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長時間座りっぱなしの仕事でも健康になりたい いろんな健康グッズを一カ月試してみた

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私の頭の中に、原始人が住んでいる。毛皮を腰に巻いている。石器を持って走りまわっている。ステレオタイプの原始人である。陽気にウホウホ言っている。これが脳内にいる。

そしてたまに、原始人目線で自分の生活を見ておどろく。あまりにも不自然だからだ。一日じゅう、椅子に座っている。獲物を追いかけたりしていない。肉はスーパーで入手する。石器のかわりにスマホを持っている。これが現代人の暮らしなのか。

私が文筆業であることも大きい。毎日ひたすらパソコンに向かっている。仕事の後は身体がコチコチになっている。なんという生活だと自分でも思う。人間の肉体そのものは、原始時代と大して変わっていないはずだ。そう考えると、そもそも人間の身体は長時間椅子に座ることに向いてないんじゃないか。

健康グッズを使ってみる

こうした問題を解消するため、世の中にはさまざまな健康グッズがある。座り仕事の負担を軽減させるための道具だ。われわれは原始人には戻れない。しかし健康的に仕事をしたい。そこでこの一カ月、さまざまなものを試してみた。以下はそのレポートである。

なお、この記事ではグッズを使ってみた第一印象と、一カ月後使い続けたあとの印象をそれぞれ記述する。こうしたグッズは、継続的に使うことができるかが重要だからだ。花火ではない。健康グッズは、花火ではないのだ

とくに私は、購入直後の興奮で満足してしまう癖がある。刹那の喜びに身を委ねちゃいけない。健康グッズは日常になじんでこそ意味がある。この基準を忘れないようにしよう。

試した商品は、以下の五つ。

  1. バランスボール
  2. MAMO
  3. 骨盤サポートチェア
  4. ノートパソコンスタンド
  5. ごるっち

まあ、名前だけだと具体的なイメージが湧かない商品もあるだろう。「ごるっち」なんか、字面だけ見ると健康グッズというよりは誰かのアダ名である。友達の友達にいそうだ。ごるっち。たぶん、ひょうきんもの。飲み会にいると盛り上がる。

それでは、まず初日の印象を書いていく。写真も載せるので安心してほしい。ごるっちの正体も判明する。

バランスボール

「座り仕事と健康」という話題になると、バランスボールは定番の印象だ。ストレッチやヨガの補助に使うものだが、これを仕事用の椅子として使う人もいるという。本当にバランスボールで仕事ができるのか

私が購入したのはタニタの直径65cmのもの。さっそく座ってみる。ちなみに私はバランスボール自体が初体験だ。おもしろい感触である。尻を沈めると反動がある。ぽよんぽよんする。しばらく楽しんだ。しかし不安にもなる。自分の尻を完全に委ねてもいいものか。とつぜん破裂したりはしないのか。初対面の球体に身も心も委ねるには、私も年を取り過ぎた。

しばらく座り続けるとすこし慣れてきた。そう簡単に破裂はしないようだ。そりゃそうか。そこで椅子のかわりにして、机に向かってみることにした。第一印象としては「落ち着かない」に尽きた。本当にこれで仕事ができるのか? とりあえず、もう少し使ってみる。

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MAMO

MAMO(マモ)はぬいぐるみタイプのクッションである。以下、カタカナでマモと表記しよう。これを腹と机のあいだにはさむと、姿勢が良くなるらしい

とりあえず素直に、腹にはさんで作業してみた。たしかに背筋が伸びる。なるほど、という感じだ。そのまま作業をはじめてみる。姿勢は維持されている。マモの頭をなでてみる。触り心地がなめらかだ。マモの頭を軽くつまんでみる。やわらかい。マモの腕をつかんでみる。小さな手だ。この子と生きていこう、という気持ちになってくる。健康グッズに対して抱く感情じゃない。

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骨盤サポートチェア

今回のグッズの中では、いちばん高額のもの。写真のように椅子に置いて使用する。自然と美しい姿勢になるのだという。

座ってみると、たしかに姿勢がよくなる。まさに「矯正」という感じである。ふだんの私は猫背なんだが、これを使うと「正しく美しい姿勢」になった印象がある

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ノートパソコンスタンド

これは特殊な理由で購入した。

私は前々から「スタンディングデスク」というものが気になっていた。椅子を使わず、立ったまま仕事するための机である。通常の机よりも高く設計されている。しかし、スタンディングデスクは値が張るし、スペースも取る。合わなかった場合の処分も面倒だ。購入には勇気がいる。

そこで、疑似的にスタンディングデスクを再現するために、この商品を買ってみたのである。これを机に置くと、ちょうど立ってパソコンを使うのに適した高さになるからだ。

さっそく、立ったままパソコンに向かってみた。立って文章を書くのは生まれてはじめてだ。なかなか面白い。たしかに、意識のありかたが変わるかもしれない。

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ごるっち

ごるっちの正体は、足元に置くゴルフボールだ。仕事中、これに足の裏をのせて、ゴロゴロと動かす。すると足裏のマッサージになるとのことだ。やってみると、たしかに気持ちいい。そして楽しい。

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さて、以上が、それぞれの商品の第一印象である。その後、日常的に使ってみた。ここからが本番だ。一カ月後の印象を報告したい。


~そして一カ月後~

バランスボール

最初は慣れなかったが、たしかにこれは慣れてくると腰が楽だ。もっとも、さすがに普通の椅子の代わりにはならなかった。サブの椅子として使っている。普通の椅子で尻が痛くなってきたときに使うという感じ。

あと、使っていて気づいたのだが、バランスボールで作業中の私は、ものすごくセクシーである。ボールの上で腰を前後にグラインドさせると気持ちがよく、無意識にこれをしてしまうんだが、客観的に見れば、なまめかしい。こんなものは動物の求愛じゃないか。私は自宅なので問題ないが、職場の人はむずかしいかもしれない。セクシャルな動きをしながら仕事をする上司を尊敬できるか。

マモ

マモは生活になじんだ。常に使っているわけではない。気が向いたときに腹と机のあいだに入れる。マモの頭にひじを置いて考え事をしたりする。

あと、なんとなく机の上に置いてみたりもしている。もはや本来の用途とは一切関係がなく、ぬいぐるみとして使う感じだ。

パソコンの向こうにマモがいる。圧迫感があって面白かった。原稿を書きながら、これを編集者だと思うと興奮してくる。締め切りを過ぎている時はなおさらだ。はやくしないとヤラれる、という切迫感が生まれる。

しかしまあ、この商品が面白いのは、健康グッズとして使えなくてもよい点だろう。これは逆転の発想だ。キャラクターにしてしまえばよかったのか。

健康グッズ全般にいえる問題だが、自分に合わなかった場合、ただただ場所を取るだけの存在になってしまう。私は昔、ほこりまみれのダンベルをずっと部屋に放置していた。たまに足の小指をぶつけて、虚空にマジギレしていた。健康グッズは常にこの問題と隣り合わせなのだ。

しかしこの子は、すでに私はこの子と呼んでしまっているが、マモは健康グッズうんぬんの前に、かわいい。健康グッズとして使わない場合は、愛せばいい。健康と愛玩の二刀流である。この発想に感心した。私はすでにマモを愛してしまっている。

もっとも、日常的に使っているうちに、マモの扱いが雑にはなっていったのも事実だ。一度、トイレに行きたくなって椅子から立ったとき、腹にはさんでいたマモを無意識に放り投げたことがあった。マモはうつぶせで床に落ちた。その姿は切なかった。ごめんよマモ、愛が尿意に負けた。

骨盤サポートチェア

結局、日常使いはしないと結論付けたんだが、いろいろと考えるきっかけになった。「書くこと」と「よい姿勢」の関係である。

「文章を書く」と一口に言っても、実際はいろいろな状態がある。集中して文章をガーッと書いていることもあれば、書いたものを読み返して直していることもある。画面を見たまま、ボーッとしていることもある。そして、私の場合なんだが、集中の度合に応じて姿勢が変わっていると気づいた。集中するほど前傾姿勢になる。要するに、姿勢が悪くなるのである。これは発見だった。

極度に集中して書いている時は、オフィスチェアの上にあぐらをかいて、ディスプレイの至近距離に顔を近づけ、食い入るように画面を見つめながら、高速でキーを叩いている。原稿用紙に文字を書く時のような極端な前傾姿勢だと言っていい。そしてどうも、この姿勢じゃないと集中できない。

骨盤サポートチェアを使うと、背筋が伸びて、姿勢が美しくなる。この状態でも普通の作業はできるのだが、ダーッと文章を書く状態には入れない

ちなみに、バランスボールを常用できないと感じたのも同じ理由である。私は、集中する時は硬いものに腰を置いて安定させたい。このあたり、日本語が面白いと思うんだが、「本腰を入れて」作業したい時は普通の椅子に座りたくなる。「腰を据える」という表現もある。そして、リラックスしながら作業するときはバランスボールに切り替える。バランスボールをサブとして使うというのは、そういう意味である。

ノートパソコンスタンド

上記の理由で、立って書くことにも馴染まなかった。ただ、実感したのは、ずっと座っていると意味もなく行き詰まっていくことがあるんだということだ。たとえば一時間、椅子に座ってウーンとうなっていて、文章がまったく進まない状態。これは無駄なんだと分かった。立って書く場合、この行き詰まりは発生しない

バランスボールをサブの椅子としたように、スタンディングデスクをサブの机として用意するのはいいかもしれないと考えている。もっとも、現在の私は部屋がせまいので無理なんですけど。

ごるっち

最後に、ゴルフボールのごるっち。これは第一印象のままで、とくに変化がない。あいかわらず机の下に置いている。存在を忘れている時は完全に忘れているが、ふと思い出して、足裏でゴロゴロやる。すると気持ちいい。安価だし、サイズも小さいし、とりあえず気楽に買ってみてもいいかもしれない。べつに毎日使わなくても気にならないのがよい。このあたり、まさに「ごるっち」という名称がふさわしい。

めちゃくちゃな私見ではあるが、ごるっちというアダ名のやつとは、適度な距離で付き合うのがいちばん楽しいに決まっているのだ。お調子者との関係は距離感がすべて。飲み会に明石家さんまがいることと、自宅に明石家さんまがいることの違い、とでも表現すればいいだろうか。なんだか、健康グッズと何の関係もない話になってきたが。

なお、靴下を履いていると、ごるっちの良さは半減すると気づいた。素足でゴロゴロやるのがベストだと思う。

まとめ

以上、五つの商品を使ってみた。バランスボールはさらにいろいろと試したいと考えている。マモはぬいぐるみとして付き合うが、たまに腹にもはさむ。骨盤サポートチェアとノートパソコンスタンドは、いろいろと考えるきっかけになったが、私は日常使いはしない。そしてごるっちとは、今後も友達の友達くらいの距離感で付き合っていきたい。

ちなみに現在、骨盤サポートチェアは、マモの定位置として第二の人生を送っている。当たり前のようにマモが座っている。そして私は猫背のまま文章を書いている。

マモの姿勢を良くしてどうする。

著者:上田啓太 (id:premier_amour)

上田啓太

文筆業。ブログ「真顔日記」を中心に、ネットのあちこちで活動中。

ブログ:真顔日記 Twitter:@ueda_keita

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