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「SASUKE」の世界では鉄板の筋トレが意味をなさない ―― 常連選手にSASUKE攻略のためのトレーニング術を聞いてきた

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1997年の初放送から20年以上にわたり、TBS系列で不定期放送されているスポーツ・エンターテイメント番組『SASUKE』

毎大会100人の出場者たちが、さまざまな障害物で構成された各ステージのクリアを目指し挑戦していく様子が放送されます。

【動画:第30回大会「SASUKE 2014」1st STAGEの様子】SASUKEのステージは1st STAGE、2nd STAGE、3rd STAGE、FINAL の全4ステージ。各ステージには複数の障害物があり途中で池に落下する、池の水面に着水する、コースアウト、タイムアップ(1st、2nd、FINAL)になるとその場でリタイア(脱落)となる。毎大会各ステージでマイナーチェンジ、新エリアが登場する。各ステージの制限時間は大会毎によって異なる。

各ステージは難攻不落の「鋼鉄の魔城」とも呼ばれ、一見すると「どうやったらクリアできるんだ!?」と思うものばかり。実際に、出場者のうち最初のステージ(1st STAGE)を攻略し、2nd STAGEに進出できる人はごくわずか。その難易度がうかがえます。

そんなSASUKEに複数回出場し、かつ結果を出す選手たちは一体どんなトレーニングや筋トレをしているのでしょうか?

そこで、有力選手として毎大会注目され、直近の第37回大会(2019年12月31日放送)でも1st STAGE、2nd STAGEを突破し3rd STAGEまで進出した漆原裕治(うるしはら・ゆうじ)さん、日置将士(ひおき・まさし)さんにインタビューを実施。

漆原裕治さん(写真左)、日置将士さん(写真右)

(写真左から)漆原裕治さん、日置将士さん

お二人がSASUKE出場を目指すようになったのは今から10年以上も前とのこと。十数年がかりの挑戦を続けるお二人に、“鋼鉄の魔城”を超えるためのトレーニング方法やSASUKEへの想いについても伺いました。

キンニク

自宅、職場……あらゆる場所でトレーニングする男たち

「SASUKEのセットを作る」ための家選び

ーー お話をお聞きする前に、これに触れずにはいられません。今日は日置さんのご自宅にお伺いしていますが、庭にトレーニング用のSASUKEセットがあるんですよね。 庭に「そり立つ壁」がある家……初めて見ました。

そりたつ壁に挑戦する日置さん

取材時、真っ先に目に飛び込んできたのは1st STAGE終盤に登場する名物エリア「そり立つ壁」を再現したセット。SASUKEにあまりなじみがない人でも「このエリアは知っている!」という人も多いのでは。設営には同じくSASUKE常連選手の又地諒(@No2_Cliffer)さんが手を貸したのだそう

日置さん

だと思います(笑)。このセットは僕が嫌いなエリアの詰め合わせなんです。過去の大会でリタイアした、苦手なもので埋め尽くした感じです。ここで遊びながらトレーニングすることで、苦手を克服してきたんですよ。

漆原さん

SASUKE仲間が集まって、よく合同トレーニングもするよね。僕は普段職場の屋上でトレーニングしていますが、休みの日や大会直前になると日置の家に行って一緒に練習しています。

漆原裕治(うるしはら・ゆうじ)さん

漆原裕治(うるしはら・ゆうじ)さん……1978年8月21日生まれ、東京都出身。身長164cm、体重55kg(第37回大会時点)。30歳(第21回大会/2008年)でSASUKE初出場。これまで3度FINAL STAGEに進出しており、2010年開催の第24回大会、2011年開催の第27回大会では完全制覇を達成。直近で開催された第37回大会(2019年)では3rdSTAGE最後のエリア「パイプスライダー」で落水し涙を見せた。現在は株式会社ハルタで営業を担当。普段は職場の屋上が主なトレーニングの場となっている。トレーニングの様子やSASUKE仲間との交流をYouTubeにて定期的に更新中。TwitterYouTube

日置さん

家を買う時点で、絶対にSASUKEのセットは作りたいと思っていましたから。駅の近くにも分譲戸建てがあって検討したんですが、ガンガン音が鳴っても平気そうな、ちょっと引っ込んだ広い土地を選びました。

日置将士さん

日置将士(ひおき・まさし)さん……1981年6月5日生まれ、千葉県出身。身長170㎝、体重62kg(第37回大会時点)。千葉県印旛郡に所在する電気店「キタガワ電気」の店長であり、SASUKE出演時は「キタガワ電気」のロゴがプリントされた青いポロシャツを着用することでおなじみ。28歳(第25回大会/2010年)でSASUKE初出場。これまで7度3rd STAGEに進出。常連の実力者の中では早い番号で登場する傾向にあり"切り込み隊長"とも呼ばれることも。Twitter

―― ご家族はセットを作ることを了承していたんですか?

日置さん

(取材に同席していた日置さんの妻・真弓さん) 了承も何も、土地を買った時点で、家よりも先に(セットを)作り始めていましたからね(笑)。SASUKEのセットの場所を決めてから、家の配置を決めたようなものですから。

日置さん

庭のセットだけじゃなく、リビングの梁(はり)の部分にも指でギリギリぶら下がれるだけの出っ張りを造って、苦手なクリフハンガーの練習ができるようになっています。妻が梁を見せる天井にしたいと言うので、じゃあその梁に紛れ込ませてしまえと思って。同じ色と素材にすればバレないだろうと、大工さんに作ってもらいました。

サーモンラダー

2st STAGEの名物エリアである「サーモンラダー」を模したセット(第32回以降はFINALステージにも登場)。バーにぶら下がり、それを上に押し上げ、上にある突起に引っ掛けて上っていく。漆原さん・日置さんによると「単に腕の力だけで上ろうとするのではなく振り子のようにした反動で上るのがコツ」とのこと

キンニク

SASUKEをクリアするために必要不可欠な筋肉は「前腕」。懸垂トレーニングはマスト

上半身と下半身、筋トレに力を入れる箇所は人それぞれ

漆原さん

―― SASUKEは年齢や性別、身長体重関係なく全ての人が同じステージに挑戦していく*1のも面白いところだと思います。だからこそ、トレーニングや鍛え方も人によって異なるのではないかと思うのですが……。改めて、普段やっているトレーニングを教えていただけますか?

漆原さん

おっしゃる通り人によって体格や強い部分、弱い部分が異なるので、個々でトレーニング方法も変わります。

僕の場合は足が弱いので、ある程度の重量を使ったトレーニングで下半身の筋力を鍛えないと1st STAGEのタックル(*1)を突破できませんし、その後の「そり立つ壁」に影響が出てきます。

いつも仕事前に30分、10kgのベストを背負って会社の階段を9階まで上り下りしたり、バーベルを担いだり。スクワットや坂道ダッシュなどもしています。ももとふくらはぎを同時に、バランスよく強くしないといけない。トレーニングの配分を間違えると、SASUKEでは活躍できないと思います。

逆に日置は足が強いので、上半身と下半身のトレーニングの割合は僕と逆になる感じですね。

(*1)第31回大会(2015年)で初登場した1st STAGEのそり立つ壁の前にあるエリア。第32回からは重量が変わり、240kg, 300kg, 320kgの滑車のついた3つの壁をタックルで押しながら進んでいく(直近で開催された第37回大会も同様)。

職場の屋上で、日々トレーニングを重ねる漆原さん

日置さん

僕は以前、ぶら下がる力がめちゃくちゃ弱かったんですよ。それで、うるさん(漆原さん)に聞いたら「毎日100回、懸垂をやろう」と言われて。超つまんねえ!と思いながらも一年間やりきりました。やりたくない日があっても、ほぼ毎日うるさんが電話をかけてきて「今日はやったか?」って聞いてくるからサボれない(笑)。

でも、そこで一気に上半身が強くなったので、基礎的なトレーニングの大切さがすごくよく分かりましたね。

とにかく「前腕」を鍛えろ! 腕立てよりも懸垂をすべし

―― では、体格に関係なく「最低限ここは鍛えておくべき」という箇所はどこでしょうか?

漆原さん

前腕(ひじから手首までの間)ですね。上半身に関しては「引く動き」が重要な競技ばかりなんですよ。例えばバーなどにぶら下がった状態で体ごと移動したり、ロープをよじ登ったりする時だったり。こういう場面で前腕の筋肉が必要になってきます。厳密にいうと、前腕の裏側の部分ですね。

―― 特に前腕の筋肉が重要になるステージはありますか?

漆原さん

1st STAGE・2nd STAGE・3rd STAGE、FINAL、全てにおいて必要だと思います。 背中の筋肉も重要なんですが、背中が疲れる前にまず腕がダメになりますから。

――そもそも前腕って、どうやって鍛えればいいんでしょう……?

漆原さん

前腕を鍛えるトレーニングは、主に懸垂です。上腕が鍛えられる腕立てはあまりやりませんね。

―― そうなんですね! 腕立て伏せって、鉄板の筋トレだと思っていました。

日置さん

何かを押してふんばる時に多少必要になってくるんですけど、SASUKEにはプッシュ系の動きがほぼないので、意味がないんです。あと、上半身は腹筋がないと厳しいかもしれません。

日置さんの前腕

日置さんも漆原さん同様上腕はあまり鍛えないため、筋肉はほとんどついていないのだそう。一方で前腕はこのたくましさ

漆原さん

前腕って大胸筋のような大きな筋肉と違って進歩が分かりづらいので、鍛えるモチベーションを維持しづらいんですよ。でも、こういう小さい筋肉ほど、積み重ねていかないといけない。

日置さん

だから、ボディビルダーのような「肉体美」を目指して鍛えている方からすると、僕らの体ってすごい不格好だと思います。もちろん人にもよると思いますが、僕らの場合は自分の体に合わせた「SASUKEに必要な筋肉」をガンガン鍛えているので。

キンニク

初出場から約10年。ステージも、選手も、SASUKEへの想いも変化

ステージの進化に応じて、出場選手も進化していく

ーー なるほど。確かにSASUKEはステージやエリア毎に有利な体格・不利な体格というのもあるように思います。

漆原さん

僕のようにウエイトが軽い場合は、パワー(体力)が必要なエリアは少し不利ですね。逆に3rd STAGEはぶら下がるエリアが多いので、多少有利になるんじゃないかな。全体重を腕や指だけで支えることになるので。

1st STAGEの場合、トランポリンを跳んでバーやネットを掴むエリアが必ずあるのでかつては長身の人が有利とされていました。ただ、ステージも進化していっているのでなんともいえないですね。1st STAGEは最もバランスが求められるステージだと思います。

漆原さんと日置さん

―― 新しいエリアができたり、マイナーチェンジする度、対策が必要になると思います。各ステージの進化に合わせ、トレーニングのやり方も変わるのでしょうか?

漆原さん

もちろん変えます。例えば、ある時期まで僕は1st STAGEの「そり立つ壁」を失敗したことがなかった。でも、第31回大会から「タックル」というエリアができたことで、ここでの疲労によってその後の壁が登れなくなり、脱落してしまいました。

それ以降は対策として、重いバーベルを担いでスクワットをしたり、担いだまま走ったりと、新しいトレーニングをとり入れています。同じSASUKEという名前でも、今と昔とではまるで別ものですからね。

―― 難易度もどんどんエスカレートしているように感じます。でも、それに伴い出場者も進化していると。

職場の屋上でクリフハンガーの練習をする漆原さん

漆原さん

そうだと思います。クリフハンガー(*2)ひとつとっても、マイナーチェンジを繰り返してどんどん進化していますからね。たとえば、第28回からは「クレイジークリフハンガー」(*3)といって、空中で体を180度反転させて、背面にある突起に飛び移らないといけなくなった。最初見た時は「こんなの誰ができるんだよ!!!」と思いましたが、今はみんな普通にやりますからね。

10kgくらいのベストを背負って突起にぶら下がる練習や、本番の約半分にあたる1.5cmの突起で練習している人もいる。もう、変な人ばっかりですよ。日置のようにセットを作ってトレーニングする人も増えていますしね(笑)。

(*2)幅3cmほどのわずかな突起に指の力だけでぶら下がり、横移動やジャンプを繰り返す競技

(*3)現在はそこから「ウルトラクレイジークリフハンガー」→「クリフハンガーディメンション」と進化。さらに難易度が増している

―― おふたりとも初出場から約10年がたちますが、年齢とともにどうしても体力や運動能力は落ちていきますよね。限界を感じることはありませんか?

漆原さん

僕は今41歳ですが、まだまだ十分できると思っています。少なくとも3rd STAGEまでは、まだ大丈夫かなと。これが「100メートルを10秒台で走りましょう」とか「100kgを持ち上げてくれ」ということになってしまうと、無理ですけどね。

心配なのは膝の状態くらいです。毎日10kgの重りを背負い階段を上り下りしているので、いつか膝をやっちゃうんじゃないかと。昔に比べ、恐る恐るトレーニングするようにはなりましたね。

日置さん

僕はうるさんより年下の38歳ですが、SASUKEオールスターズと呼ばれる先輩方は僕らくらいの年齢で引退をした方もいらっしゃいます。ただ、僕らは20代の頃からSASUKE用のトレーニングで体を作ってきたので、まだ対応しきれるんじゃないかと思っています。

だから、今のところ引退は考えていません。逆に、うるさんなんてここにきてまた成績を伸ばし始めていますから。その姿を見ていると、俺もまだいけるかなって。うるさんは、常に僕らを引っ張ってくれる頼もしい存在ですよ。

漆原さん

日置さんの言葉に照れくさそうにする漆原さん

弟子や子どもの存在がモチベーションに

―― 肉体面だけでなく、気持ちをキープし続ける大変さもあると思います。特に漆原さんは完全制覇を2回成し遂げる一方、1st STAGE敗退が続いた時期もあります。何度か、やめるタイミングもあったかと思うのですが?

漆原さん

僕は本選に出場した最初の7回で2度の完全制覇を達成しました。ちょっと(達成が)早過ぎたんですよね。なので、もう少し続けたいというのはありました。40歳で出場した第36回大会で完全制覇できていたら、年齢的にも区切りをつけられたかもしれませんけれど、結果的に3rdで敗退してしまったので。

あとは、「弟子」ができたことも大きいです。3大会続けて1st STAGEで落ちてしまった時も、このまま塚田君(*4)たちに師匠らしいところを見せずに終われるかという思いが最大のモチベーションになりました。今は最年長のファイナリストを目指しています。

(*4)アイドルグループA.B.C-Zの塚田僚一さん。第31回大会(2015年)からSASUKEに参戦している

―― 日置さんのモチベーションは、やはり完全制覇ですか?

日置さん

僕の場合、完全制覇の前に、まず3rd STAGEをクリアしFINALに進むことですね。更に言ってしまうと、宿敵クリフハンガーを突破するのが一番の目標です。あと、やっぱり我が子にいいところを見せたいという気持ちはあります。次回はFINALに進出して、子どもを抱きしめてやりたいですね。

キンニク

SASUKEにのめり込んでも、決して一番にしない

仲間との絆も深まる。SASUKEは「第二の青春」

―― お二人とも今では常連選手としてSASUKEを引っ張る存在かと思いますが、初出場までの道のりはどのようなものだったのでしょうか?

漆原さん

20代半ばの頃にはテレビを観て「出てみたい」という気持ちはありました。その後2006年に「お台場マッスルパーク(*5)」ができてたまたま最初にクリアしたことで、SASUKEの予選会に呼ばれるようになり、初めて本選に出たのは2008年の第21回大会。30歳の時でした。

(*5)2006年12月~2010年10月までお台場に存在した屋内型スポーツテーマパーク。SASUKEで実際に使われるセットを体験できる「サスケパーク」が人気を集めた

―― ちなみに、マッスルパークって初見でクリアできるようなものなんですか?

日置さん

いや、普通はできないですよ。現に、僕は全くダメでしたからね。一応地元では運動神経がいいと言われていたのに、もうサッパリ。当時は恋人だった妻にいいところを見せてやろうと思っていたのに、大失敗です(笑)。

―― 日置さんも、悔しさからのスタートだったんですね。

日置さん

はい。以来、週2くらいでお台場に通いましたよ。デートはいつもマッスルパーク。1回700円で何度も挑戦するから、いつも5,000円くらい使っていました。10枚つづりの回数券とか買ったりしてね。結局、クリアするのに1年弱かかりました。それで、ここまでやったんだから次はSASUKE本選に出てみたいと思うようになったんです。

真剣に回答する漆原さんと日置さん
 
―― 今のSASUKEで活躍されているのは、お二人のようにマッスルパーク出身者が多いんでしょうか?

日置さん

そうですね。当時マッスルパークに集まっていたメンバーのなかで、最初にうるさんが本選に出て、後に続く者もどんどん現れた。「SASUKE新世代」(*6)と言われ始めたのも、その頃からですよね。

(*6)放送初期から活躍してきた有力選手のことを番組内では「SASUKEオールスターズ」と呼び(引退した選手も含む)、基本的にはSASUKEオールスターズに次ぐ新たな有力選手たちの総称として呼ばれる

漆原さん

マッスルパークだけでなく、本選に出るためのトレーニングをしている人たちは自然と顔見知りになっていくんですよね。そこで仲間同士の結束も生まれました。4人目の完全制覇者である森本裕介(*7)なんて、彼が中学生の頃から知っていますから。

日置さん

だから、その頃からの仲間が挑戦している姿を見ると、僕らも泣いてしまうわけですよ。

(*7)15歳(第18回)でSASUKE本選に初出場(同大会最年少)し、23歳(第31回)で完全制覇を達成(史上最年少記録)。ニックネームは「サスケ君」。

森本さん、第37回大会(2019年)でFINAL STAGEに進出した多田竜也さんと共に行った合同トレーニング動画。スタミナをつけるための坂道ダッシュ、サーモンラダー、第35回で初登場したドラゴングライダー(トランポリンからバーに飛び移り、ジェットコースターのようなコースを渡っていくエリア)などの実践練習の様子が分かる

―― 番組を見ていて「自分じゃない人の挑戦のときも、なぜ出場選手たちはこんなにも真剣なまなざしなんだろう、なぜこんなにも感情移入しているんだろう」と思ったことがありましたが、下積み時代を知っているからこその涙だったんですね。

漆原さん

本戦出場・ステージクリアにたどり着くまでに、苦労してきたことも知っていますからね。そのぶん、誰かがクリアするとうれしいんです。SASUKEは対決ではなく一人ひとりの挑戦なので、素直に応援できるというのはあると思います。

日置さん

SASUKEは「第二の青春」ですよ。

子どもの頃って、練習して逆上がりや二重飛びができるようになる喜びがあるじゃないですか。SASUKEはそれの繰り返しなんですよね。次から次へと課題を与えてくれて、仲間とともに乗り越えていくのが楽しいし、喜びなんです。そして、仲間の活躍や失敗に涙して、感情が揺さぶられる。大人になってからはなかなかできない経験をさせてもらっていると思います。

―― 2人にとってSASUKEが人生の重要な軸になっていることがよく分かりました。最後に改めて、SASUKEを続けてきてよかったことを教えてください。

日置さん

SASUKEがなかったらきっと出会えなかった仲間たちと、強い絆を育めたことですね。もしSASUKEがなくなったとして後に残るものって、筋力や技術ではなく、人とのつながりだと思います。

僕はSASUKEがどんどん人生を良くしてくれている実感もあります。マッスルパークがデートの場所になり、結婚をして子どもも授かった。子どもに頑張っている姿を見せ、大事なことを教えられていると思いますしね。

漆原さん

日置と同じですね。人との出会い、同じ目標に向かって頑張れていることが大きな生きがいになっています。また、SASUKEを通じたイベントで妻と知り合うこともできましたし、いいことしかないですね。

―― 何より、家族が応援してくれていることがいいですよね。

日置さん

いくらSASUKEにのめり込んでいるといっても、あくまで家族が最優先です。次に仕事で、SASUKEはその次くらい。でないと家族も職場も、誰も応援してくれませんよ。だから、決してSASUKEを一番にしないことが大事なのかなと思いますね。

積極的に応援……とまではいかなくても、家族が同じ方向を向いてくれるだけで、僕らとしてはすごく有難い環境になります。だって普通、「家にSASUKEのセットを作りたいんだけど」なんて言ったら、ふざけんなって感じじゃないですか。それを快く「いいんじゃない」って言ってくれるのは、当たり前じゃないんだと思わなければいけませんよね。


談笑する日置さんと漆原さん

取材・文:榎並紀行(やじろべえ)
撮影:小野奈那子

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*1:ただし制限時間、1st STAGEの「タックル」など男性選手と女性選手で重量が異なるエリアもある