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いつもの料理に一振りするだけでガラリと味が変わる。自分でミックススパイスを作ってみよう

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自作のミックススパイスを紹介します 今回紹介するミックススパイスとその活用レシピたちです 

 

こんにちは。辻村哲也(ツジメシ)と申します。

本業はプロダクトデザイン(各種製品のデザイン)なのですが、料理好きが高じて料理本を出したり、イベントに参加して料理を作ったり、飲食店の真似事をしたり、こうしてメディアにレシピを書いたりしています。

 

今回のテーマはミックススパイス。僕も気づけば40種類以上(さっき数えてて途中でやめました)のスパイス類を集めてしまっていますが、組み合わせ次第でいろいろな表情に化けるのがスパイスの面白いところです。

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その組み合わせの面白さを味わってみてほしい、しかも簡単に! ということで今回はオリジナルを含めたミックススパイスを紹介したいと思います。ミックススパイスとはいくつかのスパイスを混ぜ合わせたもののこと。中華に使われる五香粉(ウーシャンフェン)、七味唐辛子やカレー粉もミックススパイスです。

 

基本的には「料理にパラリと追加するだけ」でいつもとはひと味違うおいしさになる活用例を提案します。

比較的手に入りやすいもの、かつ組み合わせる種類も最小限にしているので誰でも気軽に試せると思います。

僕の場合、そもそもあまり「カレー」に執着がない状態からインドをはじめとした各国の「スパイスを使った料理」に興味を持ったもので、カレー好きの方とはやや視点の違いがあるかもしれません。こういう見方もあるんだなと思っていただければうれしいです。

 

 

スパイスは組み合わせが面白い!

さて、一言でスパイス料理といっても、スパイスってなんだかたくさんあって、どこから手をつけていいか分からないですよね。カレーなんかはスパイスから作ろうとすると最初にたくさんの種類が必要で、始めるハードルも高そう。またレシピ通りには作れても応用が利かない、などがスパイス料理の難しそうな点でしょうか。

 

もちろん個別のスパイスの知識も必要なのですが、これからスパイスを使ってみようという人のために、今回は組み合わせの面白さに絞ってお伝えしようと思います。

 

ざっくりと概観するために、今回図を作ってみました。多くの国で使われているメジャーなスパイスと、その組み合わせで変わる用途や国籍を図解してみたものです。

こうしてみると、同じスパイスでも組み合わせ次第でインド風になったり中国風になったり西洋風に感じたりするのが面白いところ(もちろんこれに組み合わされる各地の食材や調理法の違いもあるのですが)。

つまり、スパイスの組み合わせ方を覚えれば料理のレパートリーも増えるということです。

スパイスの分布図

※やや強引に簡略化し、またハーブ系はすっかり省略しています。

 

覚えておきたいスパイス使いの基本2点

メジャーなスパイスと、その相関関係についてなんとなく見えたところで、今回のミックススパイスに関わるスパイス使いの基本を2点ほど押さえておきましょう。

 

1. ホールとパウダー(粉末)の使い分け

スパイスには、

  • 主にホール(種などまるごと)で使うもの
  • 主にそれを挽いたパウダー(粉末)の状態で使うもの
  • ホールもパウダーもどちらでも使うもの

があります。

 

例えばスパイスが当たり前に使われるインド料理の場合だと、ホールで使うものは最初に油で香りを出して煮込む間にじんわり香りを食材に移し、パウダーは色や辛味や後半に華やかな香りを加えるのに使うことが多いです。

 

ホール、パウダー両方で使うスパイスはどちらも買うより、ホールだけ持っていて必要に応じて挽いて使うと新鮮な香りが楽しめます。

その場合スパイスを挽く用のミルを持っていると便利です。スパイス沼のみなさんは、コーヒーミルをひとつスパイス専用にしたり、「マジックブレット」「イワタニのミルサー」を使っていたりする人が多いようです。頻度や量が多くなければ手動のスパイスミル(石臼)や乳鉢でもOKです。 

 

今回のミックススパイスも、用途に応じてホールとパウダーを使い分けています。

 

f:id:blog-media:20191030111532j:plain 「コーヒーミル」を詳しく見る

f:id:blog-media:20191030111610j:plain 「マジックブレット」を詳しく見る

f:id:blog-media:20191030111643j:plain 「イワタニ ミルサー」を詳しく見る

f:id:blog-media:20191030111710j:plain 「スパイスミル」を詳しく見る

f:id:blog-media:20191030111741j:plain 「乳鉢」を詳しく見る

 

2. スパイスは加熱して使う

スパイスは加熱すると香りが立ちます。また香り成分は油に溶けるものが多いため、ホールのスパイスを最初に油で加熱するインド料理の「テンパリング」という技法はとても理にかなっています。

 

例えばクミン。あとで紹介する「ラムMIX」のクミンは、肉を焼くときに加熱されることが前提なので生のまま使っていますが、「和ごはんMIX」はふりかけ的にそのまま使うことを想定して、クミンだけ乾煎りしてから混ぜています。

 

自宅で誰でも作れるミックススパイス6種+簡単な活用例

それではスパイスの組み合わせとその使い方をいくつかご紹介します。

スパイスは比較的手に入りやすいもので、組み合わせる種類も最小限にしました。
基本は市販のスパイスを合わせるだけ。ホールのものは、使用するときにスパイスミルで粗く挽くか、使う分を容器に入れてスプーンなどで押しつぶして使うと香りが立ちます。

BBQ-MIX

主にアメリカ方面のBBQスパイスのイメージです。これをまぶして肉や魚を焼くとBBQっぽくなります。

BBQ-MIX

<材料>(作りやすい量)

  • パプリカ(粉末)・・・小さじ2
  • ナツメグ(粉末)・・・小さじ1
  • カイエンペッパー※1(粉末)・・・小さじ1/2
  • 黒胡椒(粉末)・・・小さじ1/2

※1  粉末の赤唐辛子。量はお好みで加減してください。

 

<作り方>

  1. 材料を全て混ぜ合わせる。

 

アメリカ人が好きなオールスパイス(シナモン・クローブ・ナツメグの香りを併せ持っているとされる)を使うとより複雑な香りになりますが、ここではシンプルにナツメグのみとしました。

メインにしているパプリカは色づけの印象が強いのですが、同時に特有の香ばしさもあり、実はこれがBBQっぽさのベースになっています。

 

カイエンペッパーについて補足しておくと、「チリパウダー」という名称で売っているものはメキシコ風のミックススパイス(唐辛子のほかにオレガノ、クミンなどを配合)なので、インド料理では「間違えないように!」と言うのがお決まりなのですが、ここではそれもアリです。

 

BBQ-MIXを使って「殻付きエビのグリル」

BBQ-MIXを使って殻付きエビのグリル
 

<材料>(2人分)

  • 殻付きエビ・・・4尾
  • 上記BBQ-MIX  ・・・小さじ2
  • 塩・・・適量
  • オリーブオイル・・・小さじ2

 あれば

  • タイム(生、またはドライでも)・・・適量
  • オレガノ(生、またはドライでも)・・・適量
  • レモン・・・適量

 

<作り方>

  1. エビは背わたを取り、腹開きにして、BBQ-MIX、タイム、オレガノ(生なら刻む)、塩、オリーブオイルをまぶして袋に入れ冷蔵庫で30分置く。 
  2. 熱したフライパンで殻側から中火で焼く。その際にヘラなどで押し付けながら火を通す。殻がカリッと焼けたら裏返して身の方はさっと焼く。
  3. レモン、あれば生のタイム、オレガノを添える。

 

<+ハーブ>

BBQ-MIXだけでもおいしいが、タイムやオレガノなどのハーブを加えるとジャンバラヤなどのケイジャン料理的組み合わせに。

付け合わせにもこれらのハーブ類が合う。

 

<その他の使い方>

豚のスペアリブを同様に焼いても、もちろんおいしい。

 

【使ったもの】

ミックススパイス

「パプリカパウダー」を詳しく見る
「ナツメグ」を詳しく見る
「カイエンペッパー」を詳しく見る
「黒胡椒」を詳しく見る

活用例

「タイム」を詳しく見る
「オレガノ」を詳しく見る 

ラムMIX

中国の東北地方やウイグル方面などでポピュラーな羊串に使われる組み合わせです。

クミンと唐辛子がラムの風味によく合います。

ラムMIX

<材料>(作りやすい量)

  • クミンシード・・・大さじ1
  • 粗挽き赤唐辛子 ※2・・・大さじ1
  • 白ごま・・・大さじ1

※2 韓国産やスリランカ産など、香りがあってあまり辛くないものを使用。 辛いものを使う場合は量を加減する。

 

<作り方>

  1. 材料を全て混ぜ合わせる。

 

ラムMIXを使って「ラムチョップのスパイスグリル」 

ラムMIXを使ってラムチョップのスパイスグリル
 

<材料>(2人分)

  • ラムチョップ・・・4本
  • おろし玉ねぎ・・・大さじ4
  • 塩・・・小さじ1/2
  • ラムMIX・・・大さじ2
  • オリーブオイル・・・適量 

 

<付け合わせ:老虎菜(ラオフーツァイ)>

  • 香菜(パクチー、コリアンダー)・・・適量
  • ピーマン・・・適量
  • 青唐辛子・・・適量
  • 塩・・・適量
  • 酢・・・適量
  • 砂糖・・・適量 

 

<作り方>

  1. ラムはおろし玉ねぎをもんで冷蔵庫で30分~1時間、さらに常温で15分ほどおいて水気を拭き取り、両面に塩を振る。
  2. 熱したフライパンまたはグリルパンにオリーブオイルを引き、ミディアムレアに焼く。
  3. ほぼ焼けたところでラムMIXをたっぷりまぶし、さらに軽く焼く。同様に焼き網で焼いてもよい。

 

<+ハーブ>

香菜(パクチー)とピーマン、青唐辛子のサラダ「老虎菜(ラオフーツァイ)」を付け合わせに。こういう味付けの羊料理にはばっちり合う。香菜はざく切り、ピーマンは細切、青唐辛子は斜め小口切りにして混ぜ、調味料で和える。

 

<その他の使い方>

ラムMIXと言いながら、アジや秋刀魚などの青魚にまぶして焼いたり、フライパンで軽く乾煎りしてからサバ水煮缶にかけてもおいしい

 

【使ったもの】

ミックススパイス

「クミンシード」を詳しく見る
「赤唐辛子 粗挽き」を詳しく見る
「白ごま」を詳しく見る 

活用例

「ラムチョップ」を詳しく見る
「青唐辛子」を詳しく見る

麻辣MIX

すっかりメジャーになった中国四川省や台湾などで人気の、痺れて辛い組み合わせ。「シビ辛」「マー活」なんて言葉も話題になりました。

麻辣MIX

<材料>(作りやすい量)

  • 花椒(ホワジャオ)(ホール)・・・大さじ1
  • 粗挽き赤唐辛子 ※3・・・大さじ1
  • 乾燥生姜(粉末)・・・小さじ1/2

※3 唐辛子は好みによって辛いものと、韓国産などの香り高くあまり辛くないものを組み合わせて使ってもおいしい。

 

<作り方>

  1. 材料を全て混ぜ合わせる。

 

小さなお子さんがいる家庭では、麻婆豆腐を辛さ控えめで作っておいて、大人は各自これをかけるというのもありですね。

 

麻辣MIXを使って「麻辣もやし」

麻辣MIXを使って  麻辣もやし

<材料>(作りやすい量)

  • もやし・・・1/2袋
  • 塩・・・適量
  • ごま油・・・小さじ1
  • おろしにんにく・・・小さじ1/2
  • 麻辣MIX・・・小さじ1/2〜1

 

<作り方>

  1. もやしは耐熱容器に入れラップして500wレンジで1分加熱する。
  2. 水気を切り、塩、ごま油、おろしにんにく、粗めに潰した麻辣MIXを混ぜる。

 

<+ハーブ>

やはり香菜(パクチー)がおすすめ。

 

<その他の使い方>

麻婆豆腐や担々麺にかけてシビ辛ブーストは大定番。

塩味の焼きそばにかけたり鶏の唐揚げにまぶしたりも。上の麻辣もやし同様の味付けのたたききゅうりにまぶせば、あっという間に中華風つまみ、とさまざまに使える。ポテトチップスにかけてもイケる

 

【使ったもの】

ミックススパイス

「花椒」を詳しく見る
「赤唐辛子 粗挽き」を詳しく見る
「生姜 乾燥」を詳しく見る

 

和ごはんMIX

普段のおかずや食事に合うミックススパイスとは? と今回考えました。和食や白ごはんに合う組み合わせです。

和ごはんMIX

<材料>(作りやすい量)

  • 和山椒(ホール)・・・小さじ1
  • クミンシード(乾煎りしておく)・・・小さじ1
  • 粗挽き赤唐辛子 ※4・・・小さじ1/2
  • ゆかり・・・小さじ1

※4 韓国産やスリランカ産など香りがあってあまり辛くないものを使用

 

<作り方>

  1. フライパンにクミンシードを入れて中火にかけ、2分ほど香りが出るまで乾煎りする。
  2. 粗熱が取れたら他の材料と合わせる。

 

トルコや中東で愛されている、ウルシ科の植物の実を干したスパイス「スマック」。これなんと日本の「ゆかり」(赤しそふりかけ)とよく似た風味なのです

和山椒とクミンシード、というちょっと縁遠い2人を、どちらとも仲の良いスマックならぬゆかりに取り持ってもらう作戦、うまくいきました。

 

和ごはんMIXを使って「スパイスたまごかけごはん」

和ごはんMIXを使って  スパイスたまごかけごはん

<材料>(一人分)

  • ごはん・・・1膳
  • 生卵・・・1個
  • 和ごはんMIX・・・小さじ1〜大さじ1
  • 塩または醤油・・・適量

 

<作り方>

  1. 温かいごはんを茶碗によそい、生卵を割り入れる。粗めに潰した和ごはんMIXをふりかける(写真の倍くらいかけてもOK)
  2. 塩か醤油で好みの味にととのえる(どちらもおいしい)

 

<その他の使い方>

焼き魚や豚の生姜焼き、いわしや秋刀魚などの蒲焼き丼にかけても。七味やふりかけ的にいろいろ使える。

 

【使ったもの】

ミックススパイス

「和山椒」を詳しく見る
「クミンシード」を詳しく見る
「赤唐辛子 粗挽き」を詳しく見る
「ゆかり」を詳しく見る

 

スイーツMIX

肉の臭み取りにも使うカルダモン、お菓子にも使われています。ここではシンプルな組み合わせを。

スイーツMIX

<材料>(作りやすい量)

  • カルダモン(粉末)・・・小さじ1
  • シナモン(セイロンシナモン)(粉末)・・・小さじ1

 

<作り方>

  1. 材料を全て混ぜ合わせる。

 

スイーツMIXを使って「スパイスアイスクリーム」

スイーツMIXを使って  スパイスアイスクリーム

<材料>

  • アイスクリーム(プレーン、またはバニラ)・・・適量
  • スイーツMIX・・・適量

 

<作り方>

  1. アイスに適量のスイーツMIXをかける

ちなみに多すぎると薬っぽく感じるので加減した方がいいです。

 

<+ハーブ>

ミントの葉を添えると清涼感が増す。

 

【使ったもの】

ミックススパイス

「カルダモン」を詳しく見る
「シナモン パウダー」を詳しく見る

スパイスサワーMIX

僕が月イチでやっている「くせものやツジメシ」でお出ししていて、なかなか評判のお酒「スパイスサワー」に使っています。スパイスを乾煎りして焼酎に2~3日漬け込むだけで特製スパイス酒に。

スパイスサワーMIX

<材料>(焼酎1本分)

  • 八角(ホール)・・・1個
  • シナモンスティック・・・1本
  • 黒胡椒(ホール)・・・10粒
  • 赤唐辛子(ホール)・・・1本

 スパイス以外の材料

  • 焼酎(甲類)・・・1本(720ml)
  • はちみつ・・・大さじ1

 

<作り方>

  1. スパイスをフライパンで熱くなるまで乾煎りし(香り出しと殺菌のため)粗熱がとれたら焼酎の瓶に入れ、はちみつも加えて軽く振って混ぜる。
  2. 2日ほどで色と香りがつき、3カ月くらいまで、味わいがだんだんと変化してそれぞれにおいしい。

スパイスサワー

<+ハーブ>

レモンを絞り、パクチーをそえて。

 

<飲み方>

ロックでも、炭酸で割ってもおいしい。

 

ツジメシ特製スパイスサワー photo: nonoyo (@n0n0y0 

 

【使ったもの】

「八角」を詳しく見る
「シナモンスティック」を詳しく見る
「黒胡椒」を詳しく見る
「赤唐辛子」を詳しく見る
「甲類焼酎」を詳しく見る
「はちみつ」を詳しく見る

 

気づけば自宅には40種類以上……スパイス沼にハマった経緯

ここまでオリジナルのミックススパイスを紹介してきました。ここで、僕がスパイスを楽しむようになった経緯について紹介しておこうと思います。

 

以前から幅広く、手抜き日常食からパーティ料理までいろいろな料理を作っていました。それが数年前、ツイッターで拝見していた主に南インド料理に詳しい方々の影響をきっかけに、自分的「第2次カレーブーム」、いや「第1次スパイス料理ブーム」が勃発したのでした。

(ちなみに第1次カレーブームは20年くらい前。引っ越しするときスパイスの引き出しまるごと忘れてきてしまって、スパイスの瓶と共に当時のブームも消え去りました)

 

最初は詳しい方におすすめされたインド料理の本をしらみつぶしに読み込んで、全てのレシピを図解して違いを確認したり、一言一句正確にコピーしてみたり、タイムラインに流れるおいしそうなお店をチェックして食べに行ってみたり。

 

今ではすっかり新大久保のイスラム横丁に通うのが日常になり、冒頭でも紹介したとおり自宅のキッチンの戸棚には、細かく数えると40種類以上のスパイスやハーブ類、何種類もの豆や米や粉で占領される状態になっています(ちなみに麺を作ったりもするので、粉はさらにいろいろあってもう収納が無理です)。

 

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あ、今、聞きなれない単語がありましたでしょうか。東京・新大久保というと韓国関連の店が立ち並ぶ街というイメージが一般的ですよね。確かにそうなのですが、スパイス沼の住民にとっては、新大久保とはスパイスや食材を買いに行く街なのです。ハラル食材店が軒を連ねる一角、通称「イスラム横丁」では高級スーパーにもないレアなアジア系スパイスをかなり安く購入できます。

 

ところで最近、飲食専業でない人が既存のお店の定休日を使って営業する「間借り営業カレー店」が流行っているようです。僕も以前からときどき友人知人のお店を借りて飲食店の真似事をしていました。1年ほど前からは、各種内臓肉やラムやマトンや青魚や血合い、そしてスパイスやハーブを使った料理をコース仕立てでお出しする「くせものやツジメシ」というお店を毎月1回やっていて、スパイスの消費量もさらに増えています。

ツジメシ特製スパイスサワー photo: 宮沢豪 

 

最初のうちは本のレシピ通りに作ることしかできず、手探り状態で試していたのですが、やっているうちになんとなくスパイスの使い方、組み合わせの考え方が見えてきました。今回紹介したのも、そうやって身に付けたスパイス使いの応用編です。

 

スパイス沼は底なしである

世界各地にさまざまなスパイスやハーブがあり、ほぼその国でしか使われないものもありますが、多くのスパイスはたくさんの国で使われていて、少しずつ使い方や組み合わせが違います。組み合わせ次第で印象がずいぶん変わり、外国料理を食べたとき感じた独特の風味が、実は知っているスパイスの知らない組み合わせだった、ということもあります。

 

こうしてスパイスや各地の料理が気になりだすと、必然的に世界の地理や歴史にも興味が広がります。学生の頃はまったく興味がなかった地理や歴史を、食べ物をきっかけにいまごろ学んでいます。大人になってからインドの州の名前を壁に貼って覚えるなんて、高校生の僕は思いもよりませんでした。

 

そういう僕も、まだまだ知らないこと、分からないことだらけ。例によってツイッターを眺めていると「そういうのもあるのか」と思うことばかり。この沼はまだまだ先が見えません。

著者:辻村哲也

プロダクトデザイナー、ときどき料理人。 いろいろな製品のデザインをしたり、あちこちで料理をしたり。 食べたものそのほか食に間することはツイッターに、レシピはブログ「ツジメシ」に、作った料理の写真はインスタに。
本業サイト:https://www.t-products.jp
食関係のブログ:https://tsujimeshi.exblog.jp/
Twitter:@tsujimeshi Instagram:@tsujimeshi

 

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今回紹介した商品

〈ミックススパイス作りにあったほうがいい道具〉

【楽天市場】 コーヒーミル
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〈BBQ-MIXに使った材料〉

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【楽天市場】 カイエンペッパー
【楽天市場】 黒胡椒
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〈ラムMIXに使った材料〉

【楽天市場】 クミンシード
【楽天市場】 赤唐辛子 粗挽き
【楽天市場】 白ごま
【楽天市場】 ラムチョップ
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〈麻辣MIXに使った材料〉

【楽天市場】 花椒
【楽天市場】 赤唐辛子 粗挽き
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〈和ごはんMIXに使った材料〉

【楽天市場】 和山椒
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〈スイーツMIXに使った材料〉

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〈スパイスサワーに使った材料〉

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【楽天市場】 黒胡椒
【楽天市場】 赤唐辛子
【楽天市場】 甲類焼酎
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