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産婦人科医と小児科医に聞いた本当に信頼できる育児グッズ ~森戸やすみ先生×宋美玄先生~

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はじめまして! 4歳と2歳の男子を育てるママライター、浦和ツナ子です。
妊娠、出産、育児……とここまで一通り経験してきて、ようやくわたしも二児のママらしくなってきたかなぁと思っている今日この頃。

長男を産んだばかりの頃は、やれおっぱいの吸いが悪いだの、ウ◯チの様子が昨日と違うだの、予防接種ってこんなにたくさん打って大丈夫なの?……などなど、本当にささいなことでいちいち不安になったものです。

次男も卒乳してひと段落ついた数ヶ月前、Twitterで話題となっていた、ある育児書を手にしました。
「この本……新生児期から悩んできたことがほぼ網羅されているじゃん!」

小さなことであたふたしていた当時の自分に読ませてあげたい……と思い、その瞬間しか出会えなかった子供の変化や成長について振り返りつつ、一気に読みました。

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そこで今回は、こちらの著者である小児科医の森戸やすみ先生と、森戸先生との共著がある産婦人科医の宋美玄先生、おふたりにお会いしてきました!

◆ 今回、お話を伺ったのは……

森戸やすみ先生:小児科医。16歳と10歳のふたりのお子さんを持つママ。(写真右)
宋美玄先生:産婦人科医。4歳と0歳のお子さんを持つママ。(写真左)

おふたりは、共著で『らくちん授乳BOOK』(メタモル出版)、『各分野の専門家が伝える こどもを守るために知っておきたいこと』(メタモル出版)を出版しているほか、ママ・プレママ向けのオンラインサロン「産婦人科医ママ宋美玄×小児科医ママ森戸やすみ オンラインサロン」を開設。臨床で、SNSで、書籍で、氾濫する真偽の分からない情報に振り回され不安になるママやプレママのために活動しています。

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トンデモ情報があふれる出産・育児業界……

―――先生たちのもとに寄せられるママさんたちからの悩みって、どんなものが多いですか?

森戸先生:
圧倒的に多いのは母乳のこと。粉ミルクよりも母乳が優れている、という「母乳信仰」があって、どうしてもミルク育児が批判されがちなんですね。

―――わたしもまだ子供が小さなとき、すれ違うおばちゃんたちにいちいち「おっぱいなの?ミルクなの?」って聞かれました。母乳で育てているママは立派、という風潮は根強くありますよね。

宋先生:
わたしも出産後、「吸わせても吸わせても母乳が足りないんですが、どうしたら?」と助産師さんに聞いたら「出るまでもっと吸わせてくださいっ!」と激励されましたよ。退院して家に連れて帰って速攻ミルクを飲ませましたけど(笑)。

森戸先生:
「母乳の出が悪い」という悩みに始まり、「良い母乳を出すためには何を食べて、何は食べちゃダメ」とか、「乳腺炎になったのはこれが原因」だとか。医療者間でも母乳に対する間違った意見や指導の仕方はいろいろあるし、中には都市伝説的な、根拠の全くない情報もあったりして。

宋先生:
そもそも、母乳かミルクか、どちらかに偏っている情報がほとんどなんです。極力どちらにも偏らないような新しい授乳本を出したら、反響がすごかった! 母乳に代表される育児の話題って、案外はけ口がないんですよね。

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断定的な情報は、疑って!

―――悩んでいるママたちを吸い寄せる、トンデモ育児情報も多い気がするのですが。

宋先生:
「子供にワクチンを打たせるな!」とか、「カラダを冷やすと逆子になる!」「グルテン除去でアレルギーが治る!」とかね。突飛なものほど目立つし、断定的な言い方をしているから信頼できそう……に見えちゃうんですかね。

森戸先生:
子供が風邪をひくと「わたしが昨日冷やしたからです。子供に申し訳ない」と自分を責めるお母さんもいますが、そもそもウイルスがないと風邪をひかないし、潜伏期間を考えると時間的にもあり得ない。みんな、何かひとつのわかりやすい原因を探したがるんですよね。

宋先生:
今の医学で、カラダ全体のうち、どれくらいのことが解明できていると思いますか?

―――うーん……3割くらいでしょうか?

宋先生:
そういう質問を医師にすると、5%~30%と答える人が多いです。全身を診ている診療科の医者ほど少ない数字を答えて、「体のことはまだまだ分からないことだらけ」と感じている。でも患者さんは「病院に行けば原因わかるよね? すぐに治るよね?」と思ってしまうことが多いです。

森戸先生:
「え! 原因わからないって、どういうこと~?」みたいな。医療について知らない人ほど、現代医療は何でも解明されていて、何でも治せると誤解しているから、わからないと言われて不安になる。

宋先生:
病院で明確な答えが得られなくて、変なところに載っている断定的な情報に吸い寄せられてしまうんですね。「あなたの不調、実は全部冷えのせいだったんです!」なんて言われると、「そうだったのか!」と。

―――子供に心配やトラブルがあったとき、「何が原因なんだろう? 答えを探さないと!」と思ってしまうのかもしれません。妊娠や出産、育児に関する情報って、本当に玉石混淆としています。

宋先生:
わたしは妊娠や出産をたくさん見てきています。赤ちゃんの病気などは、そのほとんどが、原因がわからない、偶然なもの。でも、多くの人は原因がわからないとスッとしないんですね。「わたしの何が悪かったのだろう……」となる。

中でも、食べ物に関する間違った解釈は多いですね。何か不調があったとき、牛乳や米、砂糖やグルテン、遅延型フードアレルギーなどがそのターゲットにされがち。でもどれも科学的根拠は薄いか、ないかで、眉唾の域を出ません。因果関係が遠すぎて証明できないことばかりなんですよ。


正しい情報を見極める、には……

―――最近、Facebookなどで「シェアしてください!」と流れてくるものに、信じがたい情報があって、キケンだなぁと。ママたちはどこで、どのように、子供に関する正しい情報を得るべきでしょうか?

宋先生:
インターネットで検索して出てきた、出どころがわからない情報には頼らないこと。どこの誰が書いたのかわからないコラム記事などを信じるのは、もってのほか! 最低でも実名の署名記事を読んでほしいです。わたしも作成にかかわった内閣府の「結婚・妊娠・出産・育児の切れ目ない支援」のリンク集にあるサイトは信頼がおけます

関連リンク - 少子化対策:政策統括官(共生社会政策担当) - 内閣府

森戸先生:
わたしも、専門家の発表や、省庁の発表などを見るべきだと思います。あと、母乳に関しては、小児科医の水野克己先生による本「母乳育児支援講座」がおすすめ。医療者向けに書いてある書籍は、けっして派手ではないけれど、これらの類の本には、わたしが診察でお母さん方に聞かれる質問のうち8割くらいの答えが書いてあります。

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宋先生:
書籍でいえば、看護学生向けの教科書ですが「病気が見える」は読むべき! たくさんある情報の中から、正しい情報の見分け方だけを知りたいと思っても難しい。まずは、正しいものを選び取るための知識を身につけるのが先決です。リテラシーを身につければ、変な情報に惑わされなくて済むんですから。また、松本俊彦先生の「大学生のためのメンタルヘルスガイド」も読みやすくておすすめです。

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森戸先生:
「病気が見える」シリーズは、イラストもわかりやすいですね。

宋先生:
例えば、消化の仕組みを知っていれば「コラーゲンを飲んだ翌朝に肌がぷるぷる」なんてことはあり得ないってわかるし、解剖学を知っていたら「骨盤のゆがみを矯正すればアトピーが治る」なんてニセ医学にもひっかからなくて済みます。カラダをブラックボックスだと思わず、カラダに関する全体の知識の底上げをするのが大事なんです。

森戸先生:
わたしはおすすめのマンガとして、「コウノドリ」(鈴ノ木ユウさん)、育児中のお母さん向けに「れもん、うむもん!」(はるな檸檬さん)を挙げています。どちらも読みやすく、面白いです。妊娠や出産は十人十色で、いろいろなトラブルや想定外のことが起こり、子育ては思い通りにいかないものというのをわかりやすく伝えてくれる作品です。

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―――情報を得る前に、知識をつける。知識があれば、突然のトラブルに焦ることもなさそうですね。


その育児アイテム、“感性”で選んでない?

―――育児に関する情報だけでなく、育児アイテムについても賛否両論あると思いますが、どうお考えでしょうか。

宋先生:
わたしは呼吸と姿勢についてのメソッド「ガスケアプローチ」を実践しているので、ベビーキャリーやベビーカーで変な体勢になっている子が気になります。わたし自身は、ストッケのベビーキャリーと、ディディモスのベビーラップを使っていました。

ベビーキャリア (ストッケのサイト)
抱っこひも・スリング | 抱っこ紐ならベビーラップのディディモス

森戸先生:
わたしは長女のときに鼻水の吸引器があれば欲しかったなぁ! あれがあれば、何度も耳鼻科に行かなくて済んだかなぁと思います。育児グッズは、便利なものも増えてきていますよね。風邪の時の鼻水は処方薬でも止まらないんですよ。

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宋先生:
あと、家事をしながらの育児には必需品なのは、メリーとバウンサー! バウンサーも、赤ちゃんのことを考えてストッケのものを使っています。

ステップス バウンサー | ハイチェア | ベビーチェア | ストッケ | Stokke

森戸先生:
角度を調節できるバウンサーは、医学的にも良いと思います。NICU(新生児集中治療室)でも、胃食道逆流を防ぐために立てかけられているベビーがいます。2歳くらいになるまでいろいろなシーンで使えますしね。

宋先生:
股関節や背骨のことを考えて作られているアイテムは良いですね。赤ちゃんは、足をそろえちゃいけないので。

―――乳幼児期、赤ちゃんが落ち着くとされる「おひなまき(=おくるみなどで赤ちゃんをくるんと包むこと)」などは、どうなのでしょう?

森戸先生:
足がガニ股になればいいですが……。足がくるんである、袋型のベビー服はダメです。

宋先生:
「うちの子、巻いたら静かなんですよ~」っていうママがいますけど、横隔膜がまるまって呼吸がしづらいだけじゃないの……と思います。そういうアイテムを「子宮の中と一緒! まあるい抱っこで落ち着くんだって! なんか良さそう♡」と、感性で選び取るのはキケン。これも知識があれば、避けられますよね。

―――自然なお産・育児に憧れを持つママは多いですが、「子宮で感じ取る」などの感性に響くワードを盲目的に信じてしまってはダメですよね……。わたしが第一子を妊娠したときに違和感を覚えたのは、産院でバースプランを書かされたこと。「どう産みたいとかって、そんな細かく選べるの?」って驚きました。

宋先生:
もちろん、理想があるのは悪いことではないですよ。でも、妊娠や出産、育児が自己表現の場になってはダメ。分娩方法は本来選んだりするもんじゃないから……って、現代のお産に関する話をすると尽きなくなりますけど。

森戸先生:
出産も育児も、イメージ通りにならないことだらけです。

宋先生:
そう。だから、過度なこだわりを持たないこと!

―――信頼できる主治医を見つけることも大事だと思います。

森戸先生:
でも、医者だからといって子育てのエキスパートではないし、育児に関するよろず相談所ではないんです。以前、外来の患者さんに「子供の髪の毛、切っていいんでしょうか……?」と聞かれてあぜんとしたことがあります(笑)。

宋先生:
近くに聞く人がいないのかな。でも、そういうママさんたちに向けて、森戸先生と一緒に非公開のネットサロンの場を設けています。ブログやTwitterなどで質問されて、全世界に向けて返答するのは難しい。クローズドな空間で、ママたちの質問や不安を解決できたらいいなと。

森戸先生:
わたし自身、1人目のときの育児はネットも一般的ではなかったし、悩んでいました。病気の専門家ではあるけれど、オムツの替え方やミルクのあげ方は、医学部では教えてくれないですから。ささいなことでも聞ける場があるのは、大事なのかなと思います。

トライアンドエラー、失敗しても大丈夫!

宋先生:
育児に関しては「トライアンドエラー」で良いと思うんです。わたしはアトピーなんですけど、皮膚の状態は日々変わっていくので、あれこれ試してみています。ママの目で子供を朝晩しっかり見て、いろいろ試してみるべき。これを塗ってみてどうだったとか、うまくいったとか、成功と失敗のデータを蓄積していくんですよ

森戸先生:
毎日見ていくことが大事なんですね。

宋先生:
例えば皮膚の疾患なら、ステロイドの使用を躊躇するママさんは多いですけど、失敗を恐れるあまりに、情報ばかり調べすぎて踏み込めないのでは前に進めません。トラブルの解決、育児の仕方、全部誰かに教えてもらわないとできないというママは多い。まず、やってみたらいいのに! 「トライアンドエラー」を繰り返して、うちの子の場合は……という正解が見えてくるものです。

森戸先生:
不安が強くて、ぴっちりと書いたメモを片手に診察にくるママもいます。でも、そのひとつひとつに答えるよりも、「大丈夫。あなたはうまくやっていますよ!」っていう安心感が必要なんですよね。それが、おかしな情報に惑わされたりしなくて済む、根本の問題解決になるのかもしれません。

宋先生:
医者ができることは限られているけれど、小さな不安を持つママたちから不安を取り除いていかないと、いろいろな媒体に横行するトンデモ情報に吸い込まれていってしまう。わたしも小さな子を持つママとして、子供を守るためにできることがあればと思っています。

◆ ◆ ◆

妊娠・出産・子育てに関する悩みは、人によってはデリケートな話題であったりします。そして残念なことに、キャッチーで極端なニセの情報が目につきがち。悩んでいるママたちにこそ、おふたりの力強い言葉が届いてほしいと切に願います!

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【先生のプロフィール】

森戸やすみ先生

小児科専門医。一般小児科、NICU勤務を経て、現在は市中病院の小児科に勤務。専門的な学術書と手に取りやすい気軽な本の中間に位置するようなものを作りたいと考えている。二児の母。

Twitter: 森戸やすみ⠒̫⃝♡* 小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK (@jasminjoy) / Twitter
ブログ: Jasmine Cafe
著書: 【楽天市場】 赤ちゃんのしぐさ あそびと成長のスタディブックの検索結果

宋美玄先生

子育てと産婦人科医を両立、メディア等への積極的露出で“カリスマ産婦人科医”として様々な女性の悩み、セックスや女性の性、妊娠などについて女性の立場からの積極的な啓蒙活動を行っている。 女医が教える本当に気持ちのいいセックス(ブックマン社)を出版、アマゾンランキングで最高1位を獲得するなど50万部突破の大ヒットを記録。

Twitter: 宋美玄🐰子宮体がん検診は実は不要です (@mihyonsong) / Twitter
公式サイト: 宋美玄(そんみひょん)オフィシャルサイト|mihyonsong official site|

ライティング:浦和ツナ子