプルな構成ながら、塩味と酸味の味わいがとても良いです。酸味がしっかりしているので、さっぱりしているけれども満足感が高くなります。これはやはり、厚めのステーキにたっぷりとつけて食べたいですね。

宮のたれで注意するべきところなのは、「要冷蔵」でしょうか。1℃〜10℃で冷蔵保管してくださいとパッケージにも記載されています。ただ、食べるときはタレは加熱した方が圧倒的においしいです。実際に冷蔵庫で冷やしたものと、電子レンジで温めたものを食べ比べてみたのですが、温かい方がおいしいのです。少し、扱いが難しいタレと言えるかもしれません。

5. ごま尽くしで全体的に上品「叙々苑 焼肉のたれ 特製」/ジェーオージェー(東京都)

オススメお肉:牛🐮
甘さ    :★★★★☆
とろみ   :★★☆☆☆
こってり度 :★★★★☆
香辛料の強さ:★★☆☆☆
原材料   しょうゆ、砂糖、みりん、食用ごま油、にんにく、ごま、黒コショウ、食塩/調味料

高級路線の焼肉といったら「叙々苑」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。名店の味が自宅でも楽しめる焼肉のタレです。

ごまが多めでかなり香り高く、またごま油も多めで、まさに「ごま尽くしなタレ」です。甘さもそこそこ強く、甘じょっぱいタレでありながらも、後味はしつこくなく、全体的に上品にまとめているのはさすがという感じですね。

「叙々苑 焼肉のたれ」
ごまが多め

少し時間を置くだけで、瓶の中のごま油が分離しているのがはっきりと分かるほど油が多いのですが、それほど油っぽさを感じないのは、バランスがいいからなのでしょうか。使うときはかなり念入りに振るようにしましょう。

赤身のお肉に対してというよりも、後味がさっぱりとするため、脂がのった霜降りのお肉の方が相性が良いと感じます。

また、ラベルには、まずもみだれにして、焼き上げた後につけだれとして使うようにと書かれています。実際にやってみたのですが、タレの味わいがさらに強くなって良いです。コストを度外視すれば、この食べ方でいきたいですね。

ちなみに製造所はヤマサ醤油株式会社と記載がありました。叙々苑のタレはヤマサ醤油を使っているのは新たな発見です(醤油マニア以外は気にしない情報)。

6. 風味が良くてリピートしてしまう「生はうまい 無添加 焼肉のタレ」/味研(山梨県)

オススメお肉:牛🐮・豚🐷
甘さ    :★★★★☆
とろみ   :★★☆☆☆
こってり度 :★★★★☆
香辛料の強さ:★★★☆☆
原材料   醤油、砂糖、本みりん、ごま油、米酢、にんにく、すり胡麻、香辛料

個人的に好きな「推しタレ」枠その1です。

「生はうまい」と書かれているように、非加熱製法で作られているのがポイントでしょうか。また、化学調味料・合成保存料・着色料・動物性原料無添加で、水を使わずに作っているのだとか。そのおかげか、風味がとても良くてリピートしています

「生はうまい 無添加 焼肉のタレ」
ごま油多め

タレとしては、結構甘めで、にんにくが効いた味わいです。ごま油も多めで、よく見ると少し浮いているのが分かると思います。ですが、酢がバランスをとっているのか、それほど後味は重くないのも特徴でしょうか。そのため、どんどんお肉が進んでしまいます

牛肉にはもちろん、豚肉にも合います。餃子につけて食べてもおいしいです。

7. 鶏肉と相性良し、意外と万能な「美味だれ」/丸正醸造(長野県)

オススメお肉:鶏🐔・牛🐮・豚🐷
甘さ    :★★★★☆
とろみ   :★★★★☆
こってり度 :★★★☆☆
香辛料の強さ:★★★★☆
原材料   しょうゆ、水あめ、にんにく、砂糖、はちみつ、りんご果汁、本みりん、醸造酢/加工でん粉、調味料

長野県の上田地方で昭和30年代から食べ続けられている「美味(おい)だれ焼き鳥」。一般的な焼鳥のような甘辛いタレではなく、ニンニク醤油ダレをかけて食べるというものです。

もともとは「鳥正」というお店で考案されたものが、あっという間に上田全域に広まったのだとか。そして、2010年に市民有志によって「美味だれ焼き鳥」という名称が考案され、各店の店主にこの名称で良いかの許可をもらって、上田のご当地グルメとして広まるようになりました。

というわけで、その「美味だれ」を家庭でも味わえるのがこちらのタレです。

いわゆる焼き鳥のタレに比べると、すりおろしにんにくの風味が強いのが特徴でしょう。ベースはしっかりと甘塩っぱい醤油でありながら、にんにくがパンチを効かせています。

実際、鶏肉と相性は良いのですが、ちょっと甘じょっぱいにんにくの効いた醤油ということで、牛肉とも豚肉とも合います。意外と万能です。

8. かつお風味の和風タレ「鶏林の焼肉のたれ」/鶏林食品(静岡県)

オススメお肉:牛🐮
甘さ    :★★★★☆
とろみ   :★★☆☆☆
こってり度 :★★☆☆☆
香辛料の強さ:★★☆☆☆
原材料   本醸造醤油、砂糖、かつおぶしエキス、ニンニク、ごま油、黒コショウ、白ごま

昭和31年に銀座で創業し、昭和34年から沼津へ移転した焼肉店「鶏林」のタレです。銀座で生まれ、静岡で育った味わいというわけですね。今回はスタンダードな中辛を選んでいます。

静岡育ちの味わいのためなのか、かつおぶしエキスが原材料として加わっています。いわば、和風の焼肉のタレでしょうか。

やや甘めのタレにかつおの風味が効いています。そこを黒コショウが引き締めている感じですね。味が強過ぎないためか、豚肉よりは牛肉の方が合います。

ただ、黒コショウが結構多いためか、食べているときにたまたま大きい粒の黒コショウを噛んだのか、びっくりするほどピリッとくるときが。粒ごまと思って噛んだのが黒コショウだったのでしょう。その1回だけだったので、香辛料の強さは2としていますが、これが頻繁に起きるようだと5にしていました。

こちらも、もみだれとして使ってくださいとラベルに書かれています。お肉100gあたりタレ約20gが目安とのことです。

9. ホルモンと相性ばっちり「金龍 焼肉のたれ」/キンリューフーズ(大阪府)

オススメお肉:牛🐮・豚🐷・鶏🐔
甘さ    :★★★★☆
とろみ   :★★★★☆
こってり度 :★★★★☆
香辛料の強さ:★★★☆☆
原材料   醤油、味噌、砂糖、ゴマ油、本みりん、にんにく、胡麻、醸造酢、香辛料、合成清酒/調味料、セルロース、酒精、増粘剤

大阪で半世紀以上にわたって愛されてきた「金龍 焼肉のたれ」。醤油は入っていますが、味噌ベースのタレです。

甘口の白味噌がベースになっているため、全体的には甘めです。そこを、みりんや醤油、赤唐辛子で引き締めています。すりつぶしたごまと、いりごまもたっぷりと入っているため、かなり風味豊かなタレですね。長年大阪で愛され続けてきたのも納得の味わいです。

味は強いため、ホルモンにもばっちりの相性を見せます。もちろん牛や豚でもばっちりですね。鶏につけてもおいしくいただけます。

ラベルには「倍量の水と割ってお鍋のスープとしても美味しくお召し上がりいただけます」とありました。

焼肉のタレをベースにしたお鍋が存在します。通称「井上鍋」といいますが、実はこのタレから生まれたのです。水で割っても味がしっかりしているからこその鍋なのですね。

「井上鍋」
「井上鍋」を作ってみた

ただ、井上鍋はとてもおいしいのですが、最後におじやを作って食べていると、これは焼肉のタレをたっぷり飲んでいるのと同じでは……? と脳裏をよぎります。まあ、おいしいから気にしないんですけど!

10. りんごと玉ねぎの粒が肉を引き立てる「もんくたれ」/もんくたれ本舗(大阪府)

オススメお肉:牛🐮・豚🐷
甘さ    :★★★★☆
とろみ   :★★☆☆☆
こってり度 :★★☆☆☆
香辛料の強さ:★★★☆☆
原材料   しょうゆ、砂糖、りんご、清酒、玉ねぎ、醸造酢、はちみつ、みりん、ごま油、土しょうが、にんにく、ごま/酒精、調味料、ビタミンC

大阪は泉州方面で愛されてきた焼肉のタレです。

甘めではあるのですが、りんごが多めなためか、優しい味わいで、キツさがありません。また、少し酸味があるためか油っぽさも気にならず、口当たりが優しい、後味がさっぱりとしたタレです。

では味が薄いのかというともちろんそんなことはなく、りんごや玉ねぎの粒が残っているものが多いためか風味や香りが良いので、牛や豚の味に負けていません。むしろ、お肉をしっかりと引き立ててくれます。

「もんくたれ」
粒が残っている

この粒はわざと残しているのだとか。実際、シャキシャキ感も感じられて、粒をたっぷり載せた方がよりお肉の味が引き立ちます

また、公式ページによると、ネギやにんにくやコチュジャンを加えてもおいしくなるとのこと。

11. 看板に偽りなし「元祖肉どろぼう」/アサムラサキ(広島県)

オススメお肉:牛🐮・豚🐷
甘さ    :★★★☆☆
とろみ   :★★★☆☆
こってり度 :★★★★★
香辛料の強さ:★★★★☆
原材料   しょうゆ、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖、米発酵調味料、還元水飴、醸造酢、みそ、にんにく、たまねぎ、ごま油、食塩、香辛料/調味料、酒精、増粘剤

牡蠣醤油でも有名なアサムラサキの手がける焼肉のタレです。

アサムラサキは本社所在地が広島県、本社オフィスが岡山県にあるのですが、今回は広島県とさせてください。というのも、広島出身の友人によく食べていた焼肉のタレはと聞いたら、真っ先にこの「元祖肉どろぼう」の名があがったからです。

味噌が入っているので、味噌ベースのタレかと思いきや、醤油感もあったりします。ほんの少し醤油よりの味噌ベースといった感じでしょうか。そこに、唐辛子系のピリ辛な余韻があり、またひとくち、もうひとくちと食べたくなります。甘さと辛さのバランスがいいのですね。まさに「肉どろぼう」といった感じです

焼肉のタレとしてもおいしいのですが、ラベルによると「ラーメン・焼きめし・野菜いために少量使うと、かくし味として最適です」とのこと。ラーメンに加える発想はありませんでしたね。

12. 原材料に果汁6種、食べ飽きない「焼肉のたれ 宮殿」/日本食研(愛媛県)

オススメお肉:牛🐮
甘さ    :★★★☆☆
とろみ   :★★★☆☆
こってり度 :★★★★☆
香辛料の強さ:★★★☆☆
原材料   醤油、砂糖、ソテーオニオン、植物油、食塩、ねぎペースト、濃縮りんご果汁、濃縮洋梨果汁、蜂蜜、味噌、にんにく、濃縮パインアップル果汁、コチュジャン調味料、たまねぎエキス、豆板醤、酵母エキス、醸造酢、ローストガーリック、すりごま、濃縮オレンジ果汁、濃縮レモン果汁、濃縮桃果汁、メースパウダー/調味料、増粘剤

「推しタレ」枠その2です。宮殿シリーズ好きなんですよね。

やはり特筆すべきは、原材料にある6種の果汁でしょう。りんごだけでなく、洋梨、パインアップル、オレンジ、レモン、桃までも加わっています。さらに味噌、コチュジャンが加わり、うま味とコクがあるほどよい辛さのタレに仕上がっています。甘さは3にしていますが、実際には3と4の間、3.5ぐらいと思ってください。

最初から最後まで焼肉をおいしく食べられるように開発したとのふれこみだけあって、食べ飽きがしません。バランスが良いのでしょうか。

もちろん牛肉にぴったりです。それも、赤身系よりは少し脂がある方が良く合います。もちろん豚肉や鶏肉でもおいしいのですが、やっぱり牛肉がオススメです。

ちなみに名前の由来は、愛媛県今治市にある日本食研の工場が、ウィーンに実在する宮殿を模しているからだったりします。本当に宮殿のような見た目ですごいんですよ。

13. 甘さは満点、醤油と味噌が効いている「ばかたれ」/やまさき料理店(高知県)

オススメお肉:牛🐮・豚🐷
甘さ    :★★★★★
とろみ   :★★★☆☆
こってり度 :★★★★☆
香辛料の強さ:★★☆☆☆
原材料   醤油、砂糖、味噌、にんにく、みりん風調味料、ごま油、洗いごま/調味料、甘味料、カラメル色素、酸化防止剤、酸味料

四万十川のふもとで田舎のおばちゃんが昭和から造り始めたタレが評判になり、「一人でも多くの人に使っていただきたい」と商品化された焼肉のタレです。

名前の由来は「ばかに(とても)うまい」タレということ。

地元のマルバン醤油という甘口醤油をベースにしていて、かなり甘口です。そこに味噌とにんにくが効いていて、風味が増しているタレです。味わいがしっかりしているためか、もみだれにしても良いです。

醤油と味噌が効いているためか、さまざまな料理に使える万能タレというのも納得。ラベルには鍋や炒飯だけでなく、鮪のユッケなどにも使えると書かれていました。たしかにこの甘めの甘辛い味わいはユッケにぴったりになりそうです。

14. 甘み旨み辛みのバランスが良い「焼き肉のたれ」/茅乃舎(福岡県)

「焼き肉のたれ」 「焼き肉のたれ」
オススメお肉:牛🐮・鶏🐔
甘さ    :★★★★☆
とろみ   :★★★☆☆
こってり度 :★★★☆☆
香辛料の強さ:★★★☆☆
原材料   しょうゆ、砂糖、みりん、果糖、にんにく、発酵調味料、コチュジャン、酵母エキス、食塩、米酢、柿ピューレ、ごま油、でん粉、ごま、昆布、香辛料

だしで有名な茅乃舎の焼肉のタレです。

「こってり味」とあるのですが、そこまで強いこってり感はありません。甘味が強めではあるのですが、後味が結構すっきりとしているのと、油をそんなに感じないのです。どちらかというと、3と4の間、3.5ぐらいでしょうか。非常に甘みと旨みと辛みのバランスが良い焼肉のタレです。

ちょっと面白いのは「柿ピューレ」でしょうか。他の焼肉のタレではあまり見かけたことがありません。ですが、「これが柿ピューレの味か!」というのは、ちょっと分かりませんでした。ただ、柿ピューレがいい仕事をしているのか、甘辛さとフルーティーさのバランスが良いと感じます。

バランスがとれている分、食べ飽きのしない焼肉のタレです。牛肉はもちろんなのですが、豚肉よりはどちらかというと鶏肉と合います。

久原本家オンラインショップの買い物で楽天ポイントが貯まる!

15. 甘さのあとに辛さがやってくる「戸村本店の焼肉のたれ」/戸村フーズ(宮崎県)

オススメお肉:牛🐮・豚🐷・鶏🐔
甘さ    :★★★★☆
とろみ   :★★★☆☆
こってり度 :★★★★☆
香辛料の強さ:★★★★☆
原材料   しょうゆ、砂糖、にんにく、麦みそ、バナナ、りんご、しょうが、米発酵調味料、醸造酢、でん粉、ごま、食用植物油脂、こんぶ、唐辛子/調味料、甘味料、カラメル色素、保存料、酸味料、香料

宮崎県では焼肉のタレといったらこれ! というのが「戸村本店の焼肉のたれ」です。

基本的には甘めの醤油と麦味噌ベースのたれです。そこににんにくや唐辛子が効いているので、最初は甘いと感じつつも、後でちょっと辛さがやってくるという味わいです。人によっては最初の口当たりで「甘口」と言い、後の唐辛子のピリッとした刺激で「辛口」と言う人もいるかもしれません。そのため、甘さも香辛料の強さも4にしました。

甘みはりんごだけでなく、バナナを使っているのもポイントでしょう。

さらに、米発酵調味料を使っています。これは、広島の某酒蔵で聞いたのですが、そこの酒粕のことなのだとか。酒粕でうま味とコクを加えているのですね。ただし、この話を聞いたのは10年近く前のことなので、現在も同じレシピかどうかは分かりません。

フルーツや酒粕の甘さを、にんにくと唐辛子が引き締めているという味わいです。この組み合わせが何にでも合うというか、牛肉だけでなく豚肉や鶏肉とも合います。

🐮🐷🐔🐏
「ローカル焼肉のタレ」全15種類まとめ
まとめ画像1
まとめ画像2

以上、15種類の「ローカル焼肉のタレ」を紹介しました。

「これがない」「この地方ではやっぱりこれだろう」というのがもし他にもありましたら、ぜひコメントなどで教えてください。

👉 「#ローカル焼肉のタレ」自分もツイートする

焼肉のタレは「チート調味料」。余っても使い道無限なので、安心して買ってヨシ!

最後に焼肉のタレを余らせてしまうのが心配な方に。焼肉のタレは賞味期限が短いものも多く、また開封すると要冷蔵になるため、冷蔵庫で余らせがちになるかもしれません。その場合は他の料理に使うのが一番です。

焼肉のタレは、一部ではめんつゆと並んで「チート調味料」といわれているほど、味わいが完成している調味料なのです。

料理に使うと、それだけで簡単に味がバシッと決まるのですね。これは、醤油だけではなく、にんにくや生姜といった薬味や、さまざまな野菜や果物、さらにはごま油や香辛料に、はちみつや甘味料なども入っているからです。それらを全て料理に加えるのは難しいし面倒なのですが、焼肉のタレを入れるだけでそれらがちょうどよいバランスで加わるというわけですね。

実際、焼肉のタレを使ったアレンジレシピは無数にあり、各タレメーカーでも公開していたりします。うまく使えば使うほど、焼肉だけではなく時短料理にも使える万能調味料なのです。

野菜炒め
野菜炒めでも、焼肉のタレを使うと簡単に味がバシッと決まります(これは「もんくたれ」を使用)

それでも余ってしまう場合は、「もみだれ」に活用すると消費量が多くなり、使い切ることができるかもしれません。

もみだれにして、思ったよりも味が強くなってしまった場合や、市販のタレつきの肉の味が思っていたよりも濃かった場合は「洗いダレ」を活用するといいでしょう。

京都の焼肉文化にある「洗いダレ」は、焼いた後にくぐらせて余分なタレや脂を落として食べるというものです。

もともと、京都は全国的にも肉食が早くから始まったのですが、それほど質の良い肉が手に入らなかった頃にはたっぷりのタレ(もみだれ)をつけて味をごまかしていたことがありました。そこで、洗いダレで余分なタレを落として食べる文化が生まれたのです。

「洗いダレ」で市販されているものはあまりないので、自分で作ってしまいましょう。「白だし」に「お酢」を少し加えるだけでできあがります。ネギを少し浮かべるとなお良いかも。

🐮🐷🐔🐏

いつものタレもいいですが、もしかしたら他にも自分にぴったりのタレがあるかもしれません。ぜひ、好みのタレを見つけてみてください!

\最後にCMです/
楽天市場「まち楽」では、焼肉のタレのような「日本全国のいいもの・おいしいもの」で地域を応援しています!
【楽天市場】まち楽 | 日本全国のいいもの、美味しいもの
【楽天市場】まち楽を詳しく見る
「ふるさと納税 焼肉のタレ」を詳しく見る

調味料の「沼」へようこそ

著者:杉村啓

醤油やお酒といった発酵や調味料をこよなく愛するライター。愛称(?)は「むむ先生」。おいしいお酒やおもしろいお酒の情報を聞きつけると現れたりします。最近では京都の街をふらふらと「いけず石」を求めてさまよっていたりもします。良い「いけず石」を見かけたらぜひご一報を。近著に『白熱日本酒教室』(星海社/漫画版全3巻/新書)、『グルメ漫画50年史』(星海社)、『醬油手帖』(河出書房新社)など。
Twitter:@mu_mu_
ブログ:醤油手帖

ソレドコでTwitterやってます!

公開記事や発掘ネタなど、あれやこれやつぶやいています!


今回紹介した商品

「ベル食品 成吉思汗たれ」を詳しく見る
「十勝豚丼のたれ」を詳しく見る
「スタミナ源たれ」を詳しく見る
「宮のたれ」を詳しく見る
「叙々苑 焼肉のたれ」を詳しく見る
「生はうまい 無添加 焼肉のタレ」を詳しく見る
「美味だれ」を詳しく見る
「鶏林 焼肉のたれ」を詳しく見る
「金龍 焼肉のたれ」を詳しく見る
「もんくたれ」を詳しく見る
「元祖肉どろぼう」を詳しく見る
「焼肉のたれ 宮殿」を詳しく見る
「ばかたれ」を詳しく見る
「久原本家オンラインショップの買い物」を詳しく見る
「戸村本店の焼肉のたれ」を詳しく見る