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歌舞伎初心者のために。わたしが歌舞伎観賞のために揃えたグッズ

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推し活をしている人が「これ良い!」と思ったものを紹介しています

こんにちは、ジュリー下戸と申します。

わたしが歌舞伎の世界に初めて触れたのは、2015年10月のことです。新橋演舞場で公演していた「ワンピース歌舞伎」こと「スーパー歌舞伎II ワンピース」を観劇しました。きっかけは、言ってしまえば“怖いもの見たさ”でしたが、歌舞伎の様式美や役者の迫力にすっかりやられてしまい、以来少しずつですが観劇を重ねています。

すぐに「ワンピース」をおかわりして、今年のお正月には浅草公会堂での「新春浅草歌舞伎」、4月は明治座「四月花形歌舞伎」と博多座「ワンピース」、タイムシフト試聴でニコニコ超会議「今昔饗宴千本桜」を観賞。6月はシネマ歌舞伎「歌舞伎NEXT 阿弖流為」、渋谷・コクーン歌舞伎「四谷怪談」を楽しんで、ついに「六月大歌舞伎」で歌舞伎座デビューも果たしました!

さて、この記事のテーマは「買い物」。

わたしは「最近歌舞伎を観るようになった人」という立場で、歌舞伎の魅力を語りつつ「最近歌舞伎を観るようになった人が歌舞伎を観るにあたって購入したもの」を紹介していきます。何度も申し上げますが、歌舞伎観劇は初心者です!

でも、とても楽しい!

初心者であるわたしが楽しそうにしている姿から、「結構気軽に観に行ってもいいものなのだな」と思っていただければとても嬉しいです。

どうか皆々様におかれましては、隅から隅までずずいぃ~~~っと、お付き合いの程よろしくお願い申し奉りまする~~~。

その1 双眼鏡~でもお高いんでしょう?

「歌舞伎が趣味!」と言うと、とても贅沢をしているような目で見られることがありますが、わたしは安月給で毎月ヒーヒー言っている一介の会社員です。なんとなく「お高いんでしょう?」と思われがちな歌舞伎鑑賞ですが、実際のところ一体いくらかかるのかみなさまご存知ですか?

公演と席種によってチケットの価格は変わりますが、2016年の歌舞伎座を例にしてみます。観やすい「1等席」で15,000円。次いで「2等席」11,000円、「3階A席」5,000円、「3階B席」3,000円と続きます。ちなみに、劇団四季のS席は一般9800円、宝塚歌劇のSS席は12,000円、S席は8,300円です。

しかしもっと安く歌舞伎を観る方法があるのです。それが、歌舞伎座など一部の劇場で用意されている「一幕見席」。その日の演目の、ある一幕だけ観られる席で、舞台からはかなり遠いものの、まあ〜〜〜安い! 値段は演目によって異なるのですが、だいたい1,000円前後でしょうか。当日券のため、早くから並んで購入します。

とはいえ、わたしは安い席で幾度となく劇場へ足を運ぶより、月に1~2度赴いて、1等席か2等席でじっくり観劇する方が好きです。そんなわたしのように、舐めるように舞台を観たい方。お安めの席で遠くからご贔屓さんを観察したい方。どちらにせよ、オススメしたいアイテムは「双眼鏡」です。

わたしが使用している双眼鏡はVixenの「アリーナ M 8×25」です。歌舞伎ファンの先輩方に「双眼鏡は何を使用しているですか」と聞きまくり、一番ユーザーが多かったのがVixen。屋内での舞台観劇に向いているという口コミを読んで、このモデルに決めました。双眼鏡は、屋内向けや屋外向けなど多種多様ですので、舞台観劇に向いたモデルをチョイスするのがベストです。

ただ双眼鏡越しでは、舞台全体を見渡すことができません。双眼鏡は、役者の顔に浮かぶ玉のような汗に意志を感じ、きられた見得(みえ)に見入り、繊細な手つきに惑わされるためのアイテム。そして、遠く離れた席から役者さんを見守るための神器です。決して「必須アイテム」ではなく、持っていなくても何とかなるけれど、一度使うと手放せません。

その2 トートバッグ~話についていけるかしら?

古典歌舞伎では、とても長~~~いお話の一部をかいつまんで上演することがあります。全5話あるうちの、2話目だけを上演するよ! とか。もちろん何の知識もなく観てもいいっちゃいいのですが、「この物語の前にこういう流れがあって、この後こういう展開が待っている」と知っておいた方が、物語の理解度が断然違います。

で、そんなときはネットで情報収集するのもいいのですが、わたしは「筋書き」と「イヤホンガイド」の活用をオススメします!

筋書きは、いわゆる「プログラム」。A4サイズの冊子で、物語のあらすじや登場人物の紹介、公演後半になれば舞台写真も入ります。新春浅草歌舞伎のご挨拶で、尾上松也丈が「歌舞伎のプログラムは親切なもので、なんとオチまでしっかり書かれております」と言っていたのですが、その通り。古典は、今まで何度も繰り返し上演されてきた演目だから「ネタバレ」という概念が通用しないのです。

このオチが知られている舞台をどう演じるのかが、役者の腕の見せ所! ぜひ劇場で筋書きを買って、観劇を奥深いものにしてください!

そして、筋書きを買う際に重宝するのが、A4サイズのものが入るトートバッグです。結構ボリュームがある筋書きをストンと入れられ、劇場でもらったチラシも折らずに収納できます。A4サイズより大きいバッグは、足下に置くと窮屈なので要注意です。

もうひとつのオススメ「イヤホンガイド」は、買うのではなく劇場で借りられます。利用前に1700円を払い、観劇後に1000円が返ってくるので、実質700円。700円で、観劇中にずっと歌舞伎の先生が耳元で解説をしてくれる、というサービスです。

幕間につけたままにしておくと、舞台の時代背景などを話してくれるので、とても勉強になります。観劇中は「今出てきたのは○○で、演じているのは△△で、屋号は□□だよ」「彼が着ている着物の柄は当時の流行りだよ」「ハイ次、有名な台詞くるよ」という具合。筋書きで前もって予備知識を入れておいたら、あとはイヤホンガイドがリアルタイムで解説してくれるので、物語が分からなくて置いてけぼり! ということがありません。初めて利用したとき、初心者に優しすぎて「なんで今まで使おうとしなかったんだろう……」と真剣に反省しました。

イヤホンガイドの重要性は、以前自分のブログで散々説いているのでぜひ読んで頂きたいのですが(笑)、とにかく初心者は利用して損はないと思います。

http://jurigeko.hateblo.jp/entry/2016/01/12/234116jurigeko.hateblo.jp

その3 ノート~プロにお任せ

歌舞伎鑑賞をする際、巡り会う独自の文化のひとつに「大向こう」があります。役者が登場したり、見得をきったタイミングで「○○屋!」と「屋号」を呼ぶことを指します。ニコニコ超会議2016の「超歌舞伎」では、観客全員で「萬屋アーーー!!!」と叫んでOK! むしろ叫べよお前ら!! という雰囲気がありましたが、「超」がつかない歌舞伎では、誰でも好きに発して良いわけではありません。

まず「屋号」とはなんぞやという話。役者の「名前」とは違います。

たとえば、市川海老蔵丈が出て来たときに何とかかるのかというと「市川屋!」ではなくて「成田屋!」なのです。なぜ市川家が「成田屋」という屋号にしたのかというと、成田山に縁があるからとかなんとか……。そういうストーリーがお家ごとにあるうえ、同じ名字でも屋号が違うというパターンも多々。そして静まりかえった劇場に自分の声を響かすわけですから、並大抵でない知識と技術が必要。というわけで、初心者にはハードルが高いので、プロに任せておいた方がいいんじゃないかとわたしは思います。

じゃあ感情がたかぶった時はどうすりゃいいのよ、となるわけですが、拍手でいきましょう。あと、泣いたり笑ったり(歌舞伎は笑えるところも沢山あります! )するのは、もちろんOK。歌舞伎だから……と構えずに、映画やミュージカルを観る際の一般的なマナーを守れば大丈夫。

でも、生の歌舞伎役者って、想像を遙かに超えてカッコイイ。「キャーッ! みっくーん!(※坂東巳之助丈・大和屋)」と叫びたい気持ちを堪え、唇を噛みしめながら手がしびれるほど拍手し涙ぐみ、でもそれでも足りない。

こんなんですから、だいたい歌舞伎の幕間や観劇後は、座席、あるいはどこかの喫茶店に駆け込んで、ノートに感想を書き付けることで「感情の高ぶり」を鎮めます。誰かと一緒に観に行けば「みっくん良かったよね」と発散できるのですが、主にひとりで観に行くことが多いわたしの場合は、ノートが発散相手。劇場内は電波が悪いし、観劇中は電源を切るので、アナログなノートの方が適しています。座席も喫茶店も場所が限られるので、スリムなタイプがいいですね。

そしてそのノートはそのまま「観劇メモ」として大事な思い出になりますので、お気に入りのデザインを選ぶこと、繰り返し持ち歩いてもへこたれない丈夫なものを選ぶのが個人的なポイントです。

わたしの観劇ノートは、文房具メーカー「ミドリ」のトラベラーズノート。万年筆で、誤字を恐れず書き付けていきます。

最後に

ここまで色々と書かせていただきましたが、もちろん観劇スタイルは人それぞれ。「わたし個人の」ということで、ひとつご理解ください。でも、ド初心者のわたしでも胸を張って言えることがあります。

歌舞伎、とっても楽しいです!!

若手がどんどん成長していく今だってもちろん楽しいけれど、自分の贔屓の役者さんがおじいちゃんになるのも楽しみだし、彼の孫が初舞台を踏むのも待ち遠しい。歌舞伎そのものも日々進化して、一体次は何が出てくるのかとワクワクさせられます。

そんな風に、未来に思いを馳せてうきうきすることも、歌舞伎の魅力のひとつだと思います。「日本人だし観ておいた方がいいのかな、教養として……」なんて身構えず(もちろんそれでも立派な動機ですが)、“エンターテインメント”を楽しみに劇場へ行ってみてください。

この記事を読んでくださった方が、どうか早くあの素敵な世界と出会えますように! ジュリー下戸でした。ありがとうございました。

著者:ジュリー下戸

ジュリー下戸

お金がなくても歌舞伎が観たい会社員。生活のこと、趣味のことをまとめたブログを更新中。