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3,500種類以上を食べてきた納豆好きが選ぶ、取り寄せてでも食べたい納豆10選

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取り寄せてでも食べたい納豆10選

はじめまして。全国の納豆を食べ比べ、そのデータを「納豆WIKI」というサイトにまとめている石井泰二です。このサイトを開設して早14年がたとうとしています。

全国の納豆に関するデータをまとめた「納豆WIKI」
「納豆WIKI」ではこれまで食べてきた全国の納豆に関するデータをまとめています

皆さん、納豆ってどれもだいたい同じだと思っていませんか?

それはきっと、いつものスーパーに並んでいる納豆を食べているから。でも、日本には全国各地で個性豊かな納豆を作っている方がたくさんいて、まだまだ知らない納豆の世界があります。

そんな作り手の思いがいっぱい詰まった納豆を食べると、もっと暮らしが楽しくなるはず。そう思ってぼくは納豆を食べています。

今日は納豆の魅力をお伝えしたく、これまで食べてきた中から「取り寄せてでも一度は食べてほしい納豆」を紹介します。

納豆活動を始めたきっかけは、とある町の納豆屋さんだった

その前に、ぼくと納豆の話を。ぼくが納豆の魅力に気付いたのは2000年代の前半の頃で、きっかけは新宿からほど近い初台に引っ越したこと。この町には昔ながらのお肉屋さんとか八百屋さんとかが並ぶ小さな商店街があり、そこで地元の納豆が売られていたのでした。しかも、それが実においしい。

“今まで食べていた納豆はなんだったんだろう? そうか、納豆って作る人が違えば味が違うんだ。よし、いろいろな納豆を食べてみなくちゃ!”

そうして、ぼくの納豆活動が始まりました。

各県のアンテナショップに行っては探す。デパート催事の情報を集め、出店中の納豆屋さんにお話を伺いに行く。旅行や出張の際は各地のスーパーを訪問する……。

宮城県、川口納豆の社長と私
宮城県、川口納豆の社長(左)と私(右)
大阪府、山口食品の社員の方と私
大阪府、山口食品の社員の方(右)と私(左)

そうやって少しずつ活動範囲を広げていったある日のこと。ぼくの納豆活動の原点となった初台の納豆屋さんが廃業すると風の噂に聞き、なんとも残念な思いに駆られて無謀にも作業場へ伺ってしまったのです。

初台の納豆屋さん
初台の納豆屋さん

製造作業が終わる14時くらいに伺い、夢中でお話を聞いて終わったのはもう夕暮れ刻のこと。そのインタビュー記事をブログに掲載したことで、ぼくの納豆活動はさらにステージアップすることになるのだが、それはまた別の話。

そうこうして、いまや納豆の掛け紙を整理したファイルは63冊、サイト「納豆WIKI」は3,000ページになろうとしています。

納豆の掛け紙を整理したファイル
納豆の掛け紙を整理したファイル

ひとくちに納豆と言っても、豆の種類、豆の粒の大きさ、香り、糸引きの具合……など、それぞれ個性があります。これらを追求しだすと納豆の奥深さに触れられて、また納豆の世界にハマっていくのです。

納豆WIKIでは1つ1つの納豆を細かくレビュー
納豆WIKIでは1つ1つの納豆を細かくレビュー

それではおすすめの納豆を紹介していきましょう。

まずは王道。小粒、大粒、ひきわり、おすすめ納豆3種

納豆の特徴の1つといえば「豆粒の大きさ」です。大きく分けるなら小粒と大粒の2つ。納豆好きの間でも小粒派と大粒派で好みが分かれるようですが、一般的にたくさん売られているのは小粒の方です。

しかし、昔の東京の納豆は大粒が主流で、北海道産の鶴の子大豆や秋田大豆といった大粒の大豆が使われていたそうです。そうそう、初台の納豆屋さんも「おれが子供の頃は小粒なんかなかったよ」と仰っていました。

じゃあ、小粒っていつ頃出てきたんだろう? 実はこんな言葉が残っています。

“一番美味いのは、仙台、水戸などの小粒の納豆である”

これは納豆を400回かき混ぜて食べたとして知られる北大路魯山人が昭和7年に書き起こした文章です。小粒納豆というものが徐々に知られ始めた頃で、戦前であったことを考えると取り寄せてまでも食べたいおいしい納豆だったことが分かります。

しかも、筆頭で紹介されているのは仙台の納豆。じゃあ、魯山人が絶賛した仙台の小粒納豆を食べてみたくないですか?

1.仙台の小粒納豆といえば宮城野納豆製造所「宮城野納豆」

宮城野納豆製造所「宮城野納豆」
  • 香り:爽やかな香りの中に、ほんのりと甘みを感じる
  • 豆:長径9~10mmほど。柔らかく、しっとりした食感
  • 食味:なめらかな煮豆で、じわりと豆の風味を感じる


クラシックな掛け紙ですが、実は100年前とほとんど変わらない意匠なんです。素敵な納豆屋さんですよね……。そして、実はこちらのメーカーこそ近代納豆の製造法を確立した会社で、皆さんがスーパーなどで量産された納豆を買えるようになったのは、このメーカーのおかげなんです。

さらにです、この会社は納豆菌の製造もしていて、全国の納豆屋さんに菌を供給しています。ってことは、ここの納豆は食べたことがなくても、ここの納豆菌を使った納豆は食べていると思います。

納豆好きなら、もう足を向けて寝ることができない納豆の1つです。

宮城野納豆製造所|納豆・納豆菌・となりのえんがわ


さて、先ほどの魯山人の言葉には続きがあります。

神田で有名な大粒の納豆も美味い”

神田においしい大粒納豆があったとのこと。いや、今でもあるんですよ。例えば神田明神の境内にある天野屋さんや、もう少し奥にある三河屋綾部商店さん。昔ながらの鶴の子大豆や秋田大豆を使った納豆を売っています。

あと、新橋にある新橋玉木屋さんも、冬しか売らない大粒納豆が置いてあります。いいですね、この納豆たち。江戸の雰囲気が端々に残る小粋な風情がたまりません。

新橋玉木屋の冬限定で販売される藁納豆
新橋玉木屋の冬限定で販売される藁納豆

さあ、大粒納豆にも興味が湧いてきたんじゃないですか? そんな大粒納豆で、今回特におすすめしたいのがこちら。

2.強力な糸引きが特徴の大粒納豆。かくた武田「青森納豆」

かくた武田「青森納豆」
  • 香り:大豆の甘い香りがじわりと広がる
  • 豆:長径13mmほど。ほどよい固さでもっちり
  • 食味:しっかりした豆の味に、うま味たっぷりの発酵味が漂う。バランスのいい力強い納豆


納豆の特長を表す表現の1つに「箸が折れる」という言葉があります。これは糸引きが強く、割り箸が折れほどに混ぜるのが大変な場合に用いられます。

ここの納豆がまさにそれで、糸引きが強く粘りがしっかりで、濃厚なうま味も特長の1つ。力強い納豆という形容詞が本当に似合います。

明治37年創業の老舗の味わいを、箸が折れないよう気を付けてお楽しみください。

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さて、「納豆ってまだ種類があるんじゃないの?」そう思った方もいらっしゃいますよね。そう、ひきわり納豆を忘れていませんか、と。

実はこのひきわり納豆が全国区になったのは近年のこと。それまでは、北東北のごく一部で食べられていた特殊な納豆だったんです。

それが証拠に、ひきわり納豆といえば、秋田のヤマダフーズさんが業務用を含めるとほぼ独占状態。そうなんです、秋田県北部から青森県の奥津軽のあたりにかけての地域がひきわり納豆の発祥の地なんだそうです。

そういえば、太宰治はこのひきわり納豆が大好きで、実家がある青森県の金木町(かなぎまち、現・五所川原市)から東京へ取り寄せていたそうです。そんなひきわり納豆でおすすなのがこちら。

3.ひきわり納豆ならではの濃厚な味わいを楽しめる、あきた花舘納豆「ひきわり納豆」

あきた花舘納豆「ひきわり納豆」
  • 香り:納豆臭がしっかりと漂う
  • 豆:長径3~7mmほど。不規則な形に割られた柔らかな煮豆。舌ざわりにややザラつきを覚える
  • 食味:しっかりした豆の風味に、うま味たっぷりの発酵味。手作り感あふれる素朴にして作りしっかりの納豆


ほとんどの納豆屋さんは、あらかじめ加工されたひきわり豆を大豆の卸売りから購入してるのですが、ここは違います。秋田県産のリュウホウ大豆を自社工場でひきわって、すぐに蒸し煮するといいいますから、これはもう豆のフレッシュさが違います。

さらに経木(きょうぎ)の容器に手盛りで豆を詰めるという手間をかけていて、これの何がいいかっていうと、手盛りだと豆と豆の間にいい感じで空気が入ってふわっと仕上がるんです。ひきわり納豆発祥の地ならではの素朴かつ本物の味わいをお試しください。

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豆の種類にもいろいろある。変わった大豆を使った納豆3種

今度は納豆のラベルをひっくり返してみましょうか。原材料の欄を見ると「大豆(国産)」「納豆菌」なんて書かれているはず。すごいですよね、原材料がこの2つしかないって。そういう意味では、本当にシンプルな食品なんだと思います。

そんなわけで、この原材料である大豆をいろいろと楽しんでみようというのが次の提案です。

普段、皆さんが見かける大豆の多くは、黄大豆と言われるものです。味噌も醤油も豆腐も納豆も、ほとんどが黄大豆で作られていますが、納豆はもう少しラフというか自由な感じ。

黄大豆の他にも、青大豆、黒大豆、赤大豆、茶大豆があり、これらで作ると大豆の味がいろいろと楽しめて、実はこれがおいしかったりするのです。

ほら、だんだん食べてみたくなってきませんか?

4.甘みが強く香り高い青大豆を使った納豆なら、扇田食品「塩で食べる納豆」

扇田食品「塩で食べる納豆」
  • 香り:芳ばしい青大豆の香り
  • 豆:長径18~19mmほど。極大粒で柔らかく、しっとりした食感
  • 食味:甘みしっかりの煮豆に、うま味しっかりの発酵味。口の中で溶けるかのような食感と、ふわりと広がる青大豆ならではの香味がすばらしい


こちらは、東北地方で愛されている青大豆の一種である秘伝豆を使った納豆。長径18~19mmほどというかなり大きな大豆を使い、それを煮豆に仕上げた納豆です。

醤油なんかで食べるのは言語道断、ほんの少しの塩で食べると豆の甘みが引き立ちます。ご飯に合わせるもよし、おつまみにするもよし。


青大豆は秘伝の他にも、音更大袖振(おとふけおおそでふり)、大袖振、さといらず、みどりまめなどがあります。どれもおいしいですし、値段も黒大豆と比べればかなりリーズナブルです。

かたや黒大豆といえば、光黒、いわいくろ、黒千石、丹波黒などが納豆に使われていますが、一番単価の高い丹波黒にどうしたって関心が集まります。濃厚な豆のうまみ、ねっとりとした食感。黒大豆界の王様の気配が漂います。そんなひと品がこちら。

5.日本一高い丹波黒を使った二代目福治郎「丹波黒」

二代目福治郎「丹波黒」
  • 香り:最初はあっさりとした香りが漂うが、かき混ぜるほどに黒大豆ならではの甘く濃厚な香りに変わる
  • 豆:長径18~19mmほど。極大粒で柔らかく、しっとりした食感
  • 食味:豆本来の甘みをしっかりと感じられる。ただし、後味はすっきり。豆が持つ力の高さがはんぱなく、1粒1粒食べるのがうまい


高級納豆で知られる二代目福治郎さんですが、この商品は突き抜けて高価格なので、さすがの私も買うときはちょっとビビりました。作っている方も最初は売れるか怖かったそうです。

豆のサンプルの取り寄せから有料で、試作品を作るだけでもかなりの投資。ようやく完成して日本橋タカシマヤの催事でデビューしたものの、この値段で買う人がいるんだろうかって不安で不安で仕方がなかったと仰っていました。

でも、味には自信があったから、今こうして納豆愛好家から愛されています。納豆好きなら一度は試してみないといけない納豆だと思いますよ。

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青大豆、黒大豆を使った納豆を紹介していきましたが、ミックス納豆というジャンルもあります。これはもう見ただけで楽しい納豆じゃないかなと、私なんかは思います。

しかも、異種の大豆を混ぜると、なぜかうま味が倍加して感じられるのが不思議です。さらに「黄大豆+黒大豆」とか「青大豆+赤大豆」とか、豆の色にコントラストがあるとちょっとフォトジェニックですね。

しかもこれらを作るのは、いずれも腕自慢のメーカーばかり。そんな中、「ここまでやるか!」という驚きのミックス納豆が2011年に登場しました。納豆好きの心を揺さぶったのはまだまだ記憶に新しいところです。

6.7種の豆をミックスした美麗なる納豆、710TV「カラフル納豆」

710TV「カラフル納豆」
  • 香り:7種の豆の香りが混ざり、甘く、どこか懐かしさを感じさせる香りが漂う
  • 大福豆:長径25mほどでちょうどいい固さ、食感はしっとり
  • うづら豆:長径20mmほどで固め、食感はもっさり
  • 黒大豆:長径15mmほどで柔らかく、食感はもっちり
  • 青大豆:長径17mmほどで柔らかく、食感はもっちり
  • 赤大豆:長径15mmほどで固め、食感はしっかり
  • 黄大豆:長径13mmほどで柔らかく、食感はしっとり
  • えんどう豆:長径12~15mmほどで固め、食感はしっかり
  • 食味:それぞれの豆の味、食感、大きさの違いが絶妙なハーモニーを生み出す。まとめて食べるのもいいが、不思議なことに1粒1粒食べるのもうまい


大阪在住のクリエイティブ集団「710TV」の方々が、3.11をきっかけに東北のために何かできないかと開発した納豆です。

売上金の一部を福島に寄付したり、大阪のグルメタウン福島でこの納豆を使って納豆バルをやったり、とにかく登場した時のインパクトがハンパありませんでした。その翌年、わざわざ710TVのメンバーに会いに大阪へ行ったもんなぁ。

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ひと味違う? こんなこだわりを持った納豆4種

巷には付属のタレを替えただけの新商品というものが意外にたくさん売られています。納豆って伝統的な食べ物で、ある意味完成した食品なのでしょう。新機軸を出すのは難しいのかもしれません。

しかし、まだまだ世の中にはこだわり抜いて1つの商品を生み出している方もたくさんいらっしゃいます。そんな中から、今私が気になってる納豆屋さんを選んでみました。

7.まるで煮豆? 独特の食感を味わえる覚林坊「あけぼの大豆なっとう」

覚林坊「あけぼの大豆なっとう」
  • 香り:煮豆のごとくして、ほんのり甘い
  • 豆:長径22~23mm。超極大粒で柔らかく、しっとりとした食感
  • 食味:優しい甘み広がる煮豆のようで、後味はあっさり


何年か前のこと、バス旅行で山梨県をめぐったことがあります。路線バスを使うと、思いもかけない風景とめぐり合うことができて楽しかった記憶がよみがえります。その1つに大豆との出会いもありました。

それがこの、あけぼの大豆。あまり世の中に知られていない豆ですが、日本最大級の大きさを誇る大豆で、山梨県身延町(みのぶちょう)の特産品。地元では枝豆用の品種として愛されていて、豆の甘みといい大きさといい、これはすごい大豆だなと。

そして、この大豆を納豆にしたのが、地元身延町で550年の歴史を誇る宿坊・覚林坊さんです。身延町といえば湯葉料理で有名ですが、こちらではそれに加えて、あけぼの大豆の納豆を数年前から提供されているのだとか。

しかし、この納豆面白いですよ。納豆というよりも、納豆菌で醸した優しい煮豆のような趣きがあります。糸引きは弱いですが、和食の膳には確かにこちらの方が似合いそうです。そのまま食べるだけでなく、お出汁と混ぜておつまみとして仕上げるのもいいかもしれません。

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8.十勝産の大豆にとことんこだわる、やまぐち醗酵食品「北部納豆」

やまぐち醗酵食品「北部納豆」
  • 香り:混ぜるほどに大豆の香りがしっかりと漂う
  • 豆:中粒で柔らかく、もっちり
  • 食味:秋田大豆ならではのパンチの効いた味わいが広がる
十勝産大豆を原料としない納豆は納豆とは認めないことを信条として五十年間納豆造り一筋に精進して参りました”

いきなりどうしたんだ、とびっくりしました? いや、そう書いてあるんです、掛紙の横のところに。しかし十勝産以外のものは納豆とは認めないって、どういうこと……? それにです、できれば地元本別町の豆が望ましいんだそうで、並々ならぬこだわりを感じます。

代々木公園で毎年開催される北海道フェアには、東京道民な人たち(もちろん現役の道民もいらしています)が町ごとに出店するコーナーがあって、もちろん本別町ブースもあります。で、年に一度だけここで山口納豆を買えるのですが、町ゆかりの人たちの地元産大豆への愛、山口納豆への信頼というものが端々に感じられるのです。

そんな本別町の人たちの思いがこの中に詰まってるのかと思うと、私なんかはもうたまらないです……。

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9.日本各地の在来大豆(地域固有の大豆品種)に込めた思いが熱い。大豆カンパニー「雪化粧」

宮城野納豆
  • 香り:大豆の香りがしっかりと。そして、ほんのり甘みを感じる香りが漂う
  • 豆:長径15~18mmほど。極大粒で柔らかく、もっちり
  • 食味:ふわりと甘みが漂う。ほんのりと苦味もあるが、豆の力強さにただただ圧倒される


社長が大豆オタクという大豆カンパニーさん。今までも生産者と熱い思いを共有しながら在来大豆の納豆を作ったり、全国の豆腐屋さんに国産の良き大豆を供給したりされてきたのですが、日本各地の全ての在来大豆で納豆を作りたいということでマイクロファンドを公募。

その頃でしょうか。この社長のブログを見ていたら「すごい豆を見つけてしまった。名前がないらしいので雪化粧と名付けた」と書かれていて、その翌年に出てきた納豆がこの「雪化粧」でした。

初めて食べるこちらも、豆のポテンシャルの高さと丁寧な製造に思わずテンションが上がってしまったことを覚えています。酒によし、ワインによし、ご飯によし、天ぷらにするもよし……! いろいろな食べ方が楽しめます。

大豆問屋|大豆商品【大豆カンパニー】


10.この設備と、この作り手でなければこの味は出せない。納豆工房「豆むすめ」

納豆工房豆むすめ「豆むすめ」
  • 香り:爽やかな香りの中にほんのり甘みを感じる
  • 豆:長径12mmほど。中粒で柔らかく、しっとりとした食感
  • 食味:あっさりとした豆の味、そして、ふわりとうま味が香る優しい味わい


設備が老朽化し、保健所からの指導で廃業せざるを得ない納豆屋さんがありました。しかし、ここでしか出せない味がある……。

そこで以前よりこの納豆屋さんに納豆製造を委託していた事業者が、製造設備を新造し、廃業されたご夫婦を雇い入れ、その技を次代に継承しようと取り組んで生まれたのがこの納豆です。

どうやらその絶品の味わいを皆さん忘れられなかったようです。

もともと作っていたのは新庄駅前の丸亀八百清商店というお店。顔の見える農家さんが無農薬で栽培した大豆を、大谷石の石室でじっくりゆっくり丁寧に醸した納豆ですから、おいしくないわけがありません。山形の心優しい人たちが寄り集まって復活させた納豆をぜひお試しください。

ホーム|納豆工房 豆むすめ

これだけ食べているなら、もうほとんど食べ尽くしてるんじゃないの? と、よく尋ねられますが、そんなことはありません。まだ、半分もいってないんじゃないでしょうか。

例えば、山口県とか佐賀県と沖縄とかで作られた納豆は、まだ食べたことがないです。沖縄なんて納豆メーカーが3社もあるんですよ。それに広大な原野が広がる北海道にはまだまだ未食の納豆があります。

さらに、近年は意欲的な生産者が納豆の開発に取り組んだり、在来大豆で地域興しをしたり、なんて動きもあって目が離せません。

海外に目を向けると、空前の納豆ブームを迎えた中国や、バンコクで電子部品の製造をしていた日本人の方がおいしい納豆を食べたいがために納豆製造に乗り出し、東南アジアを中心に評判となっている「社長さんの納豆」、そして腸内フローラへの意識の高まりからじわりじわりと現地生産が増えてきた北米など、納豆シーンの拡大はとどまることがありません。

(左)中国で人気の「希世奇菌」 (右)バンコク発の「社長さんの納豆」
(左)中国で人気の「希世奇菌」。日系企業に加え燕京ビールなどの現地メーカーによる納豆の生産が増えている。(右)バンコク発の「社長さんの納豆」はマレーシア、台湾に広がりを見せる

食べなきゃいけない納豆は無限にあるような気がしています。私の納豆を探す旅はまだまだ続きそうです。

著者:石井泰二

石井泰二

大手ディスプレー企業に務めるかたわら、納豆活動を続けること14年。プロの方々からも非公式に取材の許可をいただいて、全国のスーパーやデパートの納豆棚をのぞき、勝手に納豆屋さんの仕事場に押しかけ話を聞き出す日々を過ごす。納豆棚の前で写真を撮ったりメモをとっている怪しいオヤジがいたら、それは私です。

サイト:納豆WIKI

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