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アンティーク家具の選び方とは? その道のプロに話を聞いてきた

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こんにちは! ほそいあやです。

春は新しい季節。引っ越しや、模様替えをする人も多いのではないでしょうか。

今日は、大阪にあるめっちゃ素敵な家具屋さんを紹介します!


大阪市西淀川区の「SHABBY'S MARKETPLACE」さんにやってきました。


JR塚本駅から徒歩8分。住宅街の中に突如現れる大きなお店です。築50年以上の倉庫を改築した店舗は、広々としていて開放感があります。


二階もアンティーク家具が所狭しと並んでいます。

私はアンティーク家具にまったく縁のない人生を送ってきましたが、素敵ということはわかります! こちらのお店は楽天市場にも出店されているので、通販でもアンティーク家具を買えちゃうんです。

お話を聞いてみました


オーナーの二階堂さん(左)と、ディレクターの山本さん(中央)にお話を聞きました。

―― SHABBY'S MARKETPLACEさんで取り扱っている家具は、どういったものなのでしょうか。

二階堂: 海外(主にイギリス、時々フランス)に買い付けに行って、自分たちで選んだ家具です。買い付け先は業者さんや、蚤の市が多いです。傷があったり、壊れかけていたりするものを買ってきて自分たちで修復やリメイクをして売ることもあります。

―― すごい! へんな言い方ですが、ボロボロのものを安く買ってきて直して売ったりもするということでしょうか。

二階堂: そういう場合もあります。元が良いものなら、一度バラして組み立て直します。アンティークなので完全に新品のようにしなくてもいいので。逆に風合いを大切にするために、味のある傷は残すこともあります。

―― それはエコでもあるし、いいことずくめですね。値段を見ると思ったより安いなあと思ったのですが、そういったことが理由なのでしょうか。東京のお店よりずっと安い気がする……。

二階堂: もともと関東に比べて関西のほうが安いという傾向もあるんですが、僕たちのコンセプトには「価値を生み出す」というのがあるんです。

自分たちで手を加えれば、使い古されたものでも甦らせることができます。もちろんある程度は作業代を上乗せしているけど、そこはお安くしていますよ。重きを置いているのは「その家具に価値があるかどうか」です。

―― まさに「お値段以上」ですね。買い付けの目利きと、ほどよくリメイクするセンスのなせる技だ。


お店の一画が工房になっていて、自ら毎日のように修理やリメイクを行っている。「直しているうちに愛着が湧いて売るのがもったいなくなることもある(笑)」と二階堂さん。


小物も多数。ドライフラワーなどのインテリア系雑貨や、蝶番(ちょうつがい)や取っ手などのパーツも置かれている。


かわいい「コーヒーカップ


カトラリーもありました。小物だけでも気軽に買い物できます。


―― おふたりの、アンティーク家具に込める思いやこだわりは何ですか?

山本: 目指しているのは「フランクなアンティーク」です。アンティーク家具というとちょっとハードルが高く思われがちですが、もっと一般化すればいいなあと。

―― たしかにこのお店の価格なら、自分もアンティークが買える! と嬉しくなりますね。

山本: うちも手間はかけているけど、手間賃はリーズナブルにしているのがミソですね。

―― 楽天に出店されているので、全国のたくさんのアンティーク家具好きの目に留まるのではないでしょうか。通販の反響はいかがですか。

二階堂: 自分たちで言うのも何ですが……。僕ら、対応にはかなり気を配っているので、めっちゃ評判いいです(笑)。もともとサイトに載せている写真にはこだわっているのですが、希望があれば追加の画像を送ったり、質問メールにもすぐ答えたり、お礼メールを送ったり。リピーターも多いです。

あと、前職の経験もあってオンラインの対応には慣れているほうかなと。なので顧客満足度は高いと思います。家具をネットで買う時に怖い「思ってたんと違う」がないんです。半年前にオープンしましたがクレームはまだひとつもありません。

―― すごい自信! でもたしかにサイトの写真もすごくきれいだなって思いました。


SHABBY'S MARKETPLACEさんのサイト

アンティーク家具デビューは「椅子」がおすすめ

―― そうだ、こんなお店をやっていたら、ご自宅もさぞかしカッコイイんでしょう???


山本さんのお家の写真を見せてもらいました。


ひえー、おしゃれ!! 何ですかこれ、何かのカタログ?

―― ここまでおしゃれに固めないまでも、私のような「初心者がアンティーク家具に手を出す時にどう選べばよいか」とかってありますか?

山本: 最初にひとつ買うなら、椅子がいいんじゃないでしょうか。テーブルセットはいっぺんに揃えようとするとお金がかかりますし、椅子なら一脚で部屋の雰囲気が変わりますよ

あと、カントリーテイストの椅子はバラバラでもサマになるんで、違うのを増やしていけます。僕の家にある椅子もバラバラです。ほら、今僕たちが座っている椅子も。


―― ほ、ほんとだ! ここも全部違う椅子だったとは。気づかなかった……。

山本: ダイニングテーブルを囲む椅子といえば、普通は全部同じデザインの椅子をイメージすると思います。でも、家族ひとりひとりが好きなデザインの椅子を買って、一緒に使うのって良くないですか? 例えばお子さんが「今日はお父さんの椅子に座ってみよう」みたいな感じで日によって誰かのお気に入りの椅子に座るとか。

「どういうバラバラにするか」を考えるのが楽しいんですよね。これ、アンティーク家具だからできる楽しみ方だと思います。

―― 揃えるのが基本だと思っていたから目から鱗です。逆におしゃれ。

山本: あと、アンティークの椅子は座るだけでなくてインテリアとしても優秀です。部屋の隅に配置して観葉植物を置いたり、本の置き場所としてベッド脇に配置したりするだけでもいい感じになりますから。


取材に出向いたメンバー全員の心を鷲掴みにした曲線が美しいアーコールの椅子。


U字の背もたれは彫り出したのではなく、蒸気をぶわーっとかけて一気に曲げています(前にテレビで見た)。これも一般的な価格より安い。


椅子、いいっすね…… 。興味でてきた。

【楽天市場】 SHABBY'S MARKETPLACE 椅子の検索結果
【楽天市場】 SHABBY'S MARKETPLACE 曲線の椅子の検索結果



―― ちなみに、テーブルを買うのが難しい場合は、最近流行りのお手ごろ価格で購入できるお店のテーブルでもいいですか?

山本: はい、大丈夫です。

―― ダメ元で聞いたのに!

山本: ただ、そういったお店の椅子はあまりおすすめしません。椅子は特に使用頻度が高いので、長持ちしないんですよね。でも、棚とかはいいと思います。あと雑貨。僕の家にもそういうお店で買った雑貨は結構ありますよ。

―― めっちゃ勉強になる。


これもかわいいな……。買って帰ろうかな。

―― 椅子、興味でてきました。でも我が家はごく普通の家だけど合うのだろうか。自分の部屋の床、カーペットだし。

山本: 床は最低でもフローリングですね。

―― 引っ越そう。


購入後のお手入れ


HOWARD社のオレンジオイルとワックス

―― ところで、買ったあとのメンテナンスはどうすればいいですか。

二階堂: 無垢の木は乾燥すると縮むので、ビンテージ家具用のオイルやワックスを塗ってください。ネットでも買えます。汚れをとって艶を保てます。

―― おお、さすがにメンテナンス用品も外国製。 でもそれくらいの手入れだったら続けられる気がする。

二階堂: あとは、傷や汚れがつくからとテーブルクロスやカバーをかける人がいるけど、「むき出しにして見せましょう」とアドバイスしてます。せっかくアンティーク家具だからと守る気持ちもわかるけど、アンティークだから傷がついてもいいんです。

―― なるほど、アンティークだから経年の味が生かせるんですね。


【楽天市場】 HOWARD オレンジオイルの検索結果
【楽天市場】 HOWARD ワックスの検索結果


アンティーク家具は意外にハードルが高くなかった

気づけば自分のアンティーク家具に対するハードルが大幅に下がっているではないか。どれもこれも興味の対象になってきたというか、新しい世界が開けてきたというか……。

まずいまずい、本当にデザイナーズ物件にでも引っ越して一から揃えたくなってきた。


古い病院でカルテを入れてそうな「キャビネット」。素敵。


一度は憧れるビッグな革のソファー。うちの猫は絶対爪を研ぐだろう。でもそれも味になるかも。

大阪に降り立った時は「何でインテリアに何の脈絡もない私がアンティーク家具の取材を?」と、ハテナマークが浮かんだ状態だったけど、一時間後には物欲の塊と化していた。

そして私が買ったのはこれ。


「椅子じゃないのかよ!」という皆のまなざしが痛い。


これで東京に帰ります、と冗談で跨がってみたものの、なぜこれを選んだのかよくわからない。完全に一目惚れ&衝動買い。

届いてすぐにリビングの隅っこに置きました。かわいくて毎日ニヤついてます。


以上、 「楽天でおしゃれなアンティーク家具が買えるぞ」でした。皆さんもアンティーク家具デビューしてみませんか? お気に入りをひとつ買ってみるの、絶対いいと思います!

撮影:武知郁実


著者:ほそいあやid:posoi

ほそいあや

1975年生まれ。猫好き。「ゆる猫生活」(玄光社)発売中。
人生においての目標は食べたことのないものをひとつでも多く食べること。旅先ではまだ見ぬ珍味に出会うため目を光らせている。
個人サイト 晴天4号 / twitter: @