読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

それどこ

パリのクロワッサンとエスプレッソ。フランス在住の料理人が語る、その魅力

こんにちは、フランス在住料理人の"えもじょわ"といいます。フランスに来てはや5年。パリに来たばかりのころのエピソード、そして大好きなエスプレッソについて語ります。

グルメ コーヒー 特集記事

f:id:blog-media:20150917131901j:plain

こんにちは、フランス在住料理人の"えもじょわ"といいます。

フランスに来てはや5年。

パリに来たばかりのころのエピソード、そして大好きなエスプレッソについて語ります。

 

パリの香り

僕がパリに来た当初住んでいたアパートは日の光も満足に入らず、ベッドを置くと入り口のドアも開けられない小さな部屋なので、ペラペラの3つに折りたためるマットレスを使わなければいけないほどでした。

部屋の中には小さなカウンター付きキッチンと一脚の椅子が置いてあり、奥のドアを開けると申し訳ない程度のトイレとお湯の勢いの弱いシャワーが備え付けてありました。

もちろんバスタブなんてありません。

 

フランス、パリに憧れ、イメージしていたものとはかけ離れた生活。

言葉もロクに分からず、料理人として仕事をこなす事で精一杯。

仕事が終わればペラペラのマットレスで寝るだけ。

そんなボロく狭い部屋で朝目覚めると、頭ではパリにいる事が分かっていても、感覚的には信じられなかった。

 華やかなパリのイメージとのギャップが大き過ぎたのです。

 

毎朝取り付けの悪いドアを蹴飛ばしながら鍵をかけ、水平の取れていない歪んだ螺旋階段を下りてアパートから出ると、隣のブーランジェリーでパンの焼ける香ばしい匂い、焼きたてのクロワッサンの芳醇なバターの香りが出迎えてくれます。

f:id:blog-media:20150917131902j:plain

そのなんとも幸せな香りが、自分がパリにいる事を少しずつ実感させてくれました。

 

f:id:blog-media:20150917131903j:plain

そのブーランジェリーの隣のカフェからは、これから仕事に向かう人々が焼きたてのクロワッサンをかじりながら飲んでいるエスプレッソの香りがしてきます。

* *

f:id:blog-media:20150917131904j:plain

ボロいアパートから徒歩5分でエッフェル塔に着く。

 

f:id:blog-media:20150917131905j:plain

アパート近隣の住宅街。パリらしい重厚な建物が軒を連ねている。このような景観は法律により守られ、市の許可なく外観を変える事はできない。

 

 パリのカフェ

f:id:blog-media:20150917131906j:plain

パリのカフェのオープンは7時。
昼過ぎにはゆっくりと座ってエスプレッソを飲むパリジャンでも、朝はカウンターで立ったままエスプレッソを飲む。入店からカフェを出るまでは5分もかからない。
エスプレッソの値段は席によって変わり、カウンター、店内、テラス席の順で高くなる。カウンターで立ち飲みだと1.3€ほど。
カフェカウンターには午前中のみクロワッサン、パンオショコラが用意される。注文する必要は無く、勝手に取って食べ始めると小皿が出てくる。時間の無い朝には合理的なシステムだ。
そして正午をまわればパンのかごは片づけられる。

 

f:id:blog-media:20150917131907j:plain

カウンターの上は常に綺麗に保たれるが、床には砂糖の包み紙が落とされる。忙しい朝の時間帯が終われば綺麗に掃除されるのでご心配なく。
これもパリジャンに言わせれば合理的なのだ。

 

f:id:blog-media:20150917131908j:plain

朝はエスプレッソを飲むために、昼はランチをとるために、仕事が終わったら生ビールを飲むためにカフェに寄る。またタバコやロトを買う事もできる。コーヒーだけでなく多目的に利用されるのがフランスのカフェ。

 

砂糖はエスプレッソには必要不可欠

フランスでコーヒーといえばエスプレッソです。そして必ず砂糖を入れて飲みます。

 

それはちょうどプリンとキャラメルの様な関係です。

 

甘さは苦味を抑えるためだけではなく、その良さを引き出し、苦味は単調な甘さにリズムを与えその味のトーンを豊かにします。

エスプレッソというと苦いだけで何が美味しいのか理解できないという方も多いのではないでしょうか。たしかに僕も日本のカフェで初めてエスプレッソにチャレンジした時は物凄く苦く、ひどく酸っぱいものが出て来た経験があり、エスプレッソの美味しさが理解できませんでした。

これは牛乳で割ってもコーヒーの味が負けないように強い味が必要だから、という理由もありそうですが、とても単体で飲んで美味しいと感じられるものではありません。

 

フランスでエスプレッソを飲むまでは、その美味しさに気付きもしませんでした。

 

小さな幸せを与えてくれる飲み物 エスプレッソ

僕はフランスで初めてエスプレッソを飲んだ時の感動をよく覚えていています。周りの人にならい砂糖を一つ入れて飲みました。苦さと甘さとエスプレッソの香り、それらが調和した驚くべき飲み物に衝撃を受けました。

それまでコーヒーはドリップコーヒー、そしてブラック一辺倒でしたが、フランスに来てエスプレッソに魅了され、家でもエスプレッソを飲むためにネスプレッソのエスプレッソマシンを購入しました。

カプセルを一つ入れてボタンを押せばエスプレッソが出てくる楽チンな機械ですが、その味はパリのカフェで飲むエスプレッソそのもの。

時間のない朝でも、ボタン一つで美味しいエスプレッソが飲めるので、カフェへ寄る機会が減ってしまったのが残念なのですが。

 

エスプレッソは量が少ないのでカップが冷たいとすぐに冷めてしまいます。なので淹れる前にカップを温めると、より美味しいエスプレッソが飲めます。

またエスプレッソだけではなく、エスプレッソをのばした「カフェ ルンゴ」を淹れられます。フランスでは「カフェ アロンジェ」(のばしたカフェの意)とも呼ばれます。これはドリップコーヒーの代わりになり得るもので、特に朝には最適だと思います。

もちろん冷たい牛乳に濃いエスプレッソを入れればアイスカフェラテも楽しめます。

1日に何杯も飲む僕のようなコーヒー好きにはカフェインの取り過ぎが気になるところですが、エスプレッソはドリップコーヒーよりカフェインが少ないともいわれています。ネスプレッソのカプセルにはカフェインを取り除いたデカフェインがあるのも嬉しい点です。

 

エスプレッソを飲むときは冷めてしまう前に3、4口で飲み干します。そして苦味と甘さのコントラストを味わう他にも、飲み込んだ後に鼻へ抜けるその香りの余韻を楽しみます。その香りの余韻こそが、エスプレッソ最大の魅力です。

苦味と甘さのコントラスト、飲み込んだ後に口や鼻に心地よい香りが残る。そんな小さな幸せを与えてくれる飲み物がエスプレッソです。

f:id:blog-media:20150917131909j:plain

 

ほら、エスプレッソが飲みたくなってきたでしょう?

バターたっぷりのクロワッサンをかじり、エスプレッソの香りの余韻に浸りながら、皆さんもパリ気分を味わってみてはいかがでしょうか。

 

著者:えもじょわ (id:emojoiecuisine)

えもじょわ

フランス在住の料理人 YouTube、ニコニコ動画に料理動画を投稿しています。作り方だけでなく見ているだけで楽しく、お腹が空くような動画を目指しています。

ブログ:EMOJOIE CUISINE
YouTube:http://youtube.com/user/emojoie
ニコニコ動画:http://www.nicovideo.jp/mylist/46437453

関連記事

srdk.rakuten.jp

社会的責任[CSR]