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チタンクッカーを使って職場で贅沢ごはん。昼休憩とは楽しむことと見つけたり

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こんにちは、スラム尼崎と申します。アウトドア製品を使ったごはんの紹介が中心の「色々」というブログをやらせてもらっています。

みなさんは日々の休憩時間をどのような形で楽しまれているだろうか。休憩時間といえば、おそらく多くの方が昼休憩を思い浮かべるだろう。社会人、学生問わず、誰もが待ち望むうれしい時間だ。「昼ごはん」という愛すべき存在が、私たちに究極の癒しを与えてくれるのだから。

コンビニ弁当やカップ麺といった食事でも、昼休憩という魔法のスパイスが加われば、その味は格別なものとなる。手作り弁当であればなおさらだ。

もちろん気の合う仲間とにぎやかに過ごすのも楽しい。しかし、昼休憩の最大の楽しみといえば、やはり「昼ごはん」ではないだろうか


そこで今回は、私の昼休憩において最大の楽しみである「昼ごはん」を紹介しよう。要となるのは「チタンクッカー」というアウトドア用の小型鍋だ。昨年秋に偶然手に入れたのだが、これが私のたるみにたるんだ昼休憩に、革命的とも言えるほどの大変化をもたらした。

今回は、きれいな状態で撮影したかったため、新品を購入した。
https://hb.afl.rakuten.co.jp/hgc/2fc72398.58aefc49.2fc72399.c12cb078/?pc=https%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Fauc-odyamakei%2F1003524%2F%3Fhb.afl.rakuten.co.jp

丁寧な梱包が本当にうれしい。最近、物を買わない「ミニマリスト」なる生活スタイルが各方面で紹介されているが、私はその真逆を突き進む物欲の塊「マキシマリスト」である。このように丁寧な梱包で届くと、製品の箱を開ける前から、物を買う喜び、物を使う喜びをマックスに感じとれて幸せな気分になる。

さて、このチタンクッカー、本当にいい品物なのである。

給料泥棒、サボり奉行と呼ばれる私も、このアイテムを手にしたとなれば話は別だ。有り余る力、その全てを昼休憩に注いでやろうではないか。

弁当男子に代わる、次なるブームの先駆けとなるか!? なんていうバカバカしい夢を見つつ、慣れない手つきで料理に挑む私の昼休憩を、とくとご覧いただこう。

安・近・短!? 豪華な焼き肉どんぶり

正午のチャイムが鳴り、昼休憩に入ると、私の職場のデスクは「厨房」へと様変わりする。今回の材料はこちら。

この日購入した肉は7枚入りの豪州産で、お値段なんと317円。国産の半値くらいだろうか。TPPが始まると、さらに安く入手できるというから驚きだ。


まずは炊飯。出社してすぐに水に浸けておいた。米は最低でも30分は浸水させておきたい。

チタンクッカーで炊飯する場合、通常だと熱伝導を助ける網や板をクッカーの下に敷いたり、メシ袋を使う方法がある。しかし、そのようなことをしなくても、中火から始めて、湯気が出はじめたら弱火で7分。その後、火から下ろして10分蒸らすと、普通に炊ける。

あくまでも私流の方法だが、チタンクッカーでの炊飯が上手くいかない方は、ぜひ自分なりの炊き加減を追求してみてはいかがだろうか。

米が炊けるまでの時間を利用して、肉のタレを作る。貴重な休憩時間だ。1秒たりとも無駄にはできない。

まずはニンニクと生姜をすり下ろす。

それに醤油、ハチミツ、豆板醤(トウバンジャン)、甜麺醤(テンメンジャン)、ごま油を加えてタレの完成。このタレを肉にかけて味を染み込ませておく。

そうこうしている間に米の加熱が終了。クッカーを逆さまにして蒸らしに入る。

バーナーが空いたので、次は肉を調理する。クッカーの蓋はフライパンとしても使える便利仕様なのだ。

1回で全てを焼けなかったので、2回に分けて焼いた。随分焦げているように見えるが、全く問題ない。むしろこの焦げが肉の香ばしさをより一層引き立ててくれる。

肉を全て焼き終え、時刻は12時26分。撮影などが入ったので今回は少々手間取ってしまった。

火から下ろして10分以上経った米だが、まだ熱々の状態を保っている。チタンクッカーは熱伝導率が悪いのだが、言い方を変えれば、これは保温性があるということだ。あくまでも個人的な感想だが、アルミクッカーよりチタンの方が炊飯に向いていると感じる。

米に残ったタレを染み込ませ

肉を乗せたら「焼き肉どんぶり」の完成。いただきます!

私はこのようにして、毎日できたての昼ごはんを楽しんでいるというわけだ。自炊することで食費も抑えることができるし、何といっても自分好みの味付けがとにかく旨い。「安・近・短」というよりは「安・近・旨」というところか。

これが俺流! チタンクッカー攻略法

さて、アウトドアの経験が少しでもある方の中には、この記事に疑問を感じる方もいらっしゃるだろう。どういうことかというと、「米を炊き、肉を焼く」という行為が、チタンクッカーにおいては不向きな調理だと言われているからだ。

チタンは、一般的なクッカーに使用されているアルミやステンレスといった素材に比べて焦げつきやすく、焼き調理には向いてないとされている。

焦げつきの原因は「熱伝導率」にある。チタンはアルミなどの素材と違い、熱伝導率が低い。つまりコンロから出る炎の熱が、鍋全体に伝わりにくいのだ。伝わらない熱は1箇所にとどまり続けるので、そこだけがどんどん熱くなって、異常なほどに焦げつく原因となってしまう。

上の写真を見ていただければ分かりやすいだろう。中央周辺にある3つの青い模様が炎の当たった場所なのだが、そこだけが異常な高温になって変色している。たった一度取り扱いを誤っただけでこれだ。


焦げるなら、弱火で加熱すればいいのでは?

そう思った方もいらっしゃるだろう。しかし、ただでさえ熱が伝わりにくいので、弱火では食材を軽く温めるだけにとどまり、もはや加熱調理とは言えない残念な結果となる。強火でもダメ、弱火でもダメ。「チタンクッカーは湯沸かし程度の使い道しかない」と言われているのはそのためだ。


しかしちょっとした工夫で、チタンクッカーのダメなところが一気に解消する。

次の写真のように、加熱の際にゴトク(チタンクッカーを置く金属台)には乗せず、炎から10cmほど浮かせておくだけでよい*1。こうしてやることで、チタンクッカーでも通常の鍋やフライパンと同様に、肉も焼けることが今までの経験で分かった。もっとも、これは私流のやり方であり、誰もができるという保証はないのでご注意いただきたい。

また、私流の加熱方法を用いてできた焦げつきなら、簡単に落とすことができる。

ご覧のとおり、スポンジと中性洗剤だけで事足りる。熱によるチタンの変色も最小限に抑えられていることがお分かりいただけるだろう。


焦げよさらば。頑固な焦げへのレクイエム

チタンクッカーの表面は、ミカンの皮に似た凹凸がある。この隙間に入り込むほどの頑固な焦げつきが出た場合は、中性洗剤はもちろん重曹を用いても完全には落ちない。ではどうするのか?

チタンを使い始めてから3ヶ月にも及ぶ修行を経た結果、私は1つの答えを導き出した。

ナイフの先端を微妙な力加減で“ツンツン”してやるのだ。

丹念に“ツンツン”を繰り返し、ご覧のとおり。時間の都合で焦げの全ては落とせなかったが、除去できているのが見えるはずだ。

メシのためなら “ツンツンツン”
金属工場の 昼休み
聞こえてくるよ あの歌が

慣れてくればお手のもの。鼻歌まじりで焦げを落としていると、まるでチタンクッカーを育てているような感覚になる。そしてチタンクッカーへの愛着がさらに増すのである。

母ちゃん見てくれこのチタン、メシのためなら“ツンツンツン”。

机上の伊論、傍若無人のペペロンチーノ

家から食材を持って来ていない日はどうするのか。そんなときの私の昼ごはんは、自動的にペペロンチーノになる。

ニンニクは、さっさと使い切って新しいものと入れ替えたいので、ありったけ使う。真っ昼間からニンニク祭り。後のことなどお構いなしだ。

クッカーの蓋をまな板代わりにしてニンニクを刻む。この日はベーコンを切らしていたのが残念である。

クッカーにオリーブオイルと刻んだニンニクを入れ、火を通す。また、今回は鷹の爪ではなく、輪切りの唐辛子を入れた。これをパスタに絡めるまで置いておく。

次はパスタを茹でるのだが、ご覧の有り様。

強引に押し込んで……

ここまでくればひと安心。

パスタの茹で汁はフリーズドライのスープにも利用する。これでメインのほかにもう1品完成というわけだ。

ニンニクを炒めた後のクッカーをそのまま使うので、スープにニンニクとオリーブオイルの香りが移っていい感じに仕上がる。

あらかじめ火を通しておいた、ニンニクとオリーブオイルにパスタを絡めて炒めれば、ペペロンチーノのでき上がり。

ちなみに、私はペペロンチーノという食べ物を店で食べた経験がない。オリーブオイルとニンニクを使っておけばイタリア料理っぽくなるんじゃね? という机上の空論ならぬ、机上の伊論(伊=イタリア)を展開しながらいつも作っている。しかし、これが意外と人に出せば「うまい!」という言葉が返ってくる。自分でも驚きである。

街角でよく見かける、おなじみのポーズで記念撮影。1束分だが、こうして見ると結構なボリュームだ。


* *

職場飯店のチンジャオロースー定食

あれは昨年の秋ごろだろうか。

職場の薄暗い一角に、小さなメシ屋ができた。


その名は「職場飯店」。中華料理屋である。

毎日昼の12時になると店に灯り(あかり)がつき、ジュージューという音と香ばしい油の匂いが立ちこめる。

オープンキッチンスタイルとは、随分とシャレた店じゃないか。

材料からすると、今日の定食はチンジャオロースーで決まりと見た。

タケノコは中国産かぁ。

安全性の面からチャイナフリーが叫ばれる昨今だが、あえて中国産を使うことで、本場の味を楽しんでもらおうという店主の心意気。

ニクい、ニクいねぇ(間違えて買っただけである)。

肉と野菜のコントラストが実に素晴らしい。

卵焼きもあるのか。いいねぇ。

……ん? ちょっと待て、あれはチタンクッカーじゃないのか!?

チタンで卵を焼くと焦げつきが激しく、焼くのは不可能とさえ言われているはずだ。おいおいオッサン、大丈夫なのか?


「おまちどうさん。今日はチンジャオロースー定食だ。米も炊きたて、冷めないうちに食べて行きな」

……う、うまい!!

チタンで焼くのは禁じ手とされている肉と卵をここまで仕立て上げるとは!

この店主、ただもんじゃねぇ!!

あの日、私はあまりのうまさに我を忘れ、一心不乱になってメシをかき込んだ。ああ、次の昼休憩が待ち遠しい……。

この記事を見た全国の未来ある若人達が、いつの日か「職場飯店」の名を掲げ、方々でその腕を振るう時が訪れることを願って、締めくくりたいと思う。

ごちそうさま!!

著者:スラム尼崎 (id:eyezonly)

スラム尼崎

猫とヘヴィメタルが大好きな関西人。そして自称、酔拳の使い手。酔えば酔うほど気が大きくなり「ええでええで。ここはワシの奢りや」と言って金を使い、翌日になって後悔する技を得意とするファミコン世代。


ブログ:色々

*1:米を炊飯する場合はゆっくり、じっくりと熱を伝える。ゴトクにチタンクッカーを乗せ「中火から始めて、湯気が出はじめたら弱火で7分。その後、火から下ろして10分蒸らす」のがおすすめ。