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観葉植物と暮らすコツは、実はとてもシンプル。「植物の選び方&育て方」の基本を園芸家が教えます

約150株の植物と暮らす園芸家の佐野裕一さんが、「観葉植物」の選び方と育て方の基本について教えます。植物を育てることに興味はあっても「前に一度枯らしてしまった」という経験はありませんか? 実は「置き場所」と「水やり」のちょっとしたコツさえ知っていれば、植物を育てるのは決して難しくないんです。

初めまして。普段はイラストや漫画を描きながら、園芸家としても活動している佐野裕一と申します。

私はもともと家にいることが多かったのですが、数年前、生活に癒やしを求めてたどり着いたのが観葉植物でした。以来、6畳のアパートで約150株の植物と暮らしています。

なかなか外出がしづらい昨今。家の中で始められる新しい楽しみとして、“植物との暮らし“に興味を持ち始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、植物を育てることに興味はあっても「うまく育てる自信がない」「前に一度枯らしてしまった」といった方もいらっしゃるかもしれません。でも、実はちょっとしたコツさえ知っていれば、植物を育てるのは決して難しくないんです。

この度は僭越(せんえつ)ながら、私が皆さまに観葉植物の魅力や室内での育て方のコツをご紹介したいと思います。

1.葉っぱやつぼみの変化。毎日の成長を眺める楽しみ

私が思う「植物がある暮らし」の良さは、毎日少しずつ変化していく様子を眺められるということ。室内の観葉植物も適切な条件さえそろえば、日々刻々と、前の日と比べて違いが分かるほどに変化してゆきます。

季節が巡ると新芽が吹いたり花が咲いたり、さらには実がついたり。

鮮やかな花を咲かせた雪晃と遅咲きのシクラメン。4月の様子。

鮮やかな花を咲かせた雪晃と遅咲きのシクラメン。4月の様子。

日々葉っぱが大きくなってゆく様子やつぼみが開いてゆく瞬間など、そんな自然の変化を室内で感じられるというのは、なかなか贅沢な楽しみかもしれません。

部屋で植物を眺める様子のイラスト

2.私のお気に入りの観葉植物

では、観葉植物として楽しむのに適しているのはどんな植物か、私が実際に育てているお気に入りの植物とともに紹介していきます。

<「観葉植物」とは?>

一般的に観葉植物とは、葉や枝ぶり、色合いなどを眺め楽しむ植物のことです。最近はインドアグリーンと呼ばれることも多いですね。この記事内では、屋内育成にある程度、適性のある植物のことを、観葉植物と称したいと思います。

「屋内向きの植物」「屋外向きの植物」は何によって分けられるのかという点ですが、ざっくりと言うと植物が求める光や風の量です。

例えばサボテンや葉がぷっくりと膨らんでかわいい多肉植物なんかは、本来は屋外育成向きで、一般的に観葉植物と呼ぶことは少ない種類です。求める光量や風量が多いため、屋内に置くことでそれらが不足すると調子を崩してしまいやすく、なかなかうまく育てることが難しいためです。必ずしも屋内で育てられないというわけではありませんが、屋内育成ではストレスがかかるという点を忘れてはいけません。

<お気に入りの観葉植物6つ>

「自分が育てる観葉植物をどうやって選ぶか」についてお話しするにあたり、まずは私が長年連れ添っているお気に入りの観葉植物を、漫画と写真でいくつかご紹介させてください。

(※スマートフォンから閲覧の際は、漫画の画像をピンチアウトしてご覧ください)

お気に入りの観葉植物の漫画1ページ目
お気に入りの観葉植物の漫画2ページ目
お気に入りの観葉植物の漫画3ページ目
お気に入りの観葉植物の漫画4ページ目

ネフロレピス、パキラ、ビカクシダ(コウモリラン)、トキワシノブ、コチョウラン、ハオルシア(ハオルチア)。どれも比較的入手しやすく、育てやすい種類です。

パーソナル草むらことネフロレピス・ツデー。

パーソナル草むらことネフロレピス・ツデー。

素焼き鉢に植え替えてハンギングしたコチョウラン。

素焼き鉢に植え替えてハンギングしたコチョウラン。

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3.うまく育てるには「置き場所」と「水やり」のコツを知ろう

お気に入りの一鉢が見つかったら、大切に育てたくなりますね。部屋でうまく植物を育てるには、「置き場所」と「水やり」についてちょっとしたコツがあります。

<「置き場所」の決め方>

以前私のTwitterでも紹介しましたが、植物の置き場所を決める上で、大切なことが2つあります。それは「植物に合った場所に置く」ことと、「無理せず毎日観察できる場所に置く」こと。



植物に合った場所に置く

植物を育てる上で最も大切なことは、とにかく植物に合った適切な場所に置くことです。

インテリアとしてではなく、生き物としてベストなところに置いてあげましょう。「ここに植物があるとお洒落だから」というような、育てる側の都合で日当たりの悪いスペースにインテリアとして置いてしまうのは、よくある失敗の元です。

無理せず毎日観察できる場所に置く

それからもう一つ重要なポイントが、無理せず毎日観察できる場所に置くこと

先ほどの漫画でも描きましたが、食器洗いのついでに観察できるキッチンの窓辺、歯磨きのついでに観察できる洗面所など。生活習慣のついでに観察する時間を設けることで、より、植物の魅力や成長を敏感に感じられるはずです。

<水やりのコツ>

植物の世話といえば「水やり」。ここでも知っておきたいコツがあります。

水やりは毎日ではなく、土が乾いてから

植物の世話をする上で、ついついやってしまいがちなのが「毎朝の観察ついでに、ちょろっとお水をあげる」こと。でも、実はこれはNGなんです。

濡れたタオルをイメージしていただきたいのですが、濡らしてそのまま放置してしまったタオルは嫌な臭いがしてきますよね。でもすぐに干してしまうと、さほど嫌な臭いはしないと思います。

植物の土も同じです。

土や根にも当然、雑菌や、微生物がいます。そして、根は呼吸をしています。なので、毎日の水やりで土が常に湿っている状態が続くと、雑菌が繁殖して土の衛生状態が悪くなり、土の中で根がうまく呼吸することができません。

結果として、根腐れや病害虫などのトラブルを招くことにつながってしまいます。

それらを防ぐためにも、水やりはメリハリを持って、土の表面がしっかり乾いてから。あるいは葉っぱが少し枝垂(しだ)れてきてからでも大丈夫です。必ず、土や葉の様子を観察してからお水を与えましょう。一般に流通している観葉植物で、毎日の水やりを必要とする植物はなかなかありません。

特にこれから夏にかけては雨が多く、室内の鉢植えの土も乾きづらいので、ちゃんと乾燥状態をチェックしてから水やりをしてください。普通の室内に置いているのであれば、室温が35度を超えたりしない限り、いつも通り水やりをして大丈夫です。

もし南向きのかなり日当たりの良い窓辺や、ベランダなんかに置いている場合、日中にお水をあげてしまうと日差しによる高温で鉢内が蒸れてしまうので注意しましょう。

おすすめの水やりグッズは「霧吹き」

毎日の水やりは不要と言われても、せっかく自分の部屋に植物を迎えたのだから、毎日、何かしらの世話を焼きたい。そう思われる方もいるかもしれません。

かくいう私がそんな人間です。毎日何かちょっとお世話したいのです。正直、植物からするとちょっと鬱陶(うっとう)しいかもしれません。けれども何かしてあげたい。

そんなお節介タイプの方におすすめなのが「ミスティング」。いわゆる霧吹きですね。葉水ともいいます。

霧吹きであれば、よっぽど噴射し続けない限り、毎日しても問題ありません。むしろ、毎日ミスティングすることで得られるメリットもあります。

植物は表面が過度に乾燥するとハダニやカイガラムシといった害虫が発生しやすくなりますが、葉水はそれらの抑制に有効です。また、葉に降り積もった細かい埃やゴミを吹き飛ばすことで衛生面も向上し、病気の予防にもつながります。

ミスティング後のハオルシアたち。

ミスティング後のハオルシアたち。

本来であれば植物は屋外で風雨にさらされて衛生面を保てるのですが、屋内の観葉植物はそうはいきません。葉水は、いわば風雨の代わりのようなイメージですね。

ある程度幹や葉がしっかりした大きめの観葉植物は、ベランダやバスルームなどで時々シャワーを使って表面の汚れを洗い流してあげるのも大変良いかと思います。人間と同じで、植物もお風呂でシャワーを浴びないとだんだん具合が悪くなるんですね。

私は毎日、朝と夜に霧吹きを吹きまくっています。(霧吹きは、「ダイヤスプレー スウィング」の500mlのものが使いやすくて気に入っています)霧吹きで植物をびしょびしょにすると結構気持ちがいいんですよね。これはあまり褒められたものではありませんが、個人的には毎日の霧吹きがストレス解消にも一役買っているのかもしれません……。私の場合、丁寧な暮らしとは程遠いです。

ちなみに、そんな私が霧吹きとあわせて愛用しているのが、サーキュレーターです。下記のツイートでもご紹介していますが、水のやり過ぎによる根腐れなどを軽減してくれます。



うちの場合は365日24時間、常にサーキュレーターが稼働しているのでたっぷり霧吹きをしても2、3時間ほどで乾きます。

サーキュレーターがない場合は、くれぐれも霧吹きのやり過ぎにはお気を付けください。周りへの水跳ねにもご注意を。(うちの場合は植物の下にも植物があるので、垂れたりこぼれたりしてもあまり気にしていません)

「ダイヤスプレー スウィング」を詳しく見る
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4. 最初に育てる植物の選び方

私がよく頂く質問に「育てやすくておすすめの観葉植物を教えてください!」というのがあります。確かに何を始めるにしても、その道の先人の意見を仰ぐというのは、合理的で安心感があります。おすすめならなおのこと。

ですがやはり、実際に植物を購入し育てるのはあなたです。

植物はうまく育てると、観葉植物でも何十年と生き続けます。あるいは100年以上生きるかもしれません。そんな、膨大な時間を共にするかもしれない友人は、やはりあなたの意思で決めていただきたいなと思います。

<直感的に「気になる」植物を見つけよう>

そこで私がおすすめするのは、実際に園芸店やホームセンターへ行ってみたり、観葉植物の図鑑を眺めたり、植物を育てている人のSNSを見たりして、まず、直感的にピンとくる、気になる植物を見つけることです。

そしてその植物のことを店員さんに聞いたり、本やウェブで調べましょう。育て方やどういう置き場所を好むかなどを調べていくうちに、どんどんその植物のことが気になって好きになってゆくはずです。

そしてある程度の予備知識ができたら、あなたの家でも育てられそうでしたら、ぜひお迎えしてあげてください。

<選ぶ際は「元気そう」なら大丈夫!>

実店舗で選ぶ際のポイントは……特にありません。元気そうなやつなら何でも大丈夫です。形が変でも問題ありません。多少葉っぱが傷んだりしていても、新芽の部分さえ元気そうでしたら大丈夫です。

必ずしも、というわけではありませんが育てやすい植物の見つけ方の目安としては、ホームセンターや園芸店などでリーズナブルな価格のものは比較的育てやすいものが多いです。育てやすく増やしやすい植物は安価で出回っている傾向にあります。

どんな子を選んでもそれぞれのストーリーが待っていてハズレはありません。インスピレーションを大切に、枝の感じが気に入ったとか形がかわいいとか、直感で選んでしまいましょう!

<通販で植物を買う場合のポイント>

私はなるべく実際にお店に行って買うことが多いのですが、やはり近くにお店がなかったり、お目当ての植物が手に入らない、ということもよくありますよね。

近頃はネットショップの植物も高品質であり、健康状態の悪いものが届いた話はめったに聞きません。私も苦い思いをしたことはありません。

ただ観葉植物の場合、通販ページに載せられている画像の多くがイメージ画像であり、実物でないこともよくあります。草姿や枝ぶりなんかにこだわりのある方は、説明欄に「一点もの」と明記されているサイトをおすすめします。あるいは、やはり実店舗で。

そして季節によっては、通販で植物を買う際に一つだけ重要なポイントがあります。それは、暑さ・寒さにより配送中に植物がダメージを受けてしまうことです。

7、8、9月は、密封されたダンボールの中は過酷なので、クール便に、一方で冬場も、寒さに弱い植物にとっては過酷な環境なので、加温配送に。そういったオプションのあるお店のページを探してお迎えしてみましょう。

4、5、6月と10、11月は、概ね安心して通販できる季節です。

5.自分だけの「特別な一鉢」に育てる喜び

これは私の経験ですが、今まで育てて面白くなかった植物はありません。後悔した植物もありません。

きっと何を選んでも正解の優しい世界です。安心してください。

たまーに具合の悪い子もいて、運悪くそういう子に当たってしまったら、おうちに連れ帰った後で気付いたら、お店に相談して早めに取り替えてもらってください。私も昔、一度だけありました。

そうやって念入りに調べて選んだ一鉢は、きっと誰かにおすすめされたものよりも一層、愛着が湧いて特別な一鉢になるはずです。

植物と暮らす醍醐味は、どこにでも売っている平凡な一鉢を、時間と愛情をかけて、どこにもない特別な一鉢にしてゆくところにあると思います。

これから夏にかけては、植物の表情がどんどん変わる目まぐるしい季節です。今、迎えられた一鉢は秋には全く別の顔になっていると思います。植物がぐんぐん成長する1番楽しい季節。ぜひまだ見ぬ友人を、探してみてはいかがでしょうか。

左から、ソウカクデン、チランジア・テクトラム、ハオルシア・オブツーサ、サンセベリア・ピングイキュラ。

左から、ソウカクデン、チランジア・テクトラム、ハオルシア・オブツーサ、サンセベリア・ピングイキュラ。


著者:佐野裕一

1995年生まれ 京都在住。京都精華大学マンガ学部卒業。
アートギャラリーやSNSにてイラストやマンガを発信する傍らアパートのワンルームで約150株の植物を育成中。
6月中旬より朝日出版社WEBサイト「あさひてらす」と自身のTwitterアカウントにて、マンガ“植物の暮らし方“を連載開始。
ちなみに部屋の中で1番好きな植物はシクラメン。
Twitter:@sunamerius

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今回紹介した商品

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