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それどこ

「ご当地」変われば食べ方も変わる! 餃子が好きなら日本各地「餃子の街」を巡ってみよう

宇都宮、浜松の二大「ご当地」餃子に加えて、福島、神戸、博多と全国各地の歴史ある餃子文化を、ブログ「東京餃子通信」の塚田さんが紹介します。

日本全国の餃子好きの皆さんこんにちは。ブログ「東京餃子通信」の塚田亮一です。

今年(2016年)の5月に「全国餃子祭り in うつのみや」なるイベントが、栃木県宇都宮市で開催されました。日本各地の「ご当地餃子」を食べ比べできる貴重なイベントなのですが、このために集まった来場客は、なんと2日間で22万人。たいへん盛況なイベントでした。

全国餃子祭り in うつのみや

今回はこの「ご当地餃子」に注目して、皆さんと全国の「餃子の街」を巡ってみたいと思います。まずはその餃子祭りも開催された宇都宮に向かいましょう。

2016全国餃子サミット&全国餃子祭り in うつのみや|宇都宮餃子会

圧倒的な餃子ブランドの街「宇都宮」

宇都宮といえば餃子の街、餃子の街といえば宇都宮。圧倒的な餃子ブランドを確立した宇都宮ですが、そのブランディングは25年程前、宇都宮市役所で当時の観光課係長だった沼尾博行さんらを中心とした、草の根活動から始まりました。

彼らが当時注目したものが、総務省家計調査の結果です。調査開始以来、宇都宮市は毎年「餃子消費量日本一」を獲得していました。これを官民あげてPRした結果、強力な宇都宮餃子ブランドが築かれたのです。

宇都宮駅西口の餃子像

宇都宮餃子の歴史は、戦後間もなくに始まります。ブームの始まりは諸説あるのですが、北京や満州など中国東北部からの引揚者が多い地域ではあったようです。

昭和20年代後半には、宇都宮餃子の代表格「宇都宮みんみん」の前身である「ハウザー」が営業を開始。昭和30年代には、「正嗣」「香蘭」といった餃子店が続々開店しています。

毎日でも食べられるお値段と味付け

宇都宮餃子の特徴を一言で表すと「毎日食べられる餃子」です。まずとにかく価格が安い! だいたいどのお店に入っても餃子1皿を200円代前半で食べることができます。これなら学校帰りのおやつ感覚で餃子が食べられますよね。

また、毎日食べても飽きない具材や味付けにも注目です。白菜やニラといった野菜比率が高く、サッパリとした味付けの餃子が多いです。私は全国のいろいろな街で餃子を食べ歩いていますが、宇都宮の餃子は連食してもまったく胃がもたれません。1日で5、6軒は軽く回れます。

宇都宮の餃子

胃にもお財布にも優しい餃子。長年「餃子消費量日本一」の座を守ってきた秘訣は、ここにあるのだと思います。

餃子の「食べ歩き」にも優しい街

価格と味に加えて、宇都宮が餃子の食べ歩きに適している理由があります。それは、餃子店が街中に密集していることです。東武宇都宮駅から徒歩10分圏内に「みんみん」「正嗣」といった人気店が集結しています。

行列ができる餃子店「みんみん」

中心街にある「来らっせ」では、餃子を歩かずに食べ歩きできます。宇都宮の人気餃子店5店舗の常設に加えて、宇都宮餃子会に所属する各店の餃子を日替わりで楽しむことができます。

来らっせ|宇都宮餃子会

さらに、餃子観光のお土産にも困りません。各店の冷凍餃子はもちろんのこと、餃子を使った「宇都宮野菜餃子カレー」や、餃子と一緒に飲むために開発したクラフトビール「餃子浪漫」など盛りだくさん。

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ご当地餃子食べ歩きの「入門コース」として、宇都宮を圧倒的にオススメします。

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宇都宮最強のライバル「浜松餃子」

続いて紹介したいご当地は、浜松です。最近のご当地餃子ブームの火付け役といっても過言ではない存在。長らく「餃子消費量日本一」を独走していた宇都宮を猛追し、2011年には初の日本一位になり、以来、2012年、2014年、2015年と「日本一」を守っています。

浜松餃子の歴史も、宇都宮同様に中国からの引揚者が餃子店を始めたことに起因しています。当時の浜松駅周辺には屋台が集結して「自然発生的な餃子ミュージアム」だったとか。その後、新幹線の駅工事などを理由に、駅前屋台の店主が市内各地で餃子店を営むようになったそうです。

「浜松餃子」は、キャベツともやしが特徴

浜松餃子の特徴は、何と言ってもキャベツへのこだわりです。浜松やお隣の愛知県知多半島はキャベツの一大産地ということもあり、良質なキャベツが手に入ります。このため戦後の黎明期から、浜松では餃子の餡の具材として、白菜ではなくキャベツが使われてきました。

キャベツを使った浜松餃子かめ

キャベツの旨味を最大限に活かすため、各店がキャベツの絞り方、味付け、豚肉の比率、焼き方などにそれぞれ工夫を凝らしています。どのお店もキャベツ多めの野菜餃子ではあるのですが、食べ比べるとまったく味が違うことに驚きます。

もうひとつ、浜松餃子の特徴と言われるのが「もやし」の存在です。口直しの付け合わせとして、餃子に茹でもやしが添えられています。「石松」などの人気店がもやしを添えはじめたため、このスタイルの餃子は浜松各地で見ることができます。

浜松餃子と茹でもやし

餃子の脂っこさを、もやしでリセットする最強の組み合わせ。餃子→もやし→餃子と無限に繰り返すことができます。

生活に根付きすぎている「浜松餃子」

新しい「餃子消費量日本一」の街として全国の餃子ファンから注目される浜松ですが、地元の皆さんにその自覚がまったくないことも特徴です。

私は餃子の食べ歩きのため浜松をしばしば訪れるのですが、餃子店の店主からも居合わせたお客さんからも「わざわざ浜松まで来たんだから、餃子なんて食べずに、うなぎ食べていきなよ。美味しい店を紹介するから」と言われます。

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どうやら浜松では餃子が生活に密着しすぎていて、観光資源としてはまったく捉えられていないようです。

また、浜松は歴史的に外食があまり盛んではなく、餃子も持ち帰りして自宅で食べるのが一般的です。市内を車で運転していると、あらゆるところに餃子のお持ち帰り店があることに驚かされます。

地元で人気と紹介された店が山の中の餃子工場だったりもしましたし、餃子のドライブスルーを見付けたときにはかなりの衝撃を受けました。

餃子のドライブスルー

自家製の餃子は、焼肉屋さんやお好み焼き屋さんのメニューにもあります。何より驚いたのは地元のドラッグストア「杏林堂薬局」オリジナルの冷凍餃子です。ドラッグストアに不似合いな餃子専用の冷凍ケースが置かれている様子は、浜松の生活に餃子が根付いていることを表す象徴的な光景でした。

杏林堂薬局オリジナル冷凍餃子

そんな生活に密着した浜松餃子を食べ歩くときには、一点だけ注意が必要です。店内で餃子を食べられるお店は浜松駅から離れて点在しているので、時間の余裕を十分にもって移動しましょう。

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忘れちゃいけない実力派ご当地餃子

宇都宮・浜松の「二大ご当地」以外にも、全国には独自に発展してきた魅力的な餃子がいくつもあります。その中から「福島」「神戸」「博多」の3つの街を紹介したいと思います。

皮も手作りが基本! 餃子作りへのこだわりNo. 1「福島円盤餃子」

福島は知る人ぞ知る餃子の街として、餃子ファンから注目を集めている街のひとつです。

福島餃子の歴史も、満洲から戦後引揚げてきた人たちが始めた闇市に始まります。元祖といわれる「満腹」が当時始めたのが、円盤状に並べて焼く餃子でした。これが人気となり、福島市には餃子店が増えていきました。

福島の円盤餃子

福島餃子の特徴は、何といっても手作りへのこだわり。皮作り、餡作り、包み、焼きの全行程を手作りで行うのが基本。製造量を増やすことが難しいため、福島餃子を福島市外で食べるチャンスはほとんどありません。「ふくしま餃子の会」に所属している店舗で、お取り寄せを行っている店もほとんどありません。このためホンモノの福島餃子を食べるには現地に行くしかないのです。

完全手作り餃子のため

現地じゃないと食べられない餃子があるというのも、食べ歩きの魅力ですよね。各店舗、皮の味や食感に特徴があるので、比べてみると楽しいです。

その際に気を付けておきたい注意点があります。福島では高度成長期にサラリーマンが餃子店でお酒と餃子を楽しんでから帰宅するという文化がありました。これは今でも引き継がれており、夜のみ営業の餃子店がたくさんあります。事前に営業時間を確認してから計画を立てましょう。

ふくしま餃子の会 » 福島市商店街連合会青年部

お店によって異なる「味噌ダレ」が魅力の「神戸餃子」

関西から紹介したいご当地餃子は、神戸です。神戸餃子も他のご当地と同様に、ルーツを探ると満洲に辿り着きます。

満洲で日本料理店を営んでいた頃末芳夫氏が、戦後帰国して神戸で「元祖ぎょうざ苑」を開いたのが始まりとされています。

元祖ぎょうざ苑

神戸餃子の特徴は、タレにあります。各店オリジナルの味噌ダレを付けて食べるのが、神戸餃子の魅力です。赤味噌ベースのもの、白味噌ベースのもの、酢味噌になっているものなど、各店の餃子にあわせたオリジナルの味噌ダレが準備されています。

さらに、味噌ダレとニンニクや辣油、お酢などを調合して、自分好みの味噌ダレの配合を見付けるのも、神戸餃子の楽しみ方のひとつです。

味噌ダレが魅力の神戸餃子

人気の餃子店が今でも三宮・元町周辺に集まっているので、食べ歩きには非常に便利です。「赤萬」や「ぎょうざ大学」などの老舗店では、時間帯によって餃子を追加オーダーできないこともあるので、ファーストオーダーから油断をせずに注文数を決めましょう。

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屋台発祥の「博多餃子」はバラエティが豊富

博多の餃子の歴史も、戦後の昭和20年代に始まります。屋台で広まった餃子は、小さめだったため「一口餃子」と呼ばれるようになりました。お酒のツマミとして出されるため、薄皮でパリッと焼かれるのが特徴です。また薬味として柚子こしょうを付けるのも、博多ならではの食べ方です。

やがて独自の発展をしなから、バラエティに富んだご当地餃子に進化を遂げています。その代表格は、近くの八幡で生まれた「鉄なべ餃子」です。

鉄なべ餃子

熱々の鉄鍋に、一口サイズの餃子をぎっしりと敷き詰めて焼き上げる鉄なべ餃子は、見た目も美しく、いつまでも熱々でサクサク食感の餃子が食べられるとあって、博多の餃子好きの心を一気に掴みました。

最近では、水炊き文化との融合で生まれた「炊き餃子」が、新たなご当地餃子として注目をされています。長時間かけてとった鶏ガラスープで餃子をさらにじっくりと炊き込んで、皮にスープの旨味が染み渡り、絶品の餃子に仕上がります。水餃子やスープ餃子ともひと味もふた味も違うので、博多まで食べに行く価値はあると思います。

炊き餃子

バラエティ豊富な博多の餃子を食べ歩く際の注意点は、ペース配分です。どのお店でもラーメンやモツ鍋、お刺身など、餃子以外に気になるメニューが盛りだくさん。迂闊に手を出すとすぐにお腹いっぱいになってしまうので気を付けましょう。

ご当地餃子を巡る旅に出かけよう

宇都宮、浜松、福島、神戸、博多と各地のご当地餃子を紹介してきました。気になるご当地餃子は見付かりましたか?

紹介し切れませんでしたが、札幌のソウルフード「みよしの」のぎょうざカレーや、伝統野菜「青菜」を使った仙台あおば餃子、羽根付き餃子発祥の地の蒲田、パリパリ一口餃子の大阪、青ネギをどっさりとかける広島などなど、全国には魅力的なご当地餃子がまだまだたくさんあります。

食欲の秋、ご当地餃子を巡る旅にふらっと出かけてみてはいかがでしょうか?

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著者:塚田亮一 (東京餃子通信 編集長)

東京餃子通信 編集長 塚田亮一

餃子食べ歩きブログ「東京餃子通信」の編集長。「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。「マツコの知らない世界」「お願い!ランキングGOLD」「ヒルナンデス」など、TV、ラジオ、雑誌の餃子特集への出演・執筆多数。

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