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エキナカ自販機「acure」の飲み物はどうしてそんなに魅力的なの? acureを愛してやまないマニアが中の人に疑問をぶつけてきた

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こんにちは。日本酒やしょうゆが大好きな杉村啓です。お酒や調味料以外に、変わった飲み物や珍しいドリンク、新商品も欠かさずチェックしては飲んでみるのもライフワークとしています。

特に最近お気に入りなのが、JR東日本のエキナカ自販機などで販売されている「acure(アキュア)」ブランドのドリンク、「acure made(アキュア メイド)」!

acureの青森りんごシリーズともも
エキナカ自販機で見かけたこと、ありませんか?

東日本の方は特に珍しいとは思わないかもしれません。しかし、それ以外の地域に住んでいる身(筆者は関西在住)からすると羨望の商品なんです!

「ふじ」「ジョナゴールド」などりんごの品種ごとにジュースを展開していたり、しかもストレート果汁100%だったり、旬のフルーツを使ったジュースがあったり、ミネラルウォーターさえもペットボトルにキャップが落ちないギミックがあったり……全てにおいて、並々ならぬこだわり、そしてオリジナリティが感じられるのです。

何より、おいしい!!!

上京した際には新幹線乗車駅を行きと帰りで分けて東京駅と品川駅、乗り換えに使うことが多い上野駅の自販機を必ずチェックし、見たことがないものは即購入。時には大量買いして関西に持ち帰ることもあります(この天然水ゼリーについては後ほど……)

コロナ禍で上京が難しくなり、特に2020年は一度も上京できず……身悶えしていたところ、ソレドコ編集部から「そんなに好きなら、ソレドコでacureさんにインタビューしちゃいましょうよ!」と提案が! もちろん二つ返事で引き受けました。

今回は、

  • acure madeのドリンクがどうすごいのか
  • このユニークな商品たちはどうやって生まれているのか

を、オリジナル商品ブランド「acure made」を担当しているJR東日本クロスステーション(旧・JR東日本ウォータービジネス)の上原さん・小室(おもろ)さんに伺ってきました。

データからニーズを汲み取り、独創性あふれる商品に落とし込む姿勢がどの商品でも徹底されており、このラインナップたちはこうして生まれているのか……と非常に納得しました。

これを機に、東日本の方にもそれ以外のエリアにお住まいの方にも、ぜひacureのドリンクを手にとってみてほしいです。どれも100~180円とは思えないクオリティに驚くはず!

【編集部より】

東日本の方もそれ以外にお住まいの方も、ご安心ください。楽天市場にもacure公式ショップ、あります! JR東日本の駅まで行けなくても、おうちにいながらacureの味を楽しめますよ。

acure公式通販
acureドリンクショップ(公式通販)

※取材はリモートで行いました

acureの2大ドリンク、ミネラルウォーターと青森りんごシリーズ

まず、ドリンクマニア的にacureのここが素晴らしい! と思っている点はこの3つ。

その1:素材へのこだわり

まず私がびっくりしたのはりんごシリーズ。一般的なりんごジュースは品種をブレンドしていたり、公表していないことがほとんどですが、acureでは品種ごとにジュースを作っています。しかもストレート果汁100%でペットボトル! それが170円!!(のちほど詳しく説明します)

その2:ビッグデータを活用した商品開発

販売の中心がエキナカ自販機ゆえ、Suicaなど交通系マネーでドリンクを買う人も多く、購入者データがとりやすいのです。acureメンバーズという会員サービスもあり、より詳細なデータをとることも。そのビッグデータをマーケティングや商品開発に生かしているそう。

その3:オリジナリティの高さ

「天然水ゼリー」「デラウェア」「麻婆スープ」などなど、他では聞いたことのないラインアップ。東日本こそがローカルドリンクの宝庫なのでは……!? と思うほどです。

杉村……と、こんな感じでacureが大好きでして、本日は取材させていただけて本当にうれしいです、よろしくお願いします!

上原さん商品開発を担当している上原です。こちらこそよろしくお願いします!

小室さん広報を担当している小室です。よろしくお願いします!

お話を聞いた人

上原さん:入社6年目で、商品開発に携わって4年目。現在は果汁飲料を中心に開発。商品開発を担当する前は、アキュアの広告宣伝を担当。



小室さん:中途入社後、自販機の設置提案業務や広告宣伝などの部署を経験。2018年よりアキュアの商品やサービスを伝える広報業務を担当。

杉村acureといえば、りんごジュースやミネラルウォーターの「From AQUA(フロムアクア)」を思い浮かべる人が多いかと思います。実際、今までで一番ヒットしたドリンクは何になるのでしょうか?

小室さんまずヒットをどう捉えるか、という問題があります。例えばacureではその土地の素材を生かした地産飲料を作っていますが、どうしても原材料をそれほど用意できなくて、作る数を絞っていることもあります。そうすると単純比較ができないんですよね……。

上原さんただ、やはり谷川連峰の天然水を使ったFrom AQUAシリーズが圧倒的に売れています。お水はどのシーンにも合いますし、販売箇所も多いですし、季節問わず売れるからです。

acure誕生のきっかけともなったミネラルウォーター「From AQUA」

「From AQUA」を詳しく見る

上原さん次は青森りんごシリーズでしょうか。

春夏限定の品種、秋冬限定の品種と、数量限定のものを代わりばんこに販売しているのですが、「青森りんごシリーズ」と考えれば通年で何かしらの品種が売られています。販売している自動販売機の台数も多いですね。青森りんごシリーズの中では「ふじ」が一番売れています。

青森りんごシリーズの中でも一番売れている「ふじ」

「青森りんごシリーズ」を詳しく見る
「ふじ」を詳しく見る

杉村なるほど、単純に比較はできないながらも、やはりこの2つが人気なんですね。まずはこの2つについてお伺いさせてください。

谷川連峰の天然水を生かすのが使命

杉村圧倒的に売れているのはミネラルウォーターとのことですが、acure madeというブランドが誕生したのも、まさにこのお水がきっかけなんですよね。

上原さんおっしゃるとおりです。上越新幹線の大清水(だいしみず)トンネルの工事中に谷川連峰より湧き出たお水がおいしいと評判になり、「大清水」として販売したのが当社*1の原点となっています。

この谷川連峰の天然水を生かしていくことが私たちの使命だと思っています。なので、派生商品として無糖フレーバーウォーターや「天然水ゼリー」なども作っていますし、緑茶「朝の茶事」もFrom AQUAと同じお水を純水化して作っています。

小室さん他にはない商品を作るというのも重視していまして、「持ち歩きたくなる水」をテーマに、キャップが落ちないようにした容器も特徴ですね。

持ち運びに便利なキャップが最高です。このギミックがあるので蓋を落とすことなく、気軽に持ち運び、飲むことができます
持ち運びに便利なキャップが最高です。このギミックがあるので蓋を落とすことなく、気軽に持ち運び、飲むことができます

上原さん「住んでいる場所」「買った場所」「時間帯」の3つのデータを見てみると、自販機でお水を買うタイミングが乗車前ということが分かりました。

では移動に適した水が良いだろうと市場調査を行ってみると、「キャップを落とした経験がありますか?」という質問に対して、「よくある」「まれにある」が70%を超えたのですね。

ホームでキャップを落としたら、衛生的に気になって使いにくいですよね。では落ちなければいいだろうと、このキャップを採用しました。

杉村このキャップは本当に素晴らしいですよね。

ところで、「形を変えてでも水を売る」というお話で「天然水ゼリー」の名前が出ました。これ、初めて見たときは本当に驚きまして……関東の人はこんなおもしろいものを関西に隠していたのかと……!!

この商品も非常にユニークですが、どのように生まれたのでしょう?

天然水ゼリー
正式な読み方は「水(みず)ゼリー」ではなく「天然水(てんねんすい)ゼリー」。ラムネ風味の爽やかさと、不思議な食感で、どんどん飲みたくなります

「From AQUA 天然水ゼリー」を詳しく見る

上原さん特に真夏、駅のホームで電車を待っている間は蒸し暑いですよね。ひんやりしたいし、夕方頃はお腹も満たしたい。だからゼリー飲料に需要があるのではないかとずっと考えていました。

実際にいくつか商品を出したのですが、甘いゼリーだと清涼感を感じにくいし、かえって喉がかわいてしまうものがあるため、リピーターもあまりつかず、長年の課題だったのです。

そこで、原点に戻って、お水を主役にしたら清涼感があっていいんじゃないかと思いつきました。

お水自体は40〜50代の方中心に買われています。若年層をターゲットに水を楽しんでもらおうというコンセプトで開発しました。透明なのに味がするというところに、面白さを見出してもらえるんじゃないかと。

杉村若年層ではないのですが、まさに面白がって友人にも布教していました……! SNSで話題になったのを見ていましたが、実際反響はどうでしたか?

小室さん2020年3月に販売を開始した商品なのですが、ちょうどそのあたりから、コロナ禍で今までにないくらい駅に人がいない状態だったんです。当然自販機の売上も激減していて、売上は厳しいんじゃないかと予想していました。

でも実際は当初予測を上回る約174%の出荷と、ヒット商品になり、緊急増産したほどです。2021年は、当初計画の約2.7倍の製造数となっていますね。

縦に振る人が多いと思いますが、パッケージのように横に振るのがオススメ
縦に振る人が多いと思いますが、「実は、横に振る方がいいんです。砕ける面積が多くなるので。パッケージの絵もよく見ると横に振っていますよね。横に30回、早く振ると飲みやすくなります」(小室さん)とのこと

天然水ゼリーを器に出してみました
上原さんは「家だとコップに移して飲んでいます。クール系の香料があるので、スースーした後味のひんやり感をなるべく味わおうと、口の中にたくさん入れます。やわらかくない状態で、しばらく口の中で転がしたりするのもいいですね」とのこと

上原さんこうしたゼリー系商品は、飲みきって小腹を満たしたいというニーズに寄り添う商品です。どうしてもご飯を食べずに移動しなきゃならなかったり、家に帰るまでにお腹が空いてしまったり、というエキナカ特有のニーズですね。

なので、ゼリー系以外にもスープ系商品にも力を入れているんですよ。

杉村かつて販売されていた「麻婆スープ」や、新商品の「一風堂とんこつラーメンスープ」も小腹を満たすのにちょうど良さそうですよね。

2021年10月に販売開始されたばかりの「一風堂ラーメンスープ」
2021年10月に販売開始されたばかりの「一風堂とんこつラーメンスープ」

上原さんちなみに、スープ系は帰り際の18時台に売上のピークを迎え、20〜23時台にもう一波きます。おそらく、これは〆の一杯的なニーズだと考えています。

杉村「一風堂とんこつラーメンスープ」、完璧じゃないですか……。

「コクと旨味の一風堂とんこつラーメンスープ」を詳しく見る

飲み比べしたくなる「青森りんごシリーズ」

青森りんごシリーズ

「青森りんごシリーズ」を詳しく見る

杉村もう一つの人気商品、青森りんごシリーズもすごいですよね。本当に画期的だと思っています。

ストレート果汁100%のジュースは、大きめの瓶や缶ジュースとして販売されるものが多いですが、手軽に持ち運べるペットボトルで、かつ170円という求めやすい価格、しかも広範囲で売っているというのは衝撃でした。しかも「密閉搾り」という特殊な製法で、酸化防止剤が入っていないことも驚きました。

【用語集】

  • 青森りんごシリーズ……JAアオレンとの共同開発で2011年に誕生。もともとは、ひょう害で出荷できなくなってしまったりんごをジュースとして自販機で販売したのがきっかけ(このときは別のメーカーとの取り組み)。
    その実績が良かったため、密閉搾りの同シリーズの開発が始まった。
  • ストレート果汁……搾ったままの果汁を加熱殺菌などはするものの、そのままジュースにしたもの
  • 密閉搾り……ジュースを搾る際に、装置内を窒素で満たして無酸素状態にすることで、酸化防止剤(ビタミンC)を使わなくても酸化(褐変)しないようにするJAアオレンの独自製法

小室さん自販機だと、サイズや丈夫さなど、容器の制限が大きいんですよ。そういった意味でペットボトルが適切だと考えています。

上原さんエキナカで購入するということは、持ち運ぶシーンが多くなります。また、売上データ的には、ずっと持ち運ぶというよりはおやつとして小腹を満たすために飲む方が多いと分かったんです。

そのため、大きいサイズよりは小さいサイズの方が適切ということが分かりました。瓶だと重いですし、缶だと移動中にキャップを閉められないのがストレスですよね。

杉村やはり全て意味があって、この形になっているんですね。

ペットボトルだとガスバリア性能が瓶や缶に比べて弱いと思うのですが、大丈夫なんでしょうか?

【用語集】

  • ガスバリア性能……ガス透過度ともいわれ、ガス(気体)の透過しにくさのこと。ガスバリア性能が高いと酸素を透過しにくく、酸化を防ぐことができる

上原さんペットボトルは光や熱を通しやすいため、どうしてもストレート果汁100%だと色が変わったり、風味が変わったりしてしまいます。そこで、ペットボトルの素材を若干分厚くして、光や熱を通しにくくしています。あとはおいしく楽しんでいただけるよう、賞味期限を短くすることもあります。

杉村なるほど……ずっと気になっていた疑問に答えていただいて、マニア的に大満足です……!

りんごシリーズはパッケージに品種の味わいチャートが記載されている点もすばらしいと思います。今まで知らなかった品種について知ることもできたし、他のジュースも飲みたい! 飲み比べしてみたい! と思いました。

「ふじ」に記載のチャート
「ふじ」に記載されているチャート

上原さんこのチャートはパッケージリニューアルをした際に入れました。品種の違いに気づいてもらいたいという思いですね。

というのも、「トキ」という品種のりんごジュースを販売しているときに「ナシおいしい」という感想を見かけることがありまして……。黄色いりんごなので確かにナシに似ていますが、りんごの品種であることに気づいていただきたくて、チャートを盛り込むことにしました。

青森りんごシリーズ「トキ」
青森りんごシリーズの「トキ」

新青森駅にりんご専用自販機を設置していたのですが、ここにもチャート表を拡大したものを置いてもらいました。これを投稿してくださった方のツイートが広がったのも、チャートをパッケージに盛り込む後押しになりました。

杉村りんご専用自販機! もう少し落ち着いたら、これもぜひ見に行きたいんですよね……!

小室さんシリーズが10年を迎えたのをきっかけに設置したんです。今は東京駅と青森駅、新青森駅、弘前駅にあります(2021年10月現在)

2020年に、この専用自販機で限定販売した「世界一」という品種のジュースはとても反響がありましたね……品種そのものが希少なので、すぐには同じものを生産できないのですが。

上原さん「世界一」を買うために朝早くから東京駅に訪れてくれる方もいました。自販機ながら行列もあったようです。

青森りんごシリーズは多くのお客様にご支持いただいていますし、話題性もある商品なので、りんご自販機という形にとらわれず今後も何かと仕掛けていきたいですね。

杉村それは楽しみです! ちなみに、お二人のイチオシ品種は何でしょうか? 私は毎年「王林」をヘビーリピートしています。

甘い味わいが好きな人に絶対おすすめな「王林」
コクのある甘味と、豊かな香りが特徴のジュース。甘いタイプが好きな人は、間違いなく『王林』がおすすめです。温めて飲むのも好きです

「王林」を詳しく見る

上原さん「王林」おいしいですよね。私は「青森りんご」という3品種のブレンドがお気に入りです。王林、ふじ、ジョナゴールドをブレンドしてあり、甘さと酸味のバランスが良いのが特徴ですね。

通販や、青森県内のアキュアの自販機で買うことができます。一部のエキナカコンビニでも購入可能です。

「青森りんご」を詳しく見る

小室さん私は「トキ」が一番好きです。最初はトキという品種自体知らなかったのですが、酸っぱくなく、甘すぎるわけでもなく、酸味が苦手な私にはぴったりです。

販売期間がそれほど長くないのですが、「トキ」が出ればその都度買って飲んでいますね。

「トキ」(果物)を詳しく見る

杉村どちらもぜひ買ってみたいと思います!

「ふじ」は甘みと酸味がしっかり強く、満足度が高い
甘味と酸味がしっかりと強く、一口飲んだときの満足感が高いジュースです。濃厚で、いかにも“りんご”の果実を味わいたいときにぴったりです

「ふじ」を詳しく見る

「ジョナゴールド」はやや酸味が強めで、後味がさっぱり。冷やしてごくごく飲むのにぴったり!
やや酸味が強めで、後味がさっぱりとしているところが気に入っています。暑い日に冷やしたものをゴクゴク飲むのにぴったり!

「ジョナゴールド」を詳しく見る

デラウェア、ラ・フランス……他の果物系ジュースもすごくないですか?

杉村りんごシリーズ以外も、acureのドリンクは果物を使ったジュースに特に注力されている印象です。桃やデラウェア、ラ・フランスなど……りんごと桃はストレート果汁100%ですが、そこもやはりこだわりがあるんですか?

acureの青森りんごシリーズともも
ストレート果汁100%の青森りんごシリーズと「もも」

上原さん実は、必ずしも100%ストレート果汁にこだわっているわけではないんです。100%がおいしいものもあれば、果物によっては100%だとジュースとして濃すぎるものもあるんですね。

例えば今挙げていただいた「やさしい甘み ラ・フランス」は果汁30%です。その果物をジュースにするにあたって、一番おいしいと思える状態で商品化したいと思っています。最終的には、味はもちろん、製造方法やコストなんかも含めて決定するのですが。

【用語集】

  • 濃縮果汁還元……果実や野菜からジュースを搾った後、水分を取り除いて保管した濃縮原料に、再度水分を加えて元の濃度に戻したもの。保存性に優れるため、旬の時期に収穫したものを年間を通じて提供できたり、品質のばらつきを緩和できるメリットなどがある。一方で、水分を取り除く際に、香り成分が減少してしまうデメリットがある

acureのラ・フランス。ラ・フランスの香りや風味をしっかりと感じられるものの、後味はさっぱりとしています。ゴクゴクと飲みやすい味わいです
ラ・フランスの香りや風味をしっかりと感じられるものの、後味はさっぱりとしています。ゴクゴクと飲みやすい味わいです

「やさしい甘み ラ・フランス」を詳しく見る

杉村なるほど、何でもかんでもストレート果汁100%がおいしいというわけでもないんですね。

それにしても、デラウェアやラ・フランスのジュースはやはりユニークですよね。新しいジュースの企画はどのようにして思いつかれるのでしょうか? 果物や品種を選ぶ基準などはあるんでしょうか?

そのまま「デラウェア」の果実を食べているような気分になります。それでいて、味わいが濃すぎないので、ゴクゴクと飲めます。心なしか、あの食べ終わった後に舌に残るような感じまであるような気がしてきます。錯覚ではあるのですが、そのくらい再現度がすごい!
そのまま「デラウェア」の果実を食べているような気分になれるジュース。それでいて、味わいが濃すぎないので、ゴクゴクと飲めます。心なしか、あの食べ終わった後に舌に残るような感じまであるような気がしてきます。錯覚ではあるのですが、そのくらい再現度がすごい!

「デラウェア」を詳しく見る

上原さん販売時間帯や性別・年代などのデータを参考にして、どんなニーズがあるのかを探っていますね。それをもとに、こういったカテゴリの果物はありますか? とメーカーさんに相談しています。

ただ、他では出会えない、発見や楽しさのある商品という軸は大切にしているので、そこがユニークさにつながっているのかもしれません。

大手メーカーさんだとたくさんの量が必要になりますが、acureはそうではないというのも強みです。ジュースの生産量がそこまで多くないので、地域の物を100%使えたりするんです。

杉村データを参考にして、「他にないものを作る」という姿勢はどの商品でも一貫しているのですね。

地域といえば、青森りんごシリーズもそうですが、acure madeには「地産飲料」をうたっている製品が多くありますよね。例えば「東北六県茶」もその一つでした。

acureの「東北六県茶」。東北六県の銘柄米をブレンドした玄米茶
香ばしい風味豊かな玄米茶で、後味はすっきりと飲みやすいです。冷たくしてもおいしいですし、温かくしても香りがより強くなっておいしくなります

「東北六県茶」を詳しく見る

小室さんJR東日本グループとして、東日本エリアはもちろん、地域の良いものやおいしさを多くの人に伝えていくというのが役割のひとつだと思っています。

上原さん我々のドリンクで地域の魅力を知るきっかけになればと思っています。飲み物は身近で、当たり前のように買ったり飲んだりしていると思いますが、その中にちょっとした発見があったらいいなと。

青森はりんごが有名というのは多くの方が知っていますが、品種ごとのジュースを作ることで「こんなに種類があるんだ」と興味を持ってもらえて、それが地域への興味にもつながると思っています。

銘柄米をバランスよくブレンドしている
「東北にはこんなにもブランド米があるんだ!」と興味を持ってもらいたいという思いで誕生したそう。確かにそうそうたるお米が並んでいます

小室さんちなみに、東日本のものだけでなく、全国の特産品を取り上げています。例えば過去には愛媛のみかんや、沖縄のシークヮーサーを使ったドリンクも販売したことがありますよ。

acure madeのバックナンバー一覧

「青天の霹靂」を詳しく見る
「あきたこまち」を詳しく見る
「つや姫」を詳しく見る
「ササニシキ」を詳しく見る
「ひとめぼれ」を詳しく見る
「天のつぶ」を詳しく見る
「愛媛 みかん」を詳しく見る
「シークヮーサー」を詳しく見る

自販機以外でもacureのドリンクを買えるように

杉村関西に住んでいると、acureの商品になかなか出会えないのが残念です……東日本以外に住んでいる人はどうしたらいいんでしょうか?

小室さんエキナカ自販機だとJR東日本の駅がほとんどを占めていますね。ただ、商品は東日本エリアの外にも積極的に展開していこうとしています。

上原さんいちメーカーとして営業に行っていて、少しずつ販路を拡大しているんです。東日本エリアの中でも他の鉄道やスーパーなどにも営業をかけて、置いてもらっています。JR西日本の一部自販機に採用されたりもしていますよ。

もちろん通販もありますし、今はいろいろなところで買えるようにしています。

「acureドリンクショップ」(公式通販)

杉村確かに通販は本当にありがたいです。通販といえば、楽天市場の公式通販ページを見たら「福島あかつきもも」が1位になっていました(2021年10月現在は売り切れ。来シーズンを待ちましょう!)

acureのもも。通販人気ナンバーワン
桃のジュースというよりも、丸ごとの「桃」をかじっているような気分にさせてくれるような味わい。桃の風味と味わいが強いのですが、トロッとしたところはなく、さっぱりと飲めます

小室さん毎回、「福島あかつきもも」は販売開始されると通販人気1位になりますね。楽天市場でも、水やソフトドリンクのカテゴリで2020年、2021年はデイリーランキング1位をとらせていただきました。

2018年にTwitterきっかけで人気が出た商品なのですが、その際、東日本以外のお客様からも通販に注文が殺到しまして。そこからのリピーターも多いです。

ペットボトルの飲みきりサイズでこのクオリティは他にない、というのもあると思いますね。

杉村大きな瓶だと開栓するのにちょっとした覚悟が必要ですもんね。桃をかじっているような贅沢感とペットボトルの気軽さが両立しているのはすごいです。

まとめ

今回はご多忙のところ、たっぷりとお話を聞いてしまいました。

味に対するこだわりはもちろんのこと、データをしっかりと活用した商品がどれも本当に魅力的なのが印象的でした。

真夏の蒸し暑いときに小腹を満たす、夕方に飲めるものというところから「天然水ゼリー」(公式には「てんねんすいぜりー」ということにも驚きました)が生まれたり、キャップの落ちないミネラルウォーターが生まれたり。きちんとニーズに沿ったものを、こちらが思ってもみない独創性あふれる商品に落とし込んでいるのがさすがです。今後も目が離せません……。

いくつか今回の原稿のために改めて飲み直したのですが、どれもこれもやっぱりおいしい! ペットボトルで200円もせずこのクオリティは他にはありません。

東日本の方は改めてacureを楽しんでいただき、それ以外の地域の方は通販をうまく活用してぜひ飲んでみてほしいです!

楽天市場のacure公式通販
acureドリンクショップ(公式通販)

ご当地色あふれるドリンクたち

著者:杉村啓

杉村啓 醤油やお酒といった発酵や調味料をこよなく愛するライター。愛称(?)は「むむ先生」。おいしいお酒やおもしろいお酒の情報を聞きつけると現れたりします。最近では京都の街をふらふらと「いけず石」を求めてさまよっていたりもします。良い「いけず石」を見かけたらぜひご一報を。近著に『白熱日本酒教室』(星海社/漫画版全3巻/新書)、『グルメ漫画50年史』(星海社)、『醬油手帖』(河出書房新社)など。
Twitter :https://twitter.com/mu_mu_ ブログ :醤油手帖

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今回紹介した商品

「From AQUA」を詳しく見る
「青森りんごシリーズ」を詳しく見る
「From AQUA 天然水ゼリー」を詳しく見る
「コクと旨味の一風堂とんこつラーメンスープ」を詳しく見る
「やさしい甘み ラ・フランス」を詳しく見る
「デラウェア」を詳しく見る
「東北六県茶」を詳しく見る

*1:旧・JR東日本ウォータービジネス